マックスマーラやドルチェ&ガッバーナなど、Precious.jpでも人気の海外トップブランドのプレスを歴任してきたロイ・明美さんによる連載企画。

結婚を機に英国へ渡りロンドンで暮らし、2014年からはスコットランドへと住まいを移した彼女の素敵なカントリーライフを、自然、食、インテリアなどさまざまな側面からお伝えします。

今回は、毎年コテージで収穫できるという、秋を象徴する果実にフォーカス。日本では高級品の洋梨が、畑ではなく家のまわりにたくさん実っているとは…なんという贅沢でしょう!

収穫した洋梨を使ったロイさんおすすめのレシピも必見。また、今回もキュートなワンコが登場します。

ドラマティックな風景とともに過ごす、カントリーサイドの秋

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村全体を包む大きな虹とコテージ

日本と同じように四季のあるスコットランド。

今年は例年より暖かく、少しずつ秋色になっています。カントリーサイドの天候は1日の間でドラマティックに移りかわり、特に朝日や夕暮れどきの光の色は、映画のワンシーンのよう。雨上がりには大きな虹が空いっぱいに広がって、時にはダブルレインボーも見られます。

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夕日が沈むヴォイル湖。馬たちも景色にブレンドされています。

義姉から贈られた洋梨の木が連れてくる、秋のお楽しみ

そして、秋はキッチンで過ごすのが楽しくなる季節です。毎年の楽しみのひとつが洋梨の収穫。義姉のシャロンがウエディング・ギフトとしてプレゼントしてくれた3本の洋梨の木に、不揃いなサイズの実がなります。多い年で300個以上収穫できるので、友人や家族とシェアしたあとは、無駄にしないように料理します。

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まるで笑ってるような洋梨たち
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収穫した洋梨は、ただ置いてあるだけでも絵になります。

収穫した梨は、まず赤ワインや白ワインのコンポートに。長期保存ができるので、シロップ仕立てのハニー&ジンジャーなど、数種類作ります。

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滑らかな食感の洋梨とこっくりとした風味が楽しめる「赤ワインとシナモンのコンポート」

「洋梨のコンポート」

材料
洋梨・赤ワイン・砂糖・シナモンスティック1本、お好みでクローブも少々。

※赤ワインの分量は、お鍋に洋梨を入れてかぶるくらい。お砂糖は好みで味を確かめながら分量を足していきます。

作り方
1. お鍋に赤ワイン、砂糖、割ったシナモンスティックを入れて沸騰させます。

2. 皮をむいて芯をくり抜いた梨を、1のお鍋に重ならないように入れ、キッチンペーパーで落し蓋をして、コトコト弱火で20分〜30分ほどやわらかくなるまで煮込みます。

3. 火を止めて、そのままおいて冷まします。煮込んだあとは水分が半分になるので、途中でひっくり返して、梨全体にシロップになじませます。

上記レシピを応用して白ワインで作るときには、シナモンの代わりにカルダモンを。ワインがない場合は、水と蜂蜜またはメープルシロップに、生姜のスライスと絞り汁、そしてホールのブラックペッパー数粒を入れます。

冷やしても温めてもおいしくいただけ、バニラアイスを添えるのもGOOD。シロップをスパークリングウォーターやジンに数滴入れると、オリジナルドリンクを楽しめます。

旬の味覚を長く楽しむために。フード乾燥機を賢く活用!

また、市販のフード乾燥機があれば、簡単に「ドライペア」がつくれます。洋梨の種を取って、2~3ミリくらいに薄くスライスしたらフード乾燥機へ。途中裏返して3〜4時間ほどで出来上がり。スナックとしても、チーズと一緒にお酒のおつまみにも合います。

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「ドライペア」はヘルシースナックなのでたくさんつくります。

フード乾燥機は本当に便利で簡単です。ほかにもオレンジやジンジャー、レモンピール、ワイルドベリーなどもドライにして、サラダや煮込み料理、ケーキやヘルシーバーに入れたりしています。また、鳥のササミやにんじんなどの野菜でもできるので、ワンコのおやつにもぴったりです。

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ジンジャーをスライスして乾燥させ、粉末にして料理やホットドリンクに。
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左/スライスしたオレンジは、お酒に入れたり、チョコレートをコーティングしたり、ケーキやサラダにも使います。右/手前はレモンピール。奥はジンジャーをフードプロセッサーで粉末にしたもの。

だんだんと日も短くなり、10月の最後の日曜日には冬時間に変わります。10月は夫の誕生月もあり、収穫した果実のドライフルーツを使った焼き菓子を作って家族や友達に送ります。次回は、そんな焼き菓子や、紅葉が美しい村の様子などをお届けしたいと思います。

今日のおすすめ「なごみワンコ」は…お散歩大好きコーダくん

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いつも愛くるしい表情を見せてくれるコーダくん
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冒険中の姿をキャッチ!

村のバグバイプの達人、ジムのおうちのコーダくん。リードを見せたら垂直に飛び上がって尻尾をちぎれるくらい振って大喜びする可愛い子です。目を離すとひとりで冒険に行ってしまうのが困りものですが、嬉しそうに戻ってきたときの笑顔を見たらホッと嬉しくなります。


以上、スコットランド在住のロイ明美さんの連載第2回をお届けしました。

素朴だけれど、雄大な景色や季節の実りとともに、ゆったりと満たされているカントリーライフ。都会とは違った「贅沢」な日々を、次回もどうぞご期待ください!

この記事の執筆者
東京生まれ。父の仕事の関係で小学生時代をペルーのリマで、高校から大学までを米国シカゴで過ごす。帰国後、ジョルジオ・アルマーニ、マックスマーラ、ロメオ・ジリ、シンシア・ローリー、モスキーノ、ドルチェ&ガッバーナと海外有名ブランドのプレスを歴任。東京で知り合ったスコットランド出身のカメラマンのご主人と8年の遠距離恋愛の末、2005年に結婚して英国へ。 撮影コーディネートや、伝統工芸の取材執筆などを手がけながら、温かくセンスのいいカントリーライフを楽しんでいる。掲載写真の多くは夫のコリン・ロイ氏によるもの。インスタグラムアカウント:akemi_okumura_roy