日本でも、相次ぐラグジュアリーホテルの建設により、多くの高級ホテルを利用することができるようになりました。そんな優雅な時間を過ごすことができる高級ホテルに宿泊する際に、チェックイン時刻に連絡なしで大幅に遅れたり、部屋にゴミが散乱したまま慌ててチェックアウトした経験はありませんか?

チェックイン・チェックアウトについては、普段、誰からも教わることがないため、どうすればいいのかわからないこともありますよね。

そこで今回は、日本において、高級ホテルにチェックイン・チェックアウトするときのNG行動をピックアップしてみました。

それぞれ、NGである理由とどうすべきかを、ホテルマン歴14年で、ホテルのフロント勤務経験をもち、現在は接遇マナー講師として活躍する古岡めぐみさんにうかがいました。

ホテルマンとしての経験を踏まえた、リアルな指摘やアドバイスは必見です。

高級ホテルでチェックインするときのNG行動5選

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チェックインマナーを確認!

まずは、チェックイン時のよくあるNG行動を5つピックアップしました。それぞれについて、古岡さんになぜNGなのか、そしてマナーある大人の対応法を教えていただきましょう。

■1:チェックイン時刻に大幅に遅れるとわかっていながら連絡をしない

「チェックイン予定時刻に遅れることに問題はありませんが、大幅に遅れる場合や、到着が深夜になる場合は、連絡を入れるとスマートです。ホテル側としては、深夜過ぎても来ない場合、予約日の間違いやキャンセルし忘れなのではないかとも考えてしまいます。連絡を一本入れるだけで、ホテル側に安心感を与えることができます。

また、記念日や誕生日、ご褒美など、特別な来館目的での利用でサプライズの演出依頼をしている際などは、ホテル側も時間に合わせて準備をしているので、連絡するのがマナーです」

■2:Tシャツにサンダルなどのラフすぎる格好でチェックインする

「高級感のあるたたずまい、インテリア、色調、BGM、その空間にいる人々、すべてが融合したものが高級ホテルです。ホテルのロビーはホテルの顔。そのホテルの雰囲気と、あまりにギャップがある装いでは浮いてしまいます。服装は相手への配慮でもありますので、ホテルの雰囲気を大切にするという意味でも、オシャレを楽しんではいかがでしょうか。また、美しい立ち居振舞にも気を配りましょう」

■3:ロビーで写真を撮りまくる

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ロビーでも気を抜かずに。

「非日常感あふれる美しいロビーでは、写真をたくさん撮りたくなりますね。もちろん写真撮影はOKですが、ロビーはさまざまなお客様が行き交うので、ほかの方が写真に写りこまないように注意したり、長時間撮影スポットを占領したりしないなど、ほかのお客様への配慮を欠かさないようにしましょう」

■4:自分で予約したのに「希望の部屋でない」とクレームをたてる

「お門違いなクレームは品位に欠けます。同じ部屋のタイプでも、お部屋の階数、方角、眺望などはさまざまです。ホテル側も、できる限り希望に沿えるように手配しますが、宿泊状況によってはできない場合もあります。

予約の際に要望を伝えておくことで、チェックインもスムーズになります。この場合は、丁重に部屋変更をお願いしてみてはいかがでしょうか。もし部屋変更をしてもらったら、『やってもらって当然』などの横柄な態度は慎み、感謝の気持ちを伝えられると好印象です」

■5:いきなりフロントに押しかけて空室がないか聞く

「予約なしでの宿泊は、可能な場合が多いですが、身元が分からず信頼性が低いため、空室があっても断られるケースもあります。料金を支払ってもらえないなど、万が一のケースが懸念されるためです。チェックイン時に前受金を請求されたり、レストランでのお部屋付け(代金をチェックアウト時にまとめて支払うこと)ができなかったりすることも。事前に予約をして信頼を高めておき、堂々と滞在を楽しみましょう」

高級ホテルでチェックアウトするときのNG行動4選

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チェックアウト時にも注意!

続いては、高級ホテルに宿泊したあと、チェックアウト日当日のよくあるNG行動を挙げていきます。それぞれについて、古岡さんに解説していただきました。

■1:チェックアウト時間に遅れてチェックアウトする

「時間を守ることは基本的なマナーです。チェックアウト後は、次のチェックインのお客様を迎えるために清掃をします。チェックアウト時間を過ぎてもフロントに来られないと、チェックイン時間までに清掃が間に合わず、次のお客様にご迷惑を掛けてしまう可能性も。

自分のことしか考えられない方より、他者のことまで配慮できる方は魅力的です。時間に余裕をもって身支度を済ませ、チェックアウトをしましょう。

ちなみにチェックアウト後でも、一般的に荷物預かりはしてもらえるので、身軽に観光やお食事にも行くことができますよ」

■2:フロントに勝手にキーを置いて立ち去る

「無言でフロントにキーを置いて立ち去られると、『外出』なのか『チェックアウト』なのかホテル側の判断がむずかしいです。

チェックアウト時は、外出でないことを伝えるために『チェックアウトお願いします』と言いましょう。その際、『とても広くてきれいなお部屋で、ゆっくり過ごせました』などと、滞在の感想なども伝えると、ホテルスタッフに喜ばれますよ」

■3:部屋の中にゴミが散乱、備品も元に戻さないままチェックアウトする

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清掃の方にも敬意を。

「女性として、見られても恥ずかしくない程度の片づけをしてからチェックアウトしたいものです。ホテルでは、ゴミ箱に入っていないゴミは忘れ物として扱われます。

こちらがゴミだと思っていたものでも、お客様の忘れ物で大切なものだったということは実際にあります。ゴミはゴミ箱に入れる、備品は片付けがしやすいようにまとめるだけで、お部屋の清掃をする方に敬意が伝わります」

■4:ものを壊したのに申告しない

「悪意があるものや、よほどの破損でなければ、弁償の必要がないことがほとんどです。申告すると、ホテル側は清掃時の情報として助かります。

例えば、グラスを割ってしまったら、次の宿泊客がケガをしないようにガラスの破片チェックを入念にしないといけませんし、椅子にコーヒーをこぼしてしまったら、椅子のクリーニングのために交換をしないといけません。客室内で壊してしまったもの、汚してしまったもの、気になったものがあれば、早めにフロントまで申告しましょう。きちんと謝罪できる女性は信頼されます」


高級ホテルでは、周りの利用客のレベルが高いことも多いため、特にマナーや立ち居振舞は注意したいものですよね。チェックイン・チェックアウトに関するマナーはあまり知られていないため、今回紹介された内容を参考に、お互いが気持ちよく滞在を楽しめるように利用しましょう。

古岡 めぐみさん
接遇マナー講師
(ふるおか めぐみ)ホテルマン歴14年、沖縄リゾートホテル・大阪シティホテル、富山のビジネスホテルのフロント勤務経験を持つ。実際に現場で働くスタッフとしての視点と外部講師としての視点でのアドバイスがリアルで、接遇研修は“目に見えて結果が出る”と好評。https://peraichi.com/landing_pages/view/hospitality
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、榊原淳