マスクによる肌荒れ、環境ストレス、睡眠や食事…肌トラブルの原因は様々。肌の悩みは人それぞれ多様にありますが、保湿がしっかり行き届き、バランスのとれた明るく透明感ある肌は誰もが求めるものです。

そこで、肌の透明感UPに期待ができるというヨーグルトの「美肌菌」に着目し、以前よりホメオパシーの観点からヨーグルトをスキンケアへ用いる研究・製造開発を行ってきた、ギリシャのコスメブランド「KORRES(コレス)」の共同創設者であり最高情報責任者のレナ・フィリッポウさんにお話を伺いました。

Lena Philippou
 KORRES  Co-Founder & Chief Innovation Officer
(レナ・フィリッポウ)1996年にコレスに入社。ブランド立ち上げから関わり、現在はコレスの開発全体を統括している。革新的な食用ギリシャヨーグルトの化粧品処方の開発もレナによるもの。

肌の菌活! 美肌菌で肌のバランスを整える

美肌菌バランスを崩すと肌トラブルを起こす原因に。  
美肌菌バランスを崩すと肌トラブルを起こす原因に。  

通称「美肌菌」とは、話題のマイクロビオーム(皮膚常在菌叢)で生きる、肌にとって良い働きをする菌のことで、代表的なものに表皮ブドウ球菌があります。

皮膚常在菌は繊細で、紫外線、ストレス、生活リズム、疲労、病、大気汚染、スモッグなどによりバランスが崩れてしまいます。皮膚常在菌バランス(美肌菌バランス)が崩れると、肌のバリア機能が低下し、肌トラブルを起こしやすくなります。

美肌菌は、天然のグリセリンを排出することで、外的ストレスから肌を守りバランスを保ちます。つまり、肌の保水・保湿、バリア機能、外的刺激から守る機能があるのです」(レナ・フィリッポウさん)

 マイクロビオームの有効性とは?

スキンケアにおけるマイクロビオームについて、様々な研究や検証がなされ、発表されている論文*1からも、中でもこの美肌菌(表皮ブドウ球菌)の可能性を示唆するものがあります。

『表皮ブドウ球菌は、皮膚の健康に有益な自己細菌である』と定義され、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)の使用は、最近、個々の皮膚状態のための基礎化粧品の開発において注目されているといわれています。

「表皮ブドウ球菌は、皮膚の健康の維持に関与する周知の有益な細菌です。グリセリンおよび有機酸を含む表皮ブドウ球菌の代謝産物は、皮膚の水分保持を改善し、皮膚上の低酸性状態の維持や、 表面の粗い肌触りを改善。

さらに、表皮ブドウ球菌によって産生される抗菌性生体物質は、黄色ブドウ球菌*2(Staphylococcus aureus)のコロニー形成を抑制します。

表皮ブドウ球菌によって産生されるスーパーオキシドジスムターゼは、活性酸素種の公知の破壊物質であるため、表皮ブドウ球菌の皮膚抗老化特性は、有意な注目を集めているのです」(レナ・フィリッポウさん)

*1 Journal of Dermatological Science 79 (2015) 119-126より一部抜粋
*2 黄色ブドウ球菌は、無症候性炎症から肺炎、心内膜炎および敗血症を引き起こす重篤な感染症までの広範な状態の原因である重要な病原体

美肌菌がもたらす「天然のグリセリン」が水分保持改善に!

美肌菌の働きにより自らの保水力(天然のグリセリン)で保湿バランスを保つ。
美肌菌の働きにより自らの保水力(天然のグリセリン)で保湿バランスを保つ。

そして、前述と同じ文献*1に、皮膚の水分保持改善についての有効性を認める内容が。

「皮膚表面に表皮ブドウ球菌が存在すると、相対的な水分蒸発の抑制および相対的な脂質含量の増加も誘発された」という検証がなされたのです。

この検証によると、「脂質含量は、表皮ブドウ球菌の代謝を介して皮膚表面上で最初に増加。そして皮膚表面への水の蒸発は、脂質物質によって形成された膜に基づくコーティング効果によって抑制され、その後、皮膚の水分含量が改善された」と報告されました。

水分保持を改善するために皮膚表面の脂質含量を増加させる必要があるので、表皮ブドウ球菌によって供給される脂質物質の検出が重要であるとされます。

グリセリンは、皮膚の水分を維持するために、表皮細胞および自己由来の皮膚微生物叢によって産生されることが知られています。

この報告は、皮脂腺由来グリセロールが角質層の水和の主要な寄与因子であることを示しています。そして、「グリセリンの量は表皮ブドウ球菌増強によって有意に増加した」という報告もされています。

つまり、美肌菌と呼ばれる表皮ブドウ球菌が、天然のグリセリンを排出し、より保湿保水効果をもたらすということを示唆しているのです。肌も菌活することで、美しく健やかな状態に導けるのですね。

ヨーグルトが持つ美肌菌パワーに着目

ヨーグルトの成分によって、美肌菌のバランスを保つサポートが期待される。
ヨーグルトの成分によって、美肌菌のバランスを保つサポートが期待される。

肌への菌活も有効ということがわかりましたが、具体的にはどんなことで美肌菌を生かしてスキンケアができるのでしょうか? 菌活として名高いヨーグルト。ヨーグルトは、食べるだけでなく美肌菌育成にも良いのだとか。

ギリシャのコスメブランド「KORRES(コレス)」はこの美肌菌に注目し、もともと商品開発でよく使用していたヨーグルトでのさらなる肌への効果を探りました。

「プロバイオティクス*3であり、プレバイオティクス*4であるヨーグルト。菌が生きて働く、というこのハイブリッドを持ち合わせているのがヨーグルトの素晴らしい点です。これは食べてお腹の中で起きることですが、ヨーグルトが持つ成分は、保湿力を高めるなど肌にとっても良い働きをしてくれるスーパーフードです。

健康に良いと知られるヨーグルトは、ギリシャでは昔から美容にも使われていたのです。ギリシャの強い紫外線でも日焼け後の肌にとても良く、ひんやりと保湿してくれ、水分を与えて、ハリ・弾力を保持し、お肌を外的要因から保護します。

ヨーグルトはクーリング効果を持っているので、肌の熱を冷まし、赤みを抑えダメージを受けた肌を保護します。日焼け後だけでなく、スポーツなどで肌に熱を持ったときにもおすすめです。

こうしてヨーグルトがギリシャでは、日焼け後に肌に塗るケア成分として昔より使用されてきたこともあり、ギリシャ最古のホメオパシー薬局から誕生したKORRESは、このヨーグルトを直接肌へ塗りケアをする習慣の中でクーリング・保湿効果をもとに、皮膚コンディショニング成分として入れることで製品を開発してきました」(レナ・フィリッポウさん)

*3 プロバイオティクス/腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に有益に働く生きた微生物
*4 プレバイオティクス/大腸の特定の細菌を増殖させることなどにより、宿主に有益に働く食品成分。有用な腸内細菌の餌となる食品成分を摂取することによって腸内環境を改善する

ギリシャの「FAGE」ヨーグルトをそのまま配合

「ヨーグルトはラクトース(乳糖)、プロテイン、ミネラルなどを含み、優れた保湿力でいきいきとした肌に導きます。

ギリシャのヨーグルトはタンパク質が高く水分が少なく、濃厚なのが特徴です。
前述のように、ヨーグルトを直接体に塗るなど、古代ギリシャ時代から、ギリシャでは日焼け後のケアとして、使用されてきた食用素材です。

夏場は、とくに紫外線が強く乾燥している地中海気候のギリシャ。日本の方もよく知っていると思いますが、ギリシャヨーグルトは濃厚なのは有名ですよね。これも、肌に塗る習慣になった理由といわれているのです。

ギリシャでは知らない人はいないといわれる、FAGEというブランドのオーガニックヨーグルトがあります。これは、高たんぱく低脂肪で健康食としても支持のあるギリシャヨーグルトで、KORRESのヨーグルトアイテムは、この食用のFAGEヨーグルトをそのまま配合しています。このヨーグルトは、ブルガリア乳酸桿菌とサーモフィルス菌で発酵しています。

KORRESのこだわりとして、2020年リリースしたスキンケアアイテムは、独自の最新科学技術を用い、食用の濃厚で栄養豊富なオーガニックギリシャヨーグルトをそのまま使うことで、生きたままの菌を配合。

ヨーグルトに加えて乳酸菌や海水ミネラル、海藻エキス(ラミナリアディギタータエキス)、ポリフェノールなどを加え、美肌菌生育環境サポートを考え独自の配合で開発しました」(レナ・フィリッポウさん)

美肌菌で滑らかな透明肌に! KORRESの「ヨーグルトスキンケアシリーズ」

スキンケア_1,美容液_1,クリーム_1
左から/コレス ヨーグルトフェイスマスク 100ml ¥5,900、ヨーグルトセラム 30ml ¥6,300、ヨーグルトクレンザー 150ml ¥3,600、ヨーグルトクリーム 40ml ¥4,500

肌には様々な微生物が常在し、肌を健やかに保つために重要な役割をする「美肌菌」。大気汚染や、スモッグ、紫外線、ストレス、生活リズム、疲労、睡眠不足等により、繊細な美肌菌のバランスは崩れる恐れも。

このバランスを崩さず肌トラブルを防ぎ、美肌菌の正常な状態を保つためにヨーグルトスキンケアシリーズは誕生。

「ギリシャヨーグルトは肌の美肌菌を保つ自然の秘訣」という考えから生まれたKORRESのヨーグルトスキンケアシリーズは、クレンザー、セラム、クリーム、マスクがラインナップ。ヨーグルトの甘酸っぱい爽やかな香りも特長です。スーパーフードのギリシャヨーグルトと、最新科学技術を掛け合わせ、生きたままの菌を配合。

シリーズ共通成分として、食用のギリシャヨーグルトをそのまま配合したことに加え、角質柔軟や保湿作用や肌の引き締め作用があるといわれる乳酸桿菌、角質へよく浸透しビタミンやミネラルアミノ酸で肌を保湿する海水、海藻エキスを配合。

そのほか、たっぷり入った植物性保湿成分で肌を柔らかく健康的に導き、ビサボロールやショウガ根エキスが肌荒れを防ぎ、肌をより滑らかにし、収れん作用も期待できます。(注:これら成分はクレンザーには含まれません)

3つの自然のバイオポリマー*5が、分子のメッシュを作り皮膜を形成。そして4つの保湿成分*6からできた保湿コンプレックスといった、KORRES独自の保湿技術「ウォーターパッチテクノロジー」でしっかり保湿します。

アンチポリューションテストを受け、環境ストレスから肌を守る認定も取得しています。肌を健やかに保ちながら、外的ストレスから肌を守り、柔らかで明るい透明肌へ。

クレンザーは、コーンスターチ配合で古い角質を除去し、クリームとジェルの中間のようなテクスチャーでさっぱりと洗い上げる洗顔料です。

セラムは、菌を増やす力が高いといわれるαグルカンオリゴサッカリドをたっぷり配合し、ひんやりとした使用感で暑い日でも使いやすいのが特徴。

クリームは、日焼けダメージにも有効なチャボトケイソウ(パッションフラワーエキス)を配合し、さらっとしたテクスチャーは塗ったあとすぐに化粧しやすいのも嬉しいポイント。

週1~2回のスペシャルケアにしたいマスクは、ヨーグルトをそのまま塗っているかのような濃厚で爽やかな香りに包まれます。1回の使用で、顔色が明るく透明感ある肌へ。また、アレルギーやマスク荒れでゆらいだ肌にもおすすめです。

*5 プルラン、アルギン酸Na、ヒアルロン酸Na
*6 グリセリン、セリン、尿素、トレハロース 

食べて体の中からだけでなく、塗ってお肌には直接菌のバランスを整え美肌に導いてくれるというスーパーフード、ヨーグルト。マスク装着や食生活の乱れ、ストレスなどに加え、これからやってくる季節の変わり目は肌にも負担がかかります。バランスを整えて健康的な美肌を目指しましょう。

※商品の価格はすべて税抜です。

問い合わせ先

フィッツコーポレーション

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
EDIT&WRITING :
Sachi Tamura