業界によって、また会社によって、よく使われるビジネス用語には差があるもの。当たり前のように他社の方に向けて使ってしまうと、意味が通じずにポカーンとされることも…。

今回は、ビジネスマンをサポートする「秘書」の方たちが、共通してよく使っているビジネス用語について調査してみました。

秘書が実際に使っているビジネス用語6選

秘書はどんな用語を使っている?
秘書はどんな用語を使っている?

秘書は、普段の業務でよく使うビジネス用語、そして、それぞれのワードについて、現役秘書の方にどんなシーンでどんな風に使用しているのかを伺いました。

回答してくださったのは、IT企業CEO付き秘書・加藤亜希子さん、株式会社バルクオムの秘書・斉藤茜音さん、株式会社ヴィエリスの秘書・Aさん、株式会社あしたのチームの秘書・Bさんです。

■1:直帰するときは「NR(ノーリターン)」

NRとは、「No Return(ノーリターン)」のこと。外出先から会社に戻らずに、直接自宅に帰る「直帰」の意味で使われます。

「直帰するとき『今日NR』と使います」(Aさん)

こちらはPrecious.jp編集部でもよく使っています。

■2:「なる早で!」を表す「ASAP(エーエスエーピー)」

ASAPとは、「as soon as possible」の略で、「できるだけ早く」という意味です。

「急いでいるときにテキストでも口頭でも『ASAPでお願いします』などと使用します。」(Aさん)

「変化の多い代表のスケジュール調整の際に、優先順位をつけるために使用します」(Bさん)

「海外のグループ会社に連絡する際や、早急にお返事が欲しいときに使います」(加藤さん)

スケジュール管理をする秘書の方ならではの、お願いごとの優先順位付けとして「ASAP」は多用されているようです。

■3:目を通せばいいのか返事が必要なのかハッキリさせる「RSVP」

RSVPは、フランス語で「Repondez s'il vous plait.」の略で、「ご返答お願いいたします」 という意味です。

「テキストなどで返信が必要なときに、最後に『RSVP』と付けます」(Aさん)

判断が必要なときは、その履歴を残す意味でも、口頭ではなくテキストで返答が欲しいもの。そういったときに、短い言葉でオーダーできると便利そうです。

■4:調整することを軽やかな印象に言い換え!?「アレンジ」

秘書は調整の達人
秘書は調整の達人

アレンジとは、会議などの開催を調整するときに使います。

「会議調整する際に使います」(加藤さん)

「社長から『次の企画○○やりたい』『この人と会食したい』と言われたときなどに『アレンジします』『アレンジしました』などと使います」(Aさん)

■5:「お時間がない中…」を意味する「ショートノーティス」

ショートノーティスとは、締め切りまでの時間が短いことを指します。締切直前に急な依頼をするときなどに使用します。

「何かをお知らせするとき、テキストなどで『ショートノーティスで失礼します』などと伝えます」(Aさん)

「海外グループ会社と急遽発生した会議を開催する際、急な調整で対応してもらった際に、英語で『ショートノーティスな依頼に対応してくれてありがとうございます。』とお礼と併せて使います」(加藤さん)

■6:忘れられると困ることを思い出してもらうために「リマインド」

リマインドとは、約束やアポイントメントなどを忘れないように、相手に思い出させることです。

「スケジュール・締切などをリマインドします」(斉藤さん)

「海外のグループ会社に会議開催の前日に再度連絡する際。提出書類の期日のリマインドするときに使用します」(加藤さん)

「相手が忘れていそうなときや期日が迫っているときに、口頭やテキストなどで『リマインドです』と伝えます」(Aさん)

「予定しているスケジュールを滞りなく実施するため、リマインド業務は必須です」(Bさん)

スケジューリングするだけでなく、その通りに遂行されるまでサポートするのが秘書の役目。プライベートでも活用できますね。

秘書の間でよく使っているその他の言葉

こんな言葉もよく使っている!
こんな言葉もよく使っている!

その他、秘書の間でよく使っている言葉を秘書のみなさんに教えていただきました。

「『承知いたしました』はよく使います。基本的にはすべて受け、それをどう消化するかが仕事なのでNoとは言いません」(Bさん)

「面談などの『セット』、何かを伝えるときに『フィードバック』をよく使用します」(斉藤さん)

「お礼状に季語をつけます。また『ご自愛くださいませ。』もよく使います」(加藤さん)


秘書がよく使うビジネス用語をご紹介してきました。みなさんも使っているものもあれば、知らなかったものもあったかもしれません。日本語で丁寧に伝えようとすると長くなりがちな内容を、英語の略語で短く伝えられるという、時短にも繋がるものが目立ちました。

突然使うと相手に困惑されそうですが、要件を手短にするテクニックとして、使えそうなシーンでは取り入れてみるのもいいですね。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、原田恵子(イクシアネクスト)
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