秋ならではの楽しみといえば、栗拾い。そもそも栗拾いにはどんな意味があるのでしょうか? また全国各地の栗拾いの時期がいつからいつまでかチェック。栗拾いの方法やコツ、拾った栗の食べ方と注意点についても整理してみましょう。さらにバスツアーやマイカーなど、栗拾いへの行き方別の注意事項についてもご紹介します。

■栗拾いの意味

栗拾いの意味
栗拾いの意味

子供も大人も楽しめる秋のレジャーに、栗拾いがあります。栗は木になりますが、熟すと自然と木から落ちます。そして地面に落ちた栗を拾うのが、栗拾いです。 栗は秋の味覚のため、栗にまつわる季語がたくさん。「いが栗」「栗飯」「栗の木」などの言葉がさまざまな俳句に使われ、「栗拾い」も秋を描写する言葉として用いられます。

■栗拾いの時期はいつからいつまで?

木になっている栗はまだ緑色で、栗拾いではその栗をもぐわけではありません。栗が熟して自然に地面に落ちてから初めて、栗拾いができます。そんな栗拾いの時期は、全国各地でいつ頃なのでしょうか?

ちなみに、2020年の今年は、7月の長雨や猛暑の影響で、栗をはじめとした果物の落果は、例年より遅めのところが多いようです。

行きたい栗拾いの場所があれば、その農園のホームページやSNSをチェックして、その年の栗拾いがいつ頃になるか調べてみましょう。

北海道・東北

日本の中でもっとも寒い地方にあたる北海道や東北地方では、9月上旬から10月上旬ころが、栗拾いの時期。ただし場所により、この時期はさらに異なりますから、栗拾いに行く場所によって、どのタイミングがいいのかチェックするようにしましょう。

関東

関東地方なら、栗拾いの時期は9月上旬から10月中旬ころ。都心から栗拾いに出かけるバスツアーなども多く開催されているので、いつごろがシーズンなのかわかりやすいかもしれません。

近畿

近畿地方は、9月中旬から10月上旬ころ。近畿や関西地方では栗拾いというイメージがあまりないかもしれませんが、栗拾いできる場所は意外とあるものです。約1か月ほど、栗拾いを楽しめます。

中国

中国地方の栗拾いは、9月中旬から10月下旬ころ。栗拾いのほか、果物狩りのシーズンとも重なり、仲間や家族でのお出かけにもピッタリの時期となります。

四国

四国地方の栗拾いは、中国地方と同じく9月中旬から10月下旬ころが最適。山や木々の紅葉も楽しめる場所もあるでしょう。

九州・沖縄

他の地方と比べると比較的暖かい九州地方や沖縄地方では、9月上旬から10月上旬ころが、栗拾いにピッタリです。

■栗拾いに必要な道具

栗拾いに行くときに、どんな道具を準備しておけばいいでしょうか? ここでは栗拾いに欠かせない道具3つをご紹介します。また服装については、動きやすい軽装で大丈夫。ただ、栗が木の上から落ちてくることもあるため、帽子を用意すると安心できるでしょう。また足元は運動靴や長靴がおすすめです。

道具1:軍手

栗はイガごと地面に落ちます。イガは素手では痛くてなかなか触れませんし、イガがとげのように手に刺さることもあります。そのため、軍手を身につけておくことが必要です。特に手が小さい方は、一般的なサイズの軍手では大きすぎて動かしにくいので、小さいサイズを用意しておくといいでしょう。

道具2:トング・バケツ

落ちている栗を拾うときに、軍手をはめた手で直接触ってもいいですが、トングや火箸があると便利。さらにバケツを用意しておけば、拾った栗をそこにどんどん集めることができます。軍手やトング、バケツなどは、栗拾いを行っている農園で準備されていて、貸し出してもらえることが多いでしょう。

しかし、栗拾いシーズンで混雑していると、全員に道具が行き渡らないことがあるかもしれませんので、自分で持参すれば安心ですね。

道具3:虫よけ

栗農園は山の中や斜面などに位置していることが多いでしょう。知らない間に虫に刺されることもありますから、虫よけを準備することをおすすめします。栗拾いの時期は残暑でもあり、汗をかくような季節かもしれませんが、虫よけのためにも長袖、長ズボンを着用しておくほうが安心です。

■栗拾いの方法・コツ

実際に栗拾いを行うときに、拾うべき栗をどのように見分ければいいのか、その方法やコツをご紹介しましょう。

栗の拾い方

上述したように、栗は熟してくると自然と地面に落ちてきます。そのため、まだ木になっている栗は熟れていない状態です。果物狩りとは異なって、栗拾いは「栗を木からもぐ」ことはしません。木をゆすって、無理に栗を地面に落とすようなこともNGです。

栗のつかみ方

栗は熟してくると、イガが自然と割れてきます。そこで落ちた栗のイガを足で踏むようにして、割れ目にトングや火箸をはさんで、中の栗だけをつかみ出すようにしましょう。

イガが割れて開いていない栗が地面に落ちていることもあります、それらは早熟のうちに落ちてしまったり、中が虫に食べられてしまっている可能性もあるので気を付けてください。

おいしい栗の見分け方

おいしい栗は、外側の皮にハリやツヤがあってパンパンに詰まっているもの。指で押してみて、中に空洞があるようなブカブカしたものは、あまりおいしい栗とは言えません。さらに、外側の皮が濃い茶色になっている場合は、おいしいサイン。

虫に食べられたり病気になったりしている栗は、表面が白っぽくなったり、黒っぽい箇所があったりしますので、注意しましょう。

■栗拾いで拾った栗の食べ方・注意点

栗拾いで拾った栗の食べ方・注意点
栗拾いで拾った栗の食べ方・注意点

栗拾いで大量の栗を持ち帰ったら、どんな調理や保存ができるでしょうか。最初に行っておきたい下処理の方法から、注意点とあわせてご紹介します。

食べ方・注意点1:下処理で虫とめ

無農薬栽培された栗や、山や自然になっている栗には、かなり高い確率で虫がついていると言われます。そのため、そのままにしておくと、虫が栗を食べつくしてしまうかもしれません。そこで行っておきたいのが、虫とめのための下処理です。

外側の汚れを水で洗ったら、大きめの鍋に水を入れて沸かし、栗を入れて80度をキープしながら約1分間煮ます。この後は、お湯を切って、栗の表面が乾くまで陰干しします。これで、虫や卵を死滅させることができます。

食べ方・注意点2:ゆで栗

栗をすぐにおいしく食べるなら、ゆで栗が簡単です。お湯を沸かしたら、その中に栗を入れ中火にして40分から50分茹でたら完成。栗を包丁で半分にカットして、スプーンで中身をすくうようにして食べましょう。栗の自然な甘味をダイレクトに味わえる調理方法です。

食べ方・注意点3:保存は冷蔵庫で1週間

栗は傷みやすいため、栗拾いで持ち帰った栗は、できるだけその日のうちに食べるのが理想的です。もし保存したい場合は、ビニール袋に栗を入れて封はしない状態で、冷蔵庫のチルド室で保存しましょう。この保存方法でも、もつのは1週間程度。できるだけ早めに食べるようにしてください。

■栗拾いへの行き方

栗拾いに行くには、バスツアーを利用したり自分の車で出かけたり、さまざまな方法があります。快適に移動するためには、それぞれのポイントを抑えておきましょう。

バスツアー

バスツアーなら、栗農園までのアクセス方法や昼食の場所決めなどを気にすることがないので、気軽にお出かけできます。果物狩りやランチがセットになっているツアーもあるので、秋の味覚を盛りだくさんに楽しめるはず。栗拾いに使う道具類も貸し出してもらえることが多いでしょう。

マイカー

自家用車やレンタカーで栗拾いに行くなら、軍手やトングなど栗拾いで必要な道具を自分で準備してお出かけしましょう。また、お目当ての栗農園に十分な駐車場が用意されているのか、道路の混雑状況についても確認する必要があります。

公共の交通機関

電車やバスなどの公共交通機関を利用して、栗拾いに出かける場合、栗農園でトングなどの道具の貸し出しがあるのか、持参しなければならないのかを確認しましょう。また、栗を持ち帰るときの袋なども準備しておく必要があります。

栗拾いで秋の味覚を満喫しよう

ホクホクとした独特の食感と甘味がある栗は、1年の中でも秋にしか食べられない味。自分でとった栗は、さらにおいしさも倍増すること間違いなし! 秋のお出かけに、栗拾いをぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者
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