『特別展 海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~』が東京・虎ノ門 大倉集古館にて開催

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ロースドルフ城 陶片の間

オーストリア・ウィーン近郊にたたずむロースドルフ城の陶磁器コレクションを紹介する展覧会が、大倉集古館にて開催されます。

今回の展覧会では、第二次世界大戦の悲劇により破壊されてしまった陶片を含むロースドルフ城の陶磁器コレクションが日本初公開。

国内の有田磁器の名品と共に展示されるなど、見どころ満載の展覧会となっています。

■見どころ1:日本初公開!ロースドルフ城の陶磁器コレクション

ロースドルフ城に所蔵された陶磁器の陶片
ロースドルフ城・陶片の間、Photo_Katrin Vogg/一般社団法人 古伊万里再生プロジェクト提供

かつて調度品として美しく飾られていたロースドルフ城の古伊万里を中心とする陶磁器は、第二次世界大戦末期、数ヶ月間旧ソビエト軍に接収され、撤収の際にほとんどが破壊されてしまいました。

しかしながら、城主であるピアッティ家は破壊された陶片を捨てることなく城の一室にインスタレーションし、平和への祈りを込めて一般公開しています。

今回の展覧会では、そんな陶片を含むロースドルフ城コレクションの主要作品がオーストリア国外初、 日本にて初公開されます。

ロースドルフ城ミュージアム内部の様子も一部再現が予定されるなど、見逃せない展覧会となっています。

■見どころ2:世界を魅了した古伊万里の魅力と変遷に迫る

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有田「色絵松竹梅岩鳥文輪花皿」1670~1690 年代、佐賀県立九州陶磁文化館 柴田夫妻コレクション

展覧会には、佐賀県立九州陶磁文化館に所蔵されている、江戸時代から明治にかけての有田磁器も展示されます。

江戸初期に肥前国(現在の佐賀県)にてはじまった磁器誕生の経緯から、明治の有田磁器の様相まで日本磁器の流れを概観。

ロースドルフ城コレクションの陶片調査により明らかになった、中国製やヨーロッパ製の「古伊万里写し」の存在にもクローズアップするなど、世界を魅了した古伊万里の魅力と変遷を知ることができます。

■見どころ3:修復によりよみがえるコレクション

ロースドルフ城コレクションの陶片
今回の展覧会では、ロースドルフ城コレクションの一部を修復/一般社団法人 古伊万里再生プロジェクト提供

今回の展覧会に併せて、ロースドルフ城コレクションの一部修復も行われました。

一般には知ることのできない修復工程や高度な修復技術についても紹介されています。

海を渡った古伊万里が、平和の象徴としてよみがえる様を目にすることのできる大変貴重な機会です。

<『特別展 海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~』開催概要>

名称/特別展 海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~
会期/ 2020年11月3日(火・祝)~2021年1月24日(日)
開館時間/10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日/毎週月曜日(休日の場合は翌平日)、年末年始(12/28〜1/1)
入館料/一般 1,300 円、大学生・高校生 1,000 円、中学生以下無料
※同会期中のリピーターは200円引き※20名様以上の団体は100円引き※障がい者手帳、被爆者手帳をご提示の方とその同伴者1名は無料
特別協力: 一般社団法人 古伊万里再生プロジェクト(www.roip.jp
会場/公益財団法人 大倉文化財団・大倉集古館
住所/東京都港区虎ノ門2-10-3(TheOkuraTokyo前)

※新型コロナウイルス感染症の拡大状況によって、展覧会およびイベントが中止、または変更となる場合がございます。最新の情報は大倉集古館ウェブサイトをご覧ください。


今回の展覧会には、古伊万里のほか中国・景徳鎮や西洋磁器のマイセン・アウガルテンなども展示されます。波乱に富んだロースドルフ城コレクションの全貌に迫る、見どころ満載の展覧会へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

公益財団法人 大倉文化財団・大倉集古館

TEL:03-5575-5711

この記事の執筆者
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