せっかく買ったお気に入りのブラジャー。できるだけ長く愛用したいですよね。それでは、キレイな状態を長く保つためにいちばん大切なことは何だと思いますか? それは「洗濯の仕方」にあると、ランジェリーのプロである川原好恵さんはいいます。

難しい方法や面倒なプロセスが必要なわけではなく、ちょっとしたコツを押さえるだけで、ぐんと長持ちさせることができるというので、そのコツを、川原さんに解説していただきましょう。

お気に入りのブラジャーを長持ちさせるために知っておきたい「正しい洗濯方法」とは?

イラスト1
こまめに「ふり洗い」するのがブラジャーの洗い方の基本

繊細なレースを使用し、ワイヤーなど多くの資材を用いて作られているブラジャーはとてもデリケート。手洗いが基本ですが、最近はレースやワイヤーを使っていないブラジャーも多く、洗濯機で洗えるものも増えてきました。ただ、手洗いも洗濯機も優しく洗うのは共通。洗剤はランジェリーショップなどで売っている下着用洗剤やおしゃれ着用洗剤をおすすめします。

ショーツに比べてブラジャーは汚れていないように感じますが、直接肌に触れるため、思っている以上に汗や皮脂が付着しています。それらは時間が経つと落ちにくく、ニオイの原因になる事もあるため、着用の度にこまめに洗濯するのが基本です。

ブラジャーは「手でふり洗い」が大前提。洗濯機OKなら弱水流で優しく

それでは、ブラジャーの洗い方を、順を追って紹介します。下着だけでなくお洋服の洗濯にも役立つ知識なので、すでにご存知という方もこの機会におさらいを兼ねて確認しましょう。

洗濯を始める前に「取り扱い表示」を確認

まずはブラジャーの内側に付いている取り扱い表示を確認する事からスタート。この取り扱い表示は商品を適切に取り扱うための情報で、JIS(日本工業規格)で定めた表示記号で表されています。ブラジャーをはじめとする下着全般に使われている取り扱い表示は主に下記の3種類。その意味と共に紹介しましょう。

マーク1
 
  • ■1:液温は40℃を限度とし、手洗いによる洗濯処理ができる。
  • ■2:液温は30℃を限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる。数字が「40」となっている場合は、液温は40℃が限度という意味です。
  • ■3:液温は30℃を限度とし、洗濯機で非常に弱い洗濯処理ができる。2の表示との違いは記号の下の横線が2本になっており、より優しい扱いが必要な事を意味しています。

表示より高い液温で洗うと、生地を傷めたり色落ちしたりするので注意しましょう。

*取り扱い表示のさらに詳しい説明はこちらをご覧ください。

取り扱い表示が【手洗い】の場合の洗濯法

イラスト2

容器に適量の水やぬるま湯と洗剤を入れ、水中で軽く「ふり洗い」します。「ふり洗い」は繊細な衣類の洗い方で、ストラップとカップの接続部分を持ち、振るようにして洗います。

イラスト3

汚れが気になる部分があったら、「つかみ洗い」をしましょう。「つかみ洗い」は水中で「握る・離す」を繰り返す洗い方です。汚れが気になるからと、揉んだりねじったりすると形崩れの原因になります。あくまで優しく洗いましよう。

イラスト4

洗い終わったら「ふり洗い」と同じ方法でしっかりとすすぎます。すすぎ終わったらタオルに挟み、優しく押すようにして水分を吸い取ります。

取り扱い表示が【洗濯機OK】の場合の洗濯法

イラスト5

後ろのホックを留めて、洗濯ネットに入れます。ブラジャー専用の洗濯ネットを使えば、より型崩れを防ぐことができます。弱水流で洗濯から脱水まで短時間で済むように設定しましょう。

最後に下着の取り扱い表示についている、その他のマークの意味を念のため確認しておきましょう。

マーク2
 
  • ■4:漂白処理できない。
  • ■5:洗濯処理後のタンブル乾燥処理はできない。

つまり、ほとんどの下着は漂白剤や乾燥機が使えないということ。乾燥機は便利ですが、熱によるトラブルや型崩れにもなるのでプラジャーへの使用は避けましょう。


いつもの洗濯方法は合っていましたか? 手洗いは面倒に感じますが、慣れて習慣になれば簡単。「ためてまとめて洗濯」より「脱いだらこまめに洗濯」が、汚れも落ちやすくおすすめです。次回はブラジャーの正しい干し方を解説しますので、そちらもお楽しみに!

再考文献

  • 『IA TEXT BOOK』一般社団法人日本ボディファッション協会
  • 『マイカジ』

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この記事の執筆者
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行なう。モットーは「ラグジュアリーからプチプラまで」。国内外の展示会・店舗を幅広く取材する。
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ILLUSTRATION :
わたなべはるか
WRITING :
川原好恵
EDIT :
石原あや乃