今月のアスリート王子:文田健一郎(24歳)…レスリング選手(男子グレコローマンスタイル60kg級)

文田選手(受賞時)
©森田直樹/アフロスポーツ

屈強な男・文田健一郎選手を骨抜きにする存在、それは『にゃんこ』だった!?

笑顔よし、真顔もよし。レスリング男子グレコローマンスタイル60kg級の世界王者・文田健一郎は、人なつこさ全開の笑顔を持つ24歳。「にゃんこレスラー」の愛称で、男女問わず、他競技のアスリートたちからも好かれている好漢だ。

ニックネームが示す通り、自他共に認める大の猫好き。練習が終わると倒れ込んでしまうこともあるほど、全力で打ち込む毎日を送っているだけに、ひとたびスイッチがオフになると、ゆるゆるな時間を過ごすのが文田流だ。

そんな彼が休みの日にせっせと足を運ぶのは、猫カフェ。キュートなにゃんこたちに囲まれている時間は、頬がゆるみっぱなしだという。好きな猫は、耳が垂れた個性的なルックスが魅力のスコティッシュフォールドと、短い足が特徴的なマンチカン。ときにツンデレな猫たちにいなされながら、至福の時間を過ごしている。

文田のインスタのアカウント名は「@nekowrestler」、ツイッターのアカウント名は「@NyankoWrestler」。この徹底ぶりは清々しい。

世界大会出場などで海外遠征の経験は豊富だが、プライベートの海外旅行は意外にも未経験。東京五輪で金メダルをとった暁には、猫島として知られるギリシャのサントリーニ島への旅行を自分へのご褒美として考えているという。

文田選手(試合時)
©森田直樹/アフロスポーツ

ゆるキャラぶりがクローズアップされる文田だが、もちろん、レスリングの実力はお墨付きだ。五輪金メダリストを育てた指導者である父をもち、自身は日本体育大学4年だった’17年の世界選手権でグレコ(グレコローマンスタイル)の選手として、日本勢34年ぶりの金メダルを獲得。

21歳8か月での優勝は日本のグレコ史上最年少だった。’19年の世界選手権でも優勝して、東京五輪の代表に内定している。

レスリングには全身を攻めていい「フリースタイル」と、腰から下への攻撃ができない「グレコローマンスタイル」の2種類がある。文田が勝負している「グレコ」は上半身の力が命。背中から腰にかけての柔軟性が飛び抜けている文田は、得意の「反り投げ」で世界の頂点に立ってきた。

「グレコローマンは投げてナンボ。僕の代名詞である『反り投げ』を極めたい。オリンピックでは最初から投げまくる」と意気込んでいる。

「映画を観るたびに泣く」と言う、涙もろい一面のもち主でもある。にゃんこも顔負けの柔軟性で金メダルを獲る。

Athlete data

文田健一郎選手
レスリング選手(男子グレコローマンスタイル60kg級)
(ふみた けんいちろう)1995年12月18日、山梨県生まれ。韮崎西中学校でレスリングを始め、父・敏郎さんが監督を務める韮崎工高校に進む。高校時代は全国高校生選手権、国体でいずれも3年連続優勝するなど、史上初のグレコローマン高校8冠を達成。‘16年に全日本選手権で初優勝し、日本体育大学4年生だった’17年に世界選手権に初出場初優勝を果たした。身長168cm。普段の体重は67kgで、試合前に7kg落とす。初恋は堀北真希。今は橋本環奈のファン。ミキハウス所属。©森田直樹/アフロスポーツ
矢内由美子さん
スポーツライター
(やない ゆみこ)取材歴25年のスポーツライター。オリンピック種目などをカバー。日本スポーツプレス協会会員。

 

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この記事の執筆者
美しいものこそ贅沢。新しい時代のラグジュアリー・ファッションマガジン『Precious』の編集部アカウントです。雑誌制作の過程で見つけた美しいもの、楽しいことをご紹介します。
PHOTO :
©AP/アフロ、©森田直樹/アフロスポーツ
WRITING :
矢内 由美子(スポーツライター)
EDIT :
宮田典子(HATSU)、喜多容子(Precious)