時差出勤や在宅でのテレワークなど、以前と異なる生活リズムが続いたこともあり、睡眠に対して不調を感じることはありませんか?免疫力向上のためにも、健康の三代要素「栄養」「運動」「休息」の「休息」にあたる「睡眠」が改めて見直されています。

西川株式会社が全国􏰁18~79歳􏰁男女を対象に実施した、日本人の􏰁睡眠に関する意識・満足度調査の結果をご紹介するとともに、良い睡眠のために心がけたいポイントをご紹介します。

半数近くが「不眠症の疑いが高い」、特に20〜30代に多い傾向

[西川 睡眠白書2020〜日本人の睡眠調査〜]

「アテネ不眠尺度」という世界共通の不眠判定方法を使って1万人に調査したところ、全体の約半数(49.1%)の人が、「不眠症の疑いが高い」という結果です。特に20代と30代の割合が、他の年代と比較し高い傾向にあります。

働き盛りの年代であるがゆえに、生活リズムのバランスも崩れやすく、不眠症を引き起こしやすくなっていることがイメージされます。

新型コロナウイルス流行前後で、睡眠状態はやや変化

[西川 睡眠白書2020〜日本人の睡眠調査〜]
[西川 睡眠白書2020〜日本人の睡眠調査〜]

新型コロナウイルス流行前後での睡眠の状態(睡眠時間・熟睡感・目覚めの良さ・寝つきの良さ)の変化について、何らかの影響があったと答え方は全体の2割程度でした。ただし、注目すべきは「熟睡感」において「悪くなった」と感じている人の割合が高いところ。

ステイホームが続き、睡眠時間は確保できるものの、熟睡感という睡眠質の面では変化があったようです。熟睡感を向上させるためには、日中の適度な運動やバランスの取れた食事などを意識的に取り入れていく必要があります。

睡眠の質を向上させる!良い睡眠のための4つの条件

限られた睡眠時間の中でいかに睡眠の質を高めることができるかが、良い睡眠のためのキーポイントです。

西川株式会社の公式サイト「日本睡眠科学研究所」の中には、良い睡眠の条件は「食事」「運動」「寝室環境」「寝具」にあると紹介されています。

案外、対策できていないポイントもあるかもしれません。改めて確認してみましょう。

西川公式サイト「睡眠TOPICS」

■1:睡眠と食事|タンパク質を意識的に

良い睡眠のためには、バランスの取れた食事が大切。よく耳にするフレーズなので、意識している方も多いはずですが、実は現代人は炭水化物を取りすぎて、タンパク質が少ない傾向にあります。

理想は、炭水化物:脂肪:タンパク質の割合が6:2:2。消化に時間がかかる肉類と、比較的消化の良い魚・豆・卵を上手に組み合わせて摂取することがポイントです。

また、食事は寝る2〜3時間前に済ませることを心がけてください。そうは言っても忙しくてムリ!という方は、夕食を2回に分ける方法がおすすめ。夕方に軽食をとり、21時過ぎにヨーグルトやチーズ、バナナなどの消化の良いものを食べるようにしてみてください。

帰宅が深夜になる場合は、理想は何も食べないで眠りにつくこと。空腹感に耐えられない時は、ホットミルクやハーブティーなどの温かい飲み物が適しています。

■2:睡眠と運動|就寝前に適度なストレッチを

寝入りをスムーズにするためには、運動により一時的に体温を上げ、徐々に体温が下がるタイミングで眠りにつくことがポイントです。就寝の2時間ほど前に、ストレッチなどの適度な運動を行うことが効果的。

激しい運動は交感神経を刺激することにつながるので、避けてください。ゆったりとリラックスした気持ちで、心地よいと感じる程度に体を動かしておきましょう。

人は眠りに入るときに手足から放熱し、深部体温が下がるため、睡眠前に手足を優しく温めるストレッチもおすすめです。寝付きまでに時間がかかるという方は試してみてください。

■3:寝室環境|光・音・香り・温度・湿度をチェック

寝室環境を整える際のポイントは、「光」・「音」・「香り」・「温度」・「湿度」の5つ。まずは、できるだけ光を遮断することが大切です。遮光カーテンや雨戸などを利用し、暗い環境で眠ることで「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンの分泌が促進されます。

音については、寝ている間はできるだけ静かな環境をつくることが必要です。特に人の声は睡眠を阻害するので、テレビやラジオは消して寝ることをおすすめします。

ラベンダーやカモミールなど、香りをうまく取り入れて環境を整えることもポイント。香りによるリラックス効果で、スムーズに眠りにつくことができます。

寝室の温度と湿度も見直してみましょう。温度については夏場は約25〜26℃、冬場は約22〜23℃。湿度は50〜60%が理想的です。シンプルでコンパクトなデジタル式から、オシャレでインテリアにもなじむアナログ式まで、さまざまなタイプの温湿度計が販売されているので、寝室にひとつ取り入れてみてはいかがでしょうか。

■4:寝具|ふとんやまくらは大丈夫?

寝返りや発汗、体温の低下など、睡眠中に起こる生理的な変化を妨げない寝具選びが大切です。ゆったりとしたパジャマを着用することはもちろんのこと、ふとんやまくらを改めて見直してみましょう。

ふとんは、保温性・吸湿性・放湿性に優れたものがおすすめ。特に掛けふとんは、軽さやフィット性、かさ高を、敷きふとんは硬さとクッション性をチェックして選ぶようにしましょう。まくら選びは、首筋のゆるやかなS字の隙間を埋めることができるかどうかがポイント。

ネットショッピングではなく、実際に店舗へ行ってフィット感を確認して選びたいところです。季節や室温に応じて、ふとんの種類やカバーの素材を組み合わせて、自身に最適な寝具をセレクトしましょう。


睡眠にまつわる調査結果と、良い睡眠のための条件についてご紹介しました。睡眠不調のシグナルを放置せず、季節の変化に備えて、ご自身の睡眠環境を見直してみてはいかがでしょうか。きっと快適な朝を迎えることができるはずです。

出典

【西川 睡眠白書2020〜日本人の睡眠調査〜】

西川公式サイト「睡眠TOPICS」

この記事の執筆者
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