世の中には時代を問わず必要不可欠な定番品がある。例えば白のTシャツ。姿形が大きく変化せずとも、ブランドや時代の流行りが変わることでシルエットや素材感が異なり、同じアイテムであっても、そこには少なからず明確な違いがある。スーツにおいてもそれは同じことだ。ビジネスでは絶対的定番のネイビースーツ。ゆえに、1着持っておけば、ひと昔前に買ったネイビースーツをずっと着回せばいいなんて思っていないだろうか?それは大きな間違いである。定番だからこそ日々繰り返されるわずかなアップデートが、モダンで旬な装いを与えてくれるのだ。昔のものを好むことは決して悪くはないが、それでもきちんと時代に合ったものを知っておくことは重要である。今年買い足すならどんなネイビースーツがいいのか?何が違うのか?注目したいネイビースーツをピックアップしてみた。

ネイビースーツを買うならこの2着がおすすめ!

アメリカントラッドを欧州的解釈したネイビースーツ

スーツ¥135,000〈ヴァルディターロ ペル シップス〉・シャツ¥26,300〈エリコ フォルミコラ〉・タイ¥16,300〈ステファノ ビジ〉・チーフ¥12,000〈フィオリオ〉・靴¥76,000〈クロケット&ジョーンズ〉/以上、シップス 銀座店
スーツ¥136,000〈ヴァルディターロ ペル シップス〉・シャツ¥26,300〈エリコ フォルミコラ〉・タイ¥16,300〈ステファノ ビジ〉・チーフ¥12,700〈フィオリオ〉・靴¥76,000〈クロケット&ジョーンズ〉/以上、シップス 銀座店

シップス45周年を記念したカルーゾ監修で製作されたヴァルディターロのネイビースーツは、3つボタンのセンターフックベント仕様といったアメリカンなディテールを踏襲しながらも、モダンなサイジングとナチュラルな肩周りが今日的である。さりげなく見えるチョークストライプが洒落た印象を与えてくれる。

ここに注目!ポケットに独特なエッセンスが注入されている!

ヴァルディターロ ペル シップスのスーツのポケット。
ヴァルディターロ ペル シップスのスーツのポケット。

アメリカブランドのスーツやジャケットにはパッチポケットが王道であるが、こちらのスーツはパッチポケットの上にフラップを採用。クラシックなジャケットに欠かせないディテールであり、玄人も納得する抜け目のない一着に仕上がっている。

縦のラインをより強調したコンパクトなネイビースーツ

スーツ¥133,000(トレメッツォ〈タリアトーレ〉)、シャツ¥19,000(SANYO SHOKAI カスタマーサポート〈ポール・スチュアート〉)、タイ¥33,000(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター〈ジャンニ フォンタナ〉)、靴¥96,000(三陽山長 日本橋髙島屋S.C.店)、チーフ/スタイリスト私物

ソリッドなネイビースーツはマストハブな一着。副資材を極力省いた軽やかな着心地に加え、コンパクトな襟元は、一般的なスーツよりもスマートな印象を与える。ここ最近再熱しているタブカラーやロングポイントのレギュラーカラーシャツを合わせ、Vゾーンのコンパクトさをより強調した着こなしを楽しみたい。

ラペル幅がよりスマートに!

タリアトーレのネイビースーツの襟周り。
タリアトーレのネイビースーツの襟周り。

近年のスーツは割とラペル幅が太く男性的な印象が強かったが、こちらのタリアトーレのスーツは、ゴージラインが低くラペル幅もやや細め。そのおかげでVゾーンがすっきりとした印象になり、スマートな縦のラインが強調されるのだ。

スーツの進化といっても、車のようにフルモデルチェンジをするわけではなく、ラペルやシルエットなど時代に合わせて少しずつ進化をしている。ご自身のスーツと見比べてその違いを実感していただきたい。やはり定番であるからこそ、強いこだわりを持っていただきたい。

※価格はすべて税抜きです。

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PHOTO :
島本一男(BAARL)
STYLIST :
河又雅俊
EDIT&WRITING :
河又雅俊