2月23日は天皇誕生日!それにしても「陛下」は敬称なのに、なぜ「下」の字を使うの?

え?「たんる」じゃなくて…なんて読むの?
え?「たんる」じゃなくて…なんて読むの?

本日、2月23日は、令和最初の天皇誕生日ですね。

さて皆さま、現在即位中の天皇陛下のことを「今上(きんじょう)天皇」とお呼びしますよね? 「今上天皇」は時代によってどの天皇陛下を意味する言葉か、変遷していく呼び方です。

「今上」とは、「今の上様」という意味だと言われています。

天皇陛下に対して「上」という字が使われるのは納得できますが、よく考えると「陛下」という敬称、なぜか「下」の字が入っています。不思議に思いませんか?

・・・というところで、クイズです。

【問題1】「陛下」とは、もともとどういう意味?

「陛下」という敬称のもともとの意味は、以下のどれでしょうか?

1:それ以外はすべて下になる、最上の階級

2:建物の最上階

3:宮殿の階段の下

むむむ…どれでしょうか?
むむむ…どれでしょうか?

…さて、正解は?

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正解は… 3:宮殿の階段の下 です。

なぜ、「宮殿の階段の下」が敬称に?
なぜ、「宮殿の階段の下」が敬称に?

「陛」という字は、「天子(古代中国の皇帝)の宮殿の階段」という意味を持っており、「陛下」という敬称は、皇帝や国王と同位の貴人にのみ使用する尊称です。

最初に「陛下」という尊称が使用されたのは、漢代の中国の皇帝に対してだと言われています。

古来、中国には名前を尊ぶ文化があり、貴人の名を目下の者が呼ぶ、ということは、許されない行為でした。

また、皇帝に何かを伝えたい時には、宮殿の階段の下にいる臣下に内容を伝え、その後、皇帝に上奏してもらう…という段階を踏んでいたとされ、

「貴人を直接的に呼ぶ事を避ける」という意図のもと、「皇帝につながる場所」である「宮殿の階段の下」を尊称として用いた…という説が、最も有力です。

今日も使用される「陛下」という敬称のもともとの意味が、「宮殿の階段の下」だとは、意外ですよね?

…というところで、2問目は「誕生日」にちなんだクイズと参りましょう。

【問題2】「誕る」ってなんと読む?

「誕る」という日本語の読み方をお答えください。

ヒント:「誕」という字は、「言」と「延」の2文字が合体した構成です。

<使用例>「彼女が若々しく美しいのは誰もが認めるところなんだから、年齢を誕る必要なんてないのにねぇ?」

「○○○る」と読み仮名3文字です。
「○○○る」と読み仮名3文字です。

さて、正解は?

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正解は・・・「誕(いつわ)る」 です。

「誕生日」の「誕」で「いつわる」?意外!と思いきや…

「偽(いつわ)る」という表記が一般的ですが、「誕る」という表記も「いつわる」と読むのです。

意外ですよね?

しかし、字の構成をよく考えると、納得できる部分もあります。

「言う」ことを「延ばす」…どんな時にする行為でしょうか?

端的に言えずに、話を延ばすのは、「本当のことが言えない」状態、ともとれるのです。

ですので、真実を隠そうとして、話を延ばしながら思いついた嘘を言うことをして「誕(いつわ)る」というわけです。

思いついた嘘を言う、ということは、それまでなかった事象をとっさに「生み出す」行為でもあります。

そこで「誕」という字は、「誕(う)まれる」という読みと意味も持つのです。

ちょっとびっくりな由来ですよね?

本日は、天皇誕生日にちなんで、

・陛下(へいか)

・誕(いつわ)る

という日本語を深掘りしてみました。

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ILLUSTRATION :
小出 真朱