自粛規制が緩和されつつある、イギリス・ロンドンの「今」

ここイギリスでは、5月11日に発表されたボリス・ジョンソン首相の声明にしたがって、自粛規制が徐々に緩和されつつあります。日本に比べると死亡者数は大きな数字を保ったままではありますが、感染ピークは越えたというデータを元に、生活に直結するさまざまなことが変わってきています。

まずは、リモートワークが不可能な人たちは通勤がOKとなりました。

これまでは、essential worker(医療従事者・スーパー店員・デリバリー業者など生活に不可欠な職種の人々)以外は在宅でのリモートワークが義務付けられ、オフィスへ通勤することは禁じられていました(その代わり8割の収入補償があるので、皆すんなりと受け入れていた印象です)。

リモートワークが可能な人々は引き続き、在宅を要請されていますが、それ以外の人たちは出勤することができるようになったのです。これはイギリスで生活している人にとって、最も大きく変わったことのひとつといえるでしょう。

電動自転車、電動スクーターで通勤する人が増加

ただし、なるべく公共機関を使わない方法で移動することが望ましいとされているので、最近はこちらではあまり見かけない、電動自転車の売れ行きが伸び始めていると聞きます。友人の間では、電動スクーターの購入を検討している人もおり、しばらくはこれまでとは異なる通勤風景を見ることができそうです。

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自粛期間中の運動不足の解消にもなると人気が集中

友人との再会に「人間は人の間にいなくては生きていけない」ことを実感 

そしてなんといっても、同居家族以外の人間と対面することができなかったこの3か月弱を経て、別居の家族や友人と屋外で会うことができるようになったこと、これは私たちにとって最も嬉しい変化といえるでしょう。

一度にひとりという制限付き、もちろんsocial distanceを保ったうえで、とはなりますが、久しぶりに会う友人とコーヒーを飲みながら青空の下で語らう時間は、感慨深いだけでなく、想像以上に私をリラックスさせてくれました。

人間はその名の通り、人の間にいなくては生きていけないのだな、としみじみ感じた瞬間でした(※注:この後さらに、6/1より一度に会える人数が5人までに引き上げられることになりました。5/28時点情報)。

公園でもソーシャル・ディスタンスを保った楽しみ方が

また、これまで一日一度だけ許可されていた、散歩などの屋外エクササイズの回数制限がなくなり、公園でのピクニックや日光浴が解禁になりました。

実はこれまでも公園でくつろぐグループは散見されていたのですが(いくら規制中でも、守らない人は守らないという事実は全世界共通のようです)、見回りに来たポリスに「Go Home!」と一喝のうえ、散会させられていました。

現在は、週末になるとsocial distanceを保ちつつ、おしゃべりに興じる人々や、凧上げを楽しむ友人らしき人々であふれかえり、公園が元の姿を取り戻しつつあります。

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持参したキャンプチェアをsocial distanceを意識して配置するなど、工夫が見られる
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公園でのアクティビティのひとつとして凧上げも人気

テニス、バスケットボール、ゴルフなど距離を保てるスポーツが可能に

ほかには、テニスやバスケットボール、ゴルフといったsocial distanceを保ちながら行えるスポーツが可能となりました。許可の出ているものが限られているので、特に国民的スポーツであり気軽にできるテニスに関しては、テニスコートの予約が殺到している状況です。

スポーツに付随して、自家用車や自転車でのアウトドアスペースへのお出かけや、宿泊を伴わない日帰り旅行もできるようになりました。

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わりと小さめの公園でもテニスコートを併設しているところが多いので、とても身近なスポーツなのです

子供のいる家族にとって一番の朗報は、ナニーやベビーシッターの来訪がOKになったことでしょう。こちらではフルタイムでナニーを雇っている家庭も多いため、突然もうひとりの手がなくなったのは、共働き夫婦にとって大変なことでした。

けっして少なくない量の自宅学習の監督と、リモートワークのWパンチで途方に暮れていた彼らにも、やっと光が戻ってきました。

学校は6月、小規模の結婚式は6月初旬、本屋や小売店は6月中旬、レストランやホテルは7月初旬から順次再開予定

とはいえ、まだできないこともたくさんあります。

友人の家を訪ねること、ジムやプールなど屋内でのスポーツ、屋外であってもジムや公園の遊具施設を使うことなどは引き続き禁止されていて、まだまだ元の生活とは程遠い状況ではあります。

なお、規則が緩和された分、ルールを破った際の罰金は60ポンドから100ポンドに引き上げられました。気を緩めるな、ということでしょう。

今後については、6月から小学校のreception(イギリスでは幼稚園と小学一年生の間に就学準備のための学年が設けられています)、year1、year6の3学年の子供たちは学校に戻ることになります。

「1グループが15人より多くなってはいけない」というルールに沿ってクラスが再編成されますが、多くの学校ではランチも含めて、通常と同じようにフルタイムの授業が行われるようです(しかし衛生面などの懸念から、学校再開後も自宅学習を選択する家庭も一定数、出ると予想されます)。

また小規模の結婚式は、6月初旬から可能になるといいます。本屋や小売店の再開は6月中旬、レストランやホテルについては7月初旬を順次目指していて、予定通りに進めば限りなく普段の生活へ近づけることになりますが、状況が悪化すれば、規制が再び強まることになります。

実際、週末異様に人であふれかえる公園を見ていると、第二波がすぐにやってきてしまうのではないか…と、少し不安になったりもします。ですが、自由に日本に帰ったり国外旅行ができる日が近い将来、戻ってくることを願いつつ、自分の手が届く範囲で気をつけながら生活するほかありませんね。

また、状況が変わり次第レポートしたいと思います!

この記事の執筆者
ブライダル誌の編集部を経て、2012年フリーランスへ転向。ブライダル・育児系の記事をメインに活動し、2017年からロンドン在住。息子と娘の学校生活を通し価値観の革命に襲われる毎日。
PHOTO :
AFLO、Asuka(公園の風景、凧あげ)