夏に贈るお中元ですが、地域によって時期が違うことをご存知でしょうか? そこで当記事では、北海道から、東北・関東、北陸、東海・関西・中国・四国、九州、沖縄まで、それぞれの地方別に最適な時期についてご紹介いたします。また、お中元のマナーと熨斗(のし)の選び方、書き方についてもあわせてご紹介します。

■お中元の時期は地域によって違う?

お中元の時期は地域によって違う?
お中元の時期は地域によって違う?

「お中元は7~8月に贈るもの」と思っている方が多いかもしれませんが、実は贈る相手が住む地域により、お中元を贈る時期は異なります。お中元が早く届きすぎたり遅くに届いたりすると、マナーや常識がない人だと思われてしまうかもしれません。

お中元を贈る意味

お中元とはそもそも、日頃の感謝を込めて夏に行う挨拶のこと。旧暦7月15日は中国では「中元」と呼ばれ、先祖を供養する日でした。その習慣が日本にも伝わり、仏教の風習と混ざって、お盆のころにお世話になっている人に感謝の気持ちを伝える慣わしとして定着していきました。

お中元を贈る時期が、地域によって違うのはなぜ?

お中元を贈る時期は地方により異なり、東日本と西日本では1か月近く、その時期に差があります。これは、お中元のもととなった「お盆」の時期が地方によって異なるため。贈る相手が暮らす地方の「お盆」の時期にあわせて届けるのが、お中元のマナーのひとつなのです。では、具体的に各地方ごとにお中元を贈る時期を見てみましょう。

■北海道のお中元の時期

北海道ではお中元を贈る時期は、旧盆の時期にあたります。

北海道は7月15日~8月15日にお中元を贈る

北海道では、お中元の時期は7月15日頃~8月15日まで。1か月ほど時期があるため、余裕をもって贈ることができます。他県から北海道への配送は少し時間がかかる可能性もありますので、7月下旬を目安に届くようにするとちょうどよいでしょう。

もし8月15日を過ぎてお中元が届く場合、「残暑見舞い」という扱いになりますので、8月15日までに届くように手配しましょう。

■東北・関東のお中元の時期

東北地方と関東地方のお中元の時期は、早めです。

東北・関東は7月1日~7月15日にお中元を贈る

東北地方と関東地方のお中元を贈る時期は、7月1日~7月15日が一般的。2週間という短い期間に限られ、しかももっともお中元の配送が集中する時期です。確実にこの時期に品物が届くようにするためには、早めに手配をしておく方が良いでしょう。

■北陸のお中元の時期

北陸地方では、お中元を贈る時期は地域により異なります。

北陸は地域により7月または8月にお中元を贈る

北陸地方は、お中元を贈る時期に地域差があります。新潟県や石川県の金沢市では、関東・東北と同じく7月1日~7月15日の間に贈るのが一般的。一方、富山県などでは北海道と同じく7月15日~8月15日に贈ることが多くなります。

特に注意が必要なのが、石川県。金沢市では7月1日~7月15日の間にお中元を贈るとお伝えしましたが、能登地方は7月15日〜8月15日に贈るようです。同じ県内でも地域により時期が異なりますので、送り先の住所を確認して、その地方ごとの時期にあわせて配送を手配するようにしましょう。

■東海・関西・中国・四国のお中元の時期

東海から関西、中国、四国地方は、お中元を贈る時期は比較的幅広い期間が認識されています。

東海・関西・中国・四国は7月15日~8月15日にお中元を贈る

これらの地方では、7月15日~8月15日と、およそ1ヶ月間の間に贈るのが一般的です。ただお中元を贈る時期がもっとも早い関東地方の影響を受けて、東海・関西・中国・四国でもお中元を贈る時期が、年々早まっている傾向にあります。

■九州のお中元の時期

九州地方のお中元の時期は、全国でももっとも遅い期間となります。

九州は8月1日~8月15日にお中元を贈る

九州地方では8月1日~8月15日にお中元を贈ります。関東や東北地方とは、実に1か月も期間が異なることとなります。ただ8月15日頃はお盆休みに重なる時期のため、早めに手配するのがやはり大切。8月上旬には相手に届くように、配送手続きを行うことをおすすめします。

■沖縄のお中元の時期

沖縄県のお中元の時期は、他の都道府県とは異なります。

沖縄は旧暦の7月15日までにお中元を贈る

沖縄県では、旧暦の7月13日~15日の3日間に贈るのがマナーです。沖縄県ではこの期間に先祖様のお迎えからお見送りを行い、この時期にあわせてお中元を届くように配送します。旧暦の7月13日~7月15日は毎年日付が変わりますので、事前に旧暦カレンダーで確認してから、配送手続きを行いましょう。

旧暦の7月13日と15日は、2020年の場合は8月31日(月)と9月2日(水)になります。

■お中元のマナー

お中元のマナー
お中元のマナー

お中元のマナーとして、相手の住む地域にあわせて贈る時期を考えなければならないことをご紹介しましたが、もし贈る時期が早くなったり、遅くなったりした場合はどうすればよいでしょうか?

早くにお中元を贈っていいの?

お中元を贈る時期は、もっとも早い関東と東北地方でも7月1日から。しかし、デパートなどでは6月中旬頃からお中元の受付を行っているため、早々にお中元を贈ってしまう人もいらっしゃるかもしれません。7月はお中元が集中する時期なので、早めに贈るケースも増えているようですが、基本的には上述した地方ごとの時期にあわせて配送するのが本来のマナーです。

お中元を贈るのが遅くなってしまったら?

忙しくてお中元の手配が間に合わず、時期が過ぎてしまうことがあるかもしれません。そんなときは、お中元という名前ではなく、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」としてギフトを贈ることができます。

暑中見舞いを贈るのはいつからいつまで?

相手が関東の方の場合、7月15日から立秋の8月8日ころまでは「暑中見舞い」となります。8月がお中元を贈る時期にあたる地方では、暑中見舞いではなく、お中元として贈って構いません。

残暑見舞いを贈るのはいつからいつまで?

立秋(8月8日ころ)が過ぎた後、8月末までは「残暑見舞い」となります。立秋は二十四節気のひとつで、1年の中でも暑さがもっとも厳しくなる季節。そのため、立秋以降は「残暑」といいます。

■お中元の熨斗(のし)の選び方・書き方

最後に、お中元の熨斗(のし)について。お中元の熨斗はどんなものを選ぶべきか、書き方についても確認しましょう。

熨斗(のし)の選び方・書き方1:水引きは紅白の蝶結び

お中元は感謝を伝えるためのギフトですので、のしをつけるのが一般的です。のしの水引には、紅白の蝶結びを選びましょう。

熨斗(のし)の選び方・書き方2:表書きは「御中元」

のしの書き方ですが、のしの上部(表書き)には「御中元」と書きましょう。

熨斗(のし)の選び方・書き方3:下書きに送り主の名前

のしの下書き(下部分に書く文字)は、送り主の名前をフルネームで書きます。

お中元を贈るのが遅くなってしまったら?

お中元を贈る時期が遅くなってしまい、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」として贈る場合は、のしの表書きを「御中元」ではなく「暑中見舞い」または「残暑見舞い」にします。

■お中元にはマナーとリサーチが大切

日頃の感謝の気持ちを込めてお中元を贈っても、時期が合っていなければ、相手に常識のない人だと思われるかもしれません。贈る相手の方が住む地方にあわせて、どのタイミングで送るべきか事前にリサーチすることが大切。また、7月はお中元の配送が集中する時期で、配送日の指定ができない場合もあります。配送状況もあわせて確認しながら手配するようにしましょう。 

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