蒸し暑い真夏のビジネスシーンでは、極力ジャケットを着たくないのが本音。そんなときに頼りになるのが、ノージャケットでも品格と知性を保てる「ワントーン」の装いです! 細部のデザインや素材の質感を生かして、着こなしに表情を加えることで、さりげなく個性も発揮できます。

アメリカを代表するスーパー弁護士のアマル・クルーニーさんも、さまざまなシーンで取り入れています。今回は、好感度が上がる着こなしテクニックを紐解いていきましょう。

ノージャケットでも好感度が上がる!敏腕弁護士、アマル・クルーニーに学ぶ、品格ある夏のお仕事スタイル5選

■1:ミニマルな白ワンピースに表情を灯す「ディテールデザイン」

白ワンピース
顔周りに品格を添える、パールのピアスの存在感

ワントーンの装いを単調に見せないためには、ディテールの工夫が欠かせません。特に目を惹く襟回りや袖に動きを加えることで、印象的に。

この日は、ノーブルな白のワンピースで、凛とした佇まいにまとめまたアマルさん。ホワイトスタイルは仕事相手に誠実さや清潔感を印象づけやすい装いです。無駄を削いだ、タイトシルエットのすっきりした装いが、ビジネスの空気感にマッチ。短めのフレンチスリーブが肩周りを上品に見せています。

少しだけ胸元に切れ込んだ、優美なネックラインがエレガンスを醸し出しました。セットアップのジャケットは室内での温度調整にも重宝。腕に掛ける仕草も絵になっています。

■2:上半身映えを実現する「セットアップ風ワンピース」

セットアップ風ワンピース
首が詰まっているので、半袖でもきちんと感をしっかりキープ

上下が共生地のセットアップは、ワンピースに比べて、立体感ができるため、コーディネートに表情が出ます。最近では、上下が別々のように見えて、実は全体がつながっている新型のワンピースも、人気スタイルのひとつ。

アマルさんが選んだのは、色鮮やかなオレンジカラーのドッキングワンピース。会議や、スピーチに登壇するようなシーンで取り入れると好印象を与えられます。ウエストの高い位置で切り替えられているので、脚長効果も抜群! 半袖よりも落ち着いた雰囲気になる五分丈袖は、さまざまなシーンで出番が期待できます。

■3:女性らしいムードを誘う「とろみ素材」

ブラウンワントーンコーデ
お仕事鉄板スタイルのブラウンワントーンコーデのお手本帳

お仕事スタイルの鉄板でもある「とろみ素材」は、ワントーンの装いに艶やかさを添えてくれます。きれいな陰影が生まれ、品格が備わるのも、とろみ素材の魅力です。

オレンジがかったブラウン系でまとめた着こなしに、素材の光沢が気品をまとわせました。自然な落ち感も宿っています。ゆったりと配したドレープのおかげで、動くたびに陰影が波打つよう。色数を抑えても、布の表情が装いのムードを深くしているのは、とろみ素材ならではの賜物。靴まで同系色で統一した、オフィススタイルとして抜かりのない着こなしです。

■4:メリハリボディーを叶える「ウエストマーク」

艶やかな印象のピンク服
広がり過ぎず、タイト過ぎないマーメード型のスカートは職場でも重宝

ワントーンコーデでスタイルアップするには、大胆にメリハリを付ける演出が大切です。くびれを強調できる太めのベルトを使えば、シルエットに変化をつけることができます。

艶やかな印象の濃いめピンクも、アマル流ならこんなにシックに決まります。スタイルの決め手はウエストマーク! ジャケットの上からベルトを巻いて、きちんと感を引き出しました。サマーツイード調のリッチな素材感も、格上ムードを寄り添わせています。クールな黒革バッグで、お仕事シーンらしいスパイスを加えました。

■5:タイムレスな佇まいへと導く「ボクシーシルエット」

白の半袖ジャケットにプリーツスカート
艶やかなパンプスで、足元だけに遊び心を投入

構築的なシルエットと組み合わせれば、ワントーンコーデに立体感が備わります。たとえば、ボクシーシルエットは凜々しいイメージに仕立ててくれるので、ビジネスシーンにも最適。幅広いシーンで活躍します。

この日は、半袖ジャケットに清楚な白を生かした爽やかな装いで登場したアマルさん。甘くなりすぎないボクシーなシルエットが、お仕事シーンでも好感度を与えています。クラシックなムードを引き出すボックスプリーツのディテールが、ショート丈のスカートでもタイムレスな着こなしに。シンプルなホワイトのセットアップを上手にブラッシュアップしました。


今回は、敏腕弁護士、アマル・クルーニーさんのお仕事スタイルにフォーカスしました。ノージャケットでも品格と知性を保てる「ワントーン」の装いは、これからのシーズンにぴったり! ぜひ取り入れてみてください。

この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃