【1】「咬筋」「頬筋」「広頚筋」「口角挙筋」「口輪筋」の5つを鍛えて、口元老化を一気に防ぐ


唇の周辺にあり、口元を支えている「咬筋(こうきん)」、「頬筋(きょうきん)」、「広頚筋(こうけいきん)」、「口角挙筋(こうかくきょきん)」、「口輪筋(こうりんきん)」。これらの筋肉をほとんど動かしていない状況が続くと、表情筋が硬く縮み、ハリがなくなり、そして支えを失った唇は薄くなりへの字形になってしまいます。

口周りの表情筋を動かすことが、「唇老化」防止に役立ちます。

STEP1:噛み合わせ部分の「咬筋(こうきん)」をほぐす準備運動をする

咬筋をほぐす

奥歯を強く噛むと、ボコッとふくらむところが咬筋。まずはこの部分に手のひらを当てて、ゆっくりと円を描くように回します。1回転に5秒くらいかけて3回行ってください。

STEP2:「頬筋(きょうきん)」を鍛える

頬筋とは、頬の脂肪を支える筋肉。これがたるめば頬の脂肪が下がることで、ほうれい線が深くなり、口角も下に引っ張られます。

(1)軽く口を開く

軽く口を開く

上の歯と下の歯を当てないようにして、少し歯を見せるくらいに口を軽く開きます。

(2)「きー」と強く言って口角を上げる

「きー」と強く言って口角を上げる

口の両端と頬を思いっきり上げた状態で5秒微笑み、ゆっくりと元に戻しましょう。

STEP3:「広頚筋(こうけいきん)」を鍛える

下あごから首につながる広頚筋は、口を開けるための筋肉。ここがたるむと下に引っ張られ、口角下がりになります。

(1)「れ」の口にする

「れ」の口にする

背筋を伸ばし、頭をまっすぐにして、「れっ」と言い、その口の形を保ちます。

(2)首の筋が見えるほど強く「れー」と言う

首の筋が見えるほど強く「れー」と言う

口角を横に引っ張るように意識し、首に筋が出るくらい力を入れ5秒キープしましょう。

STEP4:「口角挙筋(こうかくきょきん)」を鍛える

上唇をキュッと上に持ち上げているのが、表情筋です。ここがゆるむと口角が下がり、鼻の下が伸び、山がつぶれることになります。

(1)唇を閉じる

唇を閉じる

上の歯と下の歯を当てないようにして、唇を閉じる。舌は上の歯の裏に当てます。

(2)「んー」と言って口角と頬を上げる

「んー」と言って口角と頬を上げる

口の両端を頬を思いっきり引き上げて5秒間微笑み、ゆっくりと元に戻しましょう。

STEP5:「口輪筋(こうりんきん)」を鍛える

口輪筋は、唇の開閉の役目を担う筋肉。口角下がりだけでなく、上唇にできる梅干しジワも口輪筋の衰えによるものです。

(1)唇を閉じる

唇を閉じる

上の歯と下の歯を当てないようにして、唇を閉じる。舌は上の歯の裏に当てます。

(2)唇を思いっきり前に突き出す

唇を思いっきり前に突き出す

唇を「チュー」の形にし、唇の周り(口輪筋)に力を入れて5秒キープしましょう。

初出:1日2分で口元老化が食い止められる「表情筋トレーニング」

【2】「上唇挙筋」「上唇鼻翼挙筋」「大・小頬骨筋」を鍛えて、ゴルゴラインを消滅


目頭から斜め下に向かって現れる線=ゴルゴラインは、鼻の脇にある「上唇挙筋(じょうしんきょきん)」「上唇鼻翼挙筋(じょうしんびよくきょきん)」、頬骨から口角をつなぐ「大・小頬骨筋(だい・しょうきょうこつきん)」がハリを失い衰えることが原因。

硬直した表情筋をまんべんなくほぐすと、老廃物が流れやすくなり、しなやかな頬のハリが復活します。

 
村木宏衣さん
アンチエイジングデザイナー
(むらき ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。最新刊は、50年の人生を通して確立した「美」や「健康」に対する考え方・習慣をまとめた 『おとなの美人習慣』(KKベストセラーズ)。

STEP1:人さし指の側面を使って奥の筋肉をほぐす

小鼻の脇に人さし指の第一関節をぐっと当てたまま、左右に動かして奥の筋肉をほぐすようにマッサージを。次に目頭側(上側)に少しずらし、同様に行う。この位置から目頭に向かって計4カ所のポイントをほぐす。

肌表面をこするのではなく、骨をほぐすようなイメージで奥に圧をかけるように行いましょう。
いちばん上の圧をかけるポイントは、目の下の骨が当たる位置。指の側面はなるべくフィットさせて、広い面で行うとより深い圧をかけることができます

STEP2:頬全体をまんべんなくほぐす

STEP1のやり方で、頬全体をマッサージしていきます。指の位置をずらしながら、圧をかけるのは、丸で示した位¥置で、両頬で計32カ所。これで頬全体の筋肉がほぐれて柔軟になることで、ふっくら感がよみがえり、ゴルゴラインの凹み解消につながります。

コリのような痛みを感じるところは、筋肉が縮こまっているところなので、しっかりとほぐして。

【まとめ|「ゴルゴライン」を抹消する、表情筋ほぐしメソッド4か条】
1.鼻の脇にある「上唇挙筋・上唇鼻翼挙筋」、頬骨から口角をつなぐ「大・小頬骨筋」がハリを失い衰えるとゴルゴラインが現れる。
2.加齢だけでなく、表情筋をあまり動かさないことで血液やリンパの流れが悪化することも原因に。
3.スキンケアだけでは解決しにくく、表情筋にアプローチするマッサージが効果的。
4.マッサージによって硬く強張った筋肉が柔軟になり、ハリが復活。ゴルゴラインが消える。

初出:「ゴルゴライン」を抹消する、表情筋ほぐしメソッド

【3】「咬筋」「耳まわりの筋肉」をほぐし、ほうれい線を消す


口角を上げて笑顔をつくる、頬を持ち上げる表情筋「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」「小頬骨筋(しょうきょうこつきん)」と耳周りの筋肉(前耳介筋、後耳介筋、上耳介筋など)や咬む筋肉「咬筋(こうきん)」は機能的に連結をしています。これらが劣化して硬くなると、たるみが起こる、頬の肉が下がるなど、ほうれい線がどんどん深くなってしまいます。

ほうれい線には、これら筋肉をほぐしてハリを復活させることが得策です。

STEP1:手を軽く丸めて、耳全体を覆うように当てる

これが基本の位置。親指の付け根がエラの位置で、人さし指、中指、薬指、小指の4本の指が耳を覆い、手のひらでフェースラインを押さえましょう。

少し圧をかけるくらいの力加減で覆いましょう。片側ずつでも、両側同時に行ってもどちらでもOK。

STEP2:外回しに円を描くように手を動かす

STEP1の状態から、外回しに15回、円を描くようにマッサージします。このとき、ぽかんと軽く口を開けましょう。人さし指、中指、薬指、小指の腹で耳周りの筋肉をほぐし、手のひらで咬筋とフェースラインをマッサージする感じで行って。

食いしばりがクセになっている人は、噛み合わせ位置からフェイスラインにかけて走っている咬筋が固まりがち。口を軽く開けることで、その筋肉が緩みやすくなります。

【まとめ|10秒で完了!ほうれい線を消して小顔になる耳ほぐしマッサージ4か条】
1.ほうれい線は皮膚だけの問題ではないのでスキンケアだけでは解決しにくい。
2.ほうれい線が深くなるのは耳周りの筋肉、咬筋が硬くなることが大きく影響しているから。
3.耳周りの筋肉、咬筋をほぐして弾力を復活させることが解決の近道に。
4.耳を手で覆い外回しに円を描くようにマッサージ。頬がキュッと引き上がりほうれい線が消え小顔効果も。

初出:たった10秒で完了! ほうれい線を消して小顔になる、簡単「耳ほぐし」マッサージとは?

【4】「皺眉筋」「鼻根筋」をほぐすと、眉間のシワが消える


集中して考え事すると無意識に眉の筋肉「皺眉筋(しゅうびきん)」にグッと力が入り、しかめっ面に。すると皮膚が折りたたまれ、折りジワができてしまうのです。

眉間のシワには、眉間の周辺の筋肉「皺眉筋(しゅうびきん)」「鼻根筋(びこんきん)」をほぐすのが効果的です。

STEP1:額の皮膚を引き上げながら指で表情筋をほぐす

人さし指と中指の腹を額におき、上向きに軽く引っ張りあげて。そして反対の手の中指の腹を、鼻の骨のいちばん低いところに当てて、骨をほぐすように左右に小さくスライドさせる。これを10回行って。

これは鼻根筋をほぐす動作。額の皮膚を持ち上げることで、皮膚の奥の筋肉に圧をかけやすくなる。

STEP2:眉間のシワの原因となる表情筋をほぐしていく

STEP1の鼻根筋のマッサージに加えて、中指を当てる位置をずらしながら、左右の眉頭、眉間3か所も同様に「うにうに」と左右にスライドさせながらマッサージ。同じく各10回行いましょう。

おでこに反対の手を置いて、ほぐす部分の真上をキュッと引っ張りあげるのを忘れずに。これをやることでしっかりと筋肉をほぐれる。

【まとめ|眉間のシワを消す、表情筋ほぐしメソッド4か条】
1.パソコンや携帯を見過ぎるとしかめっ面になり、眉間のシワが出現!
2.眉間のシワの原因は眉間周りの表情筋が硬直し、皮膚に折りジワが出てきてしまうこと。
3.弾力を失った大人の肌の場合、すぐにケアをしないと折りジワは定着してしまう。
4.スキンケアのついでに、皺眉筋、鼻根筋を指でマッサージしてほぐすのが最善策。

初出:指1本でほぐすだけ!眉間のシワを消す方法とは?

【5】「口内」からアプローチする、表情筋の鍛え方


長田 和歌子
ビューティ エディター
(ながた わかこ)『Precious』企画担当。20代半ばから頬の毛穴とは長いおつきあい中。線状毛穴になる前に手を打ちたい!と試したコスメは数知れず。

STEP1:歯茎の溝を上下、指でなぞる

歯茎の深い溝部分を人さし指で、端から端までなぞります。力を入れず、なでる程度で十分効果的。上側も同様に行いましょう。

STEP2:舌の付け根をもんで筋肉を刺激

舌の付け根を指で挟んでもみほぐし、さらに舌を出して付け根をもむというのを数回繰り返してください。舌が若いころのように出てくるようになります

「歯医者さんから教わったのですが、口内の歯茎の溝部分を上下なぞるだけで、ほうれい線が消えたのです! なぞるだけで激痛が走ったら、それは滞っている証拠。また、舌の筋肉が喉側に落ちていくと、口周りの筋肉にも影響し、結果としてほうれい線が深くなることも。舌の筋肉を刺激することも同時に行うと、より効果的です」(長田さん)

初出:意外だけど実は効果的!美容のプロが実践している「ほうれい線のスペシャルケア」7選

この記事の執筆者
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