毛が伸びっぱなしになると、不便なだけでなく健康や衛生面でも問題が出てくる部位が3つあります。

「足裏と肛門の周り、目の周りの3カ所です。足裏の毛が肉球に被さるくらい伸びてしまうと、踏ん張りが利かなくなるので膝の関節を痛めてしまいます。肛門の周りの毛が伸びていると、ウンチが毛に絡まってしまうことも。目の周りの毛が伸び放題だと目やにや涙がこびり付いて肌荒れを起こしたり、目にバイ菌が入る原因にもなります」(ペットショップ、モントゥトゥ渋谷西武店の店長・中島芳美さん)

さっそくカットすべきポイントを教わりましょう。

一度にバッサリ切らず、少しずつカットするのがポイント

■カットの準備:先の丸い工作用のハサミがあれば傷つけずにカットできる!

用意するのは先端が丸くなった工作用のハサミ。「赤ちゃんの髪の毛をカットするハサミでもOKです。ワンちゃんはジッとしていないので、動いたときに傷つける恐れがある刃先の尖ったハサミは使わない方が無難です」(中島さん)

トリミングしている間、愛犬も体力を消耗します。必ず体調のいい日を選ぶこと。

■カットの方法:膝の上に乗せて、少しずつカットすること

犬をテーブルなど高い台に乗せて作業をすると、嫌がって逃げるときに台から落ちてケガをすることも。「落ちてもケガをしない程度の高さが理想的。膝の上で抱っこしながらカットするとワンちゃんも安心しますし、モゾモゾ動くのを抑えられるのでカットしやすいですよ」(中島さん)

バッサリと一度に毛を切り落とさないことも重要。「ハサミの先が丸いとは言え、肉や皮を挟んでしまったら、ワンちゃんは怖がって二度とカットさせてくれません。肉を挟んでいないことを確認しながら、少しずつカットしてください。ハサミの先端や指先で寝ている毛を起こしながら、先端を狙ってカットすると、ワンちゃんを傷つけずに済みます」(中島さん)

どんなに毛が汚れていても、カットする前に濡れた布などで拭き取ってはダメ。濡れると毛が寝てしまい、カットしづらくなります。まずはカット、それから汚れを拭き取るようにしましょう。「涙や目やにで汚れた目もとの毛、ウンチなどがこびり付いた肛門周りの毛は、湿らせた布で拭き取ってください。目もとの汚れを拭き取るとき、アルコールを含んだウェットティッシュでは目がしみるので、使わない方がいいですね」(中島さん)

<カットするときに注意すること>

  1. 落下してもケガをしない高さでカットをすること
  2. 寝ている毛は起こしながら、少しずつカットする
  3. 汚れがひどくても、まずはカットしてから拭き取りを

■やってはいけないカットの三禁:名前を呼ぶ・大声を出す・長時間やる

おとなしくさせたいとき、ついつい愛犬の名前を呼びがち。「ワンちゃんたちは自分の名前を呼ばれるときは、ご飯だったり、散歩だったり『楽しいことが待っている』と思っています。嫌なときに名前が呼ばれると、自分の名前が呼ばれる=嫌なことが起きると思い込んでしまいます。『がんばろうね』とか『もう少しだよ』など励ますのはOKですが、『〇〇(ワンちゃんの名前)、ジッとして』とか『〇〇!』など、名前を呼ばないようにしてください」(中島さん)

また、「大声を出すと、ワンちゃんは自分が怒られている…と勘違いします。なるべくやさしいトーンで、ワンちゃんにストレスを与えないように声をかけてください。『いい子だね』とか『かわいいね』とか褒めてあげるのもいいでしょう」(中島さん)

時間をかけてしまうのもダメ。「ワンちゃんが疲れて、飽きてしまいます。一度にすべて終わらせず、今日は前足、明日は後ろ足…という具合に、少しずつカットしていくのもいいでしょう」(中島さん)

足裏・肛門の周り・目の周りをキレイにしておけば、愛犬の健康は守れます。「顔の毛が伸びて目に入るようでしたら、ピンやゴムで留めてスッキリさせてください。このとき、根元からキツく留めたり縛ったりすると頭皮を傷めてしまうので、ゆるめに留めるようにしてください」(中島さん)

お問い合わせ先

モントゥトゥ渋谷西武店
住所:東京都渋谷区宇田川町21-1 渋谷西武B館屋上
TEL:03-3477-7432

 

 

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EDIT&WRITING :
中島 祐美