毎日何気なく行う「洗濯」。洗濯機に入れてスイッチを押して干すだけ、と思いがちですが、ちょっとしたコツを知っておくことで、より衣類を守れたり、汚れが落ちやすくなったり、早く乾いたりといいことづくめ。

そこで今回は、洗濯のプロに、洗濯の素朴な疑問の答えや、ちょっとしたコツを教えてもらいました。

洗濯洗剤は今は液体が主流!塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違いは?

洗濯のヒント1
洗濯洗剤や漂白剤はどう選ぶ?

今回お話を伺ったのは洗濯代行サービス「WASH&FOLD」などを展開する東洋リネンサプライ株式会社の代表取締役、坂原圭一さん。

まずは洗濯洗剤の選び方のポイントを教えていただきました。

「洗濯洗剤には、粉末と液体がありますが、ご存知の通り、現在は液体が主流です。液体のほうが水に溶けやすいですし、攪拌しやすいためおすすめです。粉末はペーストにして部分汚れ落としなどに使うこともありますが、ほとんど使っていません」

続いては、漂白剤の使い分け方について。

―漂白剤には、酸素系と塩素系がありますが、どう違い、どう使い分ければいいのでしょうか?

「酸素系は温度で効能が変わります。水温40度以上で効果が上がります。温度が高ければ高いほど効果が上がるのです。常温水だと効果が落ちます。お湯を沸かして使うか、最近では洗濯機でお湯を作ることができるのが出てきています。またはお湯で漬け置きしてから洗濯機で洗うのでもいいです。

お湯で洗うときの注意点としては、洗濯機が熱いお湯に耐えられるか確認することです。お湯に対応しているか、説明書などを確認しましょう。

一方、塩素系は、水温は関係なく漂白効果が得られます。ただし、色落ちしてしまうので、白モノしか使えないという特徴があります。

ですから、使い分けとしては、洗濯物の色によって変えます。白色の衣類は塩素系なら簡単に落ちるので塩素系を優先的に用います。洗濯物の色が白でないなら酸素系を選ぶしかありません」

なんとなく入れている洗濯ネット、その効果は?

洗濯のヒント2
洗濯ネットに入れる基準は?

続いては、普段、何気なく使っている洗濯ネットの使い方。洗濯ネットに入れようか入れまいか迷うことはありませんか? そもそもどんなものを入れて洗うのが良いのでしょうか?

「洗濯ネットは、衣類の保護が一番の目的です。大事なお洋服は、洗濯ネットに入れて洗うと長持ちします。洗濯中、他のものとこすり合わされることがない上に、毛羽立つのを避けられるので、衣類を傷めません。ですから、大事なものはネットに入れて洗いましょう。洗濯ネットに入れるか入れないかで、繊維の堅牢度が3倍くらい違います。入れて洗うと衣類の長持ちにつながります」

洗濯機の工程で一番大事なのは「すすぎ」

洗濯のヒント3
「洗い」よりも「すすぎ」を重点的に!

―洗濯機には「洗い」「すすぎ」「脱水」それぞれに細かく時間設定できるものもありますが、洗濯効果を上げるには、どんな風に時間設定すれば良いのでしょうか?

「洗濯機の工程では、すすぎが一番大事です。すすぎが甘いまま終えてしまうと、汚れた水を含んでしまったままだからです。すすぎはたいてい2回に設定されているいますので1回回数を増やして3回にし、高水位にするのをおすすめします。最近は節水タイプの洗濯機が多いですが、それではすすぎが甘くなることがあります。

『洗い』の時間を長くしても意味がありません。洗剤が効く時間は最初の5~10分で、この間に落ちる汚れは落ちているからです。あとはいかにすすぎをしっかり行い、汚れを取り除くかが重要になってきます」

乾かし方も重要! 洗濯物を効率よく乾かすTIPS

洗濯のヒント4
早く乾かす3つの条件を揃えよう

洗濯機などで洗ったら、次は乾かす工程に入ります。乾燥機がない場合には、干すのが一般的。坂原さんに干すときの素朴な疑問やポイントを伺いました。

―干すときに、ズボンなどは裏返して干すと良いといわれますが、どうしてでしょうか?

「衣類は、生地が縫い合わせられている縫いしろ部分のように、厚くなっているところが乾きづらいのです。例えば、ズボンやパーカーのポケットなどです。それらを少しでも乾きやすくするために、縫いしろを表に出すのです。まずは裏返しして干し、その後、表にして干すのをおすすめします。ちなみにズボンは、筒形にして干すのが理想です。上下はどちらでもいいです」

―そのほか、早く乾かすポイントはありますか?

「洗濯物は、1.温度が高い、2.湿度が低い、3.風通しが良い、この3つの条件がそろうと最短で乾きます。ですから、この環境を整えることが大事です。

天気の良い日は外に干して、衣類同士を密着させないことで、早く乾きます。

室内干しの場合は、できるだけ日が当たる場所に干し、エアコンの風を当てるといいですね。冷房モードはたいてい除湿もセットになっているので冷房モードに。エアコンがなければ除湿機でもいいです。同時に扇風機やサーキュレーターを使うのがベストです」

―洗濯のプロはどんな風に乾かしているのですか?

「プロは乾燥機にかけた後、アイロンがけをします。乾燥機を使うのは時間短縮のためでもありますが、自然乾燥よりもシワが防げるからです。また温度コントロールの意味もあります。濡れているときに一番雑菌が発生しやすいので、短時間で乾かせる乾燥機は菌数コントロールができ、残っている菌も死滅します。より衛生的に着られますし、肌にもいいです」

坂原さんによれば、自宅でもできるだけ乾燥機があれば良いそうです。衣類のシワや雑菌に悩まされているなら、乾燥機も検討すると良さそうですね。


洗濯のポイントをお届けしてきました。日ごろのちょっとした疑問や悩みが少し解消されたでしょうか。日々の洗濯にコツを取り入れて、少しでも効率的に洗濯を行いたいですね。

坂原 圭一さん
東洋リネンサプライ株式会社 代表取締役
クローバージャパン株式会社 代表取締役
(さかはら・けいいち)大学卒業後、医療介護分野で最大手のワタキューセイモアに就職し、幅広くこの分野での見識を広めたのち、独立して医療介護分野での総合コンサルタント業務を受託する。老人ホーム、障害者施設の立ち上げ、また民間刑務所の刑務作業の設計等を行いながら2017年業界の強い要望を受け、中国に技能実習制度の送り出し機関を設立、翌2018年には日本語学校を立ち上げ、医療関連サービスの分野で日本に介護、リネンサプライ、医療介護給食の3分野に絞り専門知識を持った生徒を技能実習生として派遣するようになる。2004年に医療関連サービスをトータルに行う関連会社クローバー・ジャパン株式会社を設立、現在は代表取締役を務めている。1970年8月26日生まれ、50歳。
この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、原田恵子(イクシアネクスト)
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