ヘルシンキの目抜き通り、エスプラナーディ通りに面した建物の最上階に入り、テラス席からはヘルシンキ大聖堂やウスペンスキー寺院などが見渡せる老舗高級レストラン「Ravintola Savoy(サヴォイ)」。内装工事を経て、今年6月3日にリニューアルオープンしました。昨年5月に就任したシェフパトロン、ヘレナ・プオラッカ氏に、サヴォイ自慢のハーブガーデンや屋上の蜂蜜作りを案内してもらいました。

サヴォイの自給自足、ハーブガーデンと自家製蜂蜜づくり

昨年5月に就任したシェフパトロン、ヘレナ・プオラッカ氏。とても気さくで素敵な女性
昨年5月に就任したシェフパトロン、ヘレナ・プオラッカ氏。とても気さくで素敵な女性

老舗レストランの新たな挑戦

サヴォイのために、20年間住んだロンドンから、フィンランドへ帰国し、昨年5月に就任したシェフパトロン、ヘレナ・プオラッカ氏。彼女がプロデュースするメニューは、フィンランド料理とフランス料理の融合に、ロシアのタッチも加え、サヴォイの伝統を守りながらも新しいメニューとして生まれ変わっている。

柔らかく口の中でとろけるビーフステーキとグリル野菜
柔らかく口の中でとろけるビーフステーキとグリル野菜
見た目の美しさ、細部にまでこだわったチョコレートのデザートは繊細な味
見た目の美しさ、細部にまでこだわったチョコレートのデザートは繊細な味

「私は全てのことをやるの」という通り、テーブルに飾られている花も全て彼女が一つ一つ丁寧にアアルトベースの花瓶に活けていた。

6月、新緑が眩しい季節のヘルシンキ。緑と白の爽やかなバランスが絶妙でクラシックなアアルトのインテリアに調和している
6月、新緑が眩しい季節のヘルシンキ。緑と白の爽やかなバランスが絶妙でクラシックなアアルトのインテリアに調和している
入り口から化粧室に至るまで綺麗に花が飾られている
入り口から化粧室に至るまで綺麗に花が飾られている

都心で自給自足

見事なハーブガーデン、ヘルシンキの中心部にいることを忘れてしまうくらい
見事なハーブガーデン、ヘルシンキの中心部にいることを忘れてしまうくらい

ヘレナが案内してくれたテラス席のハーブガーデンには、常時50種類のハーブや花が栽培されており、毎朝新鮮なハーブを摘んで、料理に使われる。サラダや、花はアクセントとしてデコレーションに使われる。

「フィンランドの夏はとても短いので、夏の間はできる限り自給自足し、何も取れなくなる冬の間は、夏に摘んだハーブで、ハーブソルトにして料理に使っている」という。

そして、デザートでも使われていたサヴォイ自家製のハチミツ。ヘレナが、「屋上の蜂蜜づくりもぜひ見ていって。」と案内してくれた。ヘルシンキの街が一望できるなんとも贅沢な場所にハチの住処があった。隣には今年植えたばかりという2本の林檎の木も大きくなるのが楽しみと笑顔で言っていた。

高級レストラン、サヴォイの自給自足の取り組みを、見ることができ感動したと同時に、デザートでいただいた蜂蜜がより一層愛おしく感じました。

屋上にある蜂蜜作り、ブルーの箱がハチの住処だが、この日はハチたちが、アクティブに飛び回っていたため、あまり近寄れなかった。

ヘルシンキに来る機会があれば、新しく生まれ変わったサヴォイへぜひ足を運んでみてください。

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この記事の執筆者
学生時代7年間のロンドン生活を経て、2015年よりフィンランド・ヘルシンキ在住。ヘルシンキを拠点にライターとして、ライフスタイル・食・デザイン・ファッションなどの分野で活動中。現地コーディネーターとしてフィンランド及びヨーロッパと日本をつなぐコミュニケーション全般に携わる。趣味は、旅行と料理。著書に、『デザインあふれる森の国 フィンランドへ 』(イカロス出版社)がある。
PHOTO :
Janne Räsänen