最近、「免疫力」という言葉をよく耳にします。ウイルス予防はもちろん、風邪をひかないためにも、手洗い、うがいなどはもちろんですが、「免疫力を高める」ことは、健康維持の最重要事項のひとつですよね。

その「免疫力」を高め、健康に過ごすためには、規則正しい生活、バランスの良い食事、適度な運動、そして「質の良い睡眠」をしっかりとることがとても重要です。

そこで、寝具メーカー「西川」の研究機関・日本睡眠科学研究所と協働されている、同志社大学大学院生命医科学研究科/アンチエイジングセンターの米井嘉一教授、睡眠コンサルタントの友野なおさん、西川・日本睡眠科学研究所認定の眠りのスペシャリスト「スリープマスター」富下 瞳さんに、「睡眠と免疫力」について伺いました。

免疫力向上には「質の良い睡眠」が必須!3人の専門家が解説

■1:「メラトニン」の分泌がカギ!|米井嘉一教授

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同志社大学大学院生命医科学研究科/アンチエイジングセンターの米井嘉一教授

「風邪の季節です。新型肺炎も問題になっています。自分自身の免疫力を高め、しっかりと防御することが大切です。まず、十分な睡眠をとること。睡眠不足や睡眠の質の低下は免疫力低下を招いてしまいます。睡眠と免疫機構との間をつなぐのがメラトニンというホルモンです。

例えば、目の不自由な方では、網膜で光を感受できないため、メラトニン分泌量が高まり、免疫機能が強化されて、癌の発症頻度が低いことが知られています。風邪や肺炎に対する防御力を高めるためには、快適な寝具で、部屋を真っ暗にして、メラトニンがたっぷり分泌される状態で眠ることが重要です」

■2: 睡眠不足は免疫力機能を落とす原因に!|睡眠コンサルタントの友野なおさん

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睡眠コンサルタントの友野なおさん

「1日の睡眠時間が6時間以下の場合、7時間以上眠っている人に比べて、風邪をひくリスクが4.24倍高くなるという研究報告があり、慢性的な睡眠不足は免疫力機能を落とすことが明らかになっています。また、感染症予防対策として、ワクチンを摂取する方も少なくないと思いますが、睡眠不足の場合、ワクチンの有効率が11.5倍も低くなることが報告されているのです。

まさに、睡眠力とは免疫力であり、睡眠の質は健康の質とイコールといえます。快適な寝具でぐっすり眠れる睡眠環境を整え、さらに適切な睡眠時間を確保することで。心身の健康を維持しましょう」

■3:入眠後3時間が大切!|「スリープマスター」富下 瞳さん

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西川・日本睡眠科学研究所認定の眠りのスペシャリスト「スリープマスター」富下瞳さん

「今の時期は、眠る時に暖房をつけたまま眠る方も多いと思います。暖房をつけたままですと、室内は乾燥しがちになります。加湿器などを使って、寝室の湿度は50~60%程度を保ち、乾燥を防ぎましょう。

また、暖房の風が直接体に当たらないよう、風向きは上向きにし、調整しながら活用しましょう。加えて、入眠後の約3時間を深く眠ることがポイントです。眠る1時間前までにぬるめのお湯に入浴し、深部体温を一度上げることで放熱を促しましょう。副交感神経を優位にすることで寝つきもスムーズになります。質の高い睡眠をとることが、身体を守り、健康を維持、免疫力のアップにもつながります」


以上、3人の専門家の「質の良い睡眠」についてのコメントをご紹介しました。

「免疫力アップ」には睡眠のほかにも、ティーツリーなどのアロマオイルや、エキナセアなどのハーブティー、腸内環境を整える食品なども、効果的だとか。第一に「質の良い睡眠」そして、食、運動、さらに自分らしいプラスアルファなども楽しく上手に取り入れて、ストレスなく、安全で健康な毎日を過ごしたいものです。

※データ元:西川株式会社 2020年2月ニュースレター「良質な睡眠で免疫力アップ!」
この記事の執筆者
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WRITING :
神田朝子