世界レベルのパンデミックに見舞われた2020年。外出を控えて静かに立ち止まると、見えてきた世界には、これまでとは異なる価値観が生まれつつありました。

そんな中、雑誌『Precious』編集部は、新しい時代が求めるファッションの「名品」とは何か?について、1月号の「ニューノーマル時代の『新名品』」特集を通して深く考え抜きました。その特集の中で、生き方やおしゃれに共感を集める素敵な女性たちに、今の暮らしの中で「名品がどうあるべきか」をインタビューしました。

この記事では、その中から、女優・井川 遥さん、フリーキャスター・雨宮塔子さん、モデル・冨永 愛さんのインタビューをご紹介します。

■1:「一緒に時を重ねて・・・名品とは持つ人とともに息づいていくもの」|井川 遥さん(女優)

井川 遥さん
女優
(いがわ はるか)1999年デビュー。女優として数多くの作品で活躍しながら、モデルとしても同世代の女性たちから絶大な人気を誇る。2016年、ファッションブランド『Herato(ヘルト)』、『loin.(ロワン)』をスタート。12月8日には香水『enchantée(オンションテ)』を発売予定。現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説『おちょやん』に出演。Ph/矢吹健巳

「服づくりを始めたのはライフステージが変わり、頼れる服がほしいと思ったからです。

シンプルで、仕事では信頼を得られる端正さがあり、母として過ごす場では動きやすい服。そして靴を履き替え、ジュエリーを添えるだけで、夜の席にも通用する優雅さや遊び心も程よくある服。素材やパターンを追求すれば長く着られる服があるのではないかと。

つくり手になってますます心ときめくのは、ビッグメゾンの上質な物づくりや豊かさです。伝統と旬の感性とが生み出す底力を改めて感じます。そのひとつが、ブランドのスタイルを象徴するようなドラマティックなコート。機能美を語るディテールを秘めた仕立てのいいコートは、一枚まとうだけで女らしい雰囲気を醸し出し、余韻すらもたらしてくれる。そんなコートに出会えたら歳を重ねる楽しみがありますね」

コート_1,アウター_1,大人コーデ_1
マックスマーラが誇る上質なキャメル素材の軽さ、しなやかさ、光沢、温もりのすべてをかなえたラップコート。肩を覆うような大きなえりはフードになっていて、女らしいのにこなれ感も備えたデザイン。カジュアルからドレスアップまであらゆるシーンで活躍する名品です。※ブランドのスタイルを象徴するようなドラマティックなコートの例
コート¥423,000・ニット¥51,000・パンツ¥125,000(マックスマーラ ジャパン〈マックスマーラ〉)、リング¥49,000(ヒロタカ 表参道ヒルズ)

詳細記事:女優・井川 遥さんが、今、心を寄せるファッションの「新名品」とは?


■2:「今、心惹かれるのは『優しさ』とどこかに『ひと華』が感じられるもの」|雨宮塔子さん(フリーキャスター、エッセイスト)

雨宮塔子さん
フリーキャスター、エッセイスト
(あめみや とうこ)1993年TBSに入社。1999年に退社して、フランス・パリで西洋美術史を学ぶ。2016年7月〜2019年5月『NEWS23』(TBS)のキャスターを務め、現在パリに拠点を戻す。12月30日放送TBS特別番組『報道の日2020激動の21世紀〜米中、そして日本(仮)』(午前11時〜午後5時半生放送)に出演予定。

「日本でのレギュラー番組の仕事を終え、フランスに拠点を戻したのが'19年9月のこと。新居のリフォームを進めるうち、パリでは新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大。厳しい外出制限が敷かれて工事は滞り、この秋になってようやく引っ越しがかないました。

引っ越しにあたっては思いきった断捨離をして、今の日常に合わない服や靴をかなり手放しました。残ったものを見てみると、やはり『名品』といえるものが多いのは事実。

今の気分で直感的に選んだはずなのに、自然とワードローブのピラミッドの上部が残ったわけです。ただ『頑固なまでに趣味がブレないこと』を自他共に認めていた私ですが、選ぶ基準が少しずつ変化しているのも感じています。

そして今、以前にも増して心惹かれるのが、空気をはらむようなビッグシルエットや、抜け感のあるもの。かわいいものよりかっこいいものが好きなのは変わりませんが、レースのブラウスのような、どこか繊細で女らしさを感じさせるものも気分です」

ブラウス_1,シャツ_1,ピアス_1
クロエのシルクシャツの清潔感とイノセントな雰囲気には普遍の魅力が漂う。端正な幾何学柄のフルレース、えりのカットワーク、折り返しが優雅なカフ、上品な透け感…など、どれをとってもクチュール仕立ての美しさ。これひとつでドレス級の華やぎがあり、ジャケットの下に着てもディテールが映えて、エレガントな存在感を放つ一枚です。※レースのアイテムの例
シャツ¥272,000(クロエ)、ピアス¥1,800,000【WG×ダイヤモンド】(ダミアーニ 銀座タワー)、インナー/私物  

詳細記事:キャスター・雨宮塔子さんがコロナ禍のパリで見た、トレンドの変化 



■3:「美しい時計を自分のために。今こそおしゃれのパワーを感じたい!」|冨永 愛さん(モデル)

冨永 愛さん
モデル
(とみなが あい)17歳でN.Y.コレクションにてデビュー以来、世界の第一線でトップモデルとして活躍。TBSドラマ『グランメゾン東京』では主要キャストに抜擢。その活動の場をクリエイティブに広げている。公益財団法人ジョイセフ アンバサダー、エシカルライフスタイルSDGs アンバサダー(消費者庁)。近著に『冨永愛 美の法則』(ダイヤモンド社)。Ph/下村一喜

「モデルの仕事は、美しく新しい服とのたくさんの出合いがあり、まとうことが喜びでもあります。でも、それがままならないこと。さらには外に出かけるためにきちんと支度をして、おしゃれをする機会をなくしてしまったこと…。

私にとってあたりまえと思っていたおしゃれが、どれだけ心を高揚させていたのか、どれほど気持ちをシャンと引き締めてくれていたのか、改めて気づいたのです。『ファッションって、いいな』と。

『名品』についていえば、そう呼ぶにふさわしい、数えきれないほどのハイブランドの服にそでを通し、肌で感じてきた経験から、パーティや慶弔ならこれ、打ち合わせならこれ、コートなら…といったふうに、シーンやアイテムに応じたお気に入りはたくさんあります。

そしてそんななかから、クリスマスにはいつも、ふだんなかなか手の届かないアイコニックなバッグやジュエリーといった小物を中心に、ご褒美として自分に贈ってきました。

今年はカルティエの2連ブレスレットウォッチ『パンテール ドゥ カルティエ』を検討中。言わずと知れた名品ですが、3月に訪れたパリのヴァンドーム広場で、工事中の壁を覆う大きな広告を見たのが心に残り、以来、想いを強くしてきました」

時計_1,高級時計_1,シャツ_2,大人コーデ_4
まるで手首に吸い付くように、しなやかなゴールドブレスレットがきらめくアイコンウォッチ。ドレスウォッチの名品として誉れ高いこの時計を、ラグジュアリーな2連仕様で身につける大人のゆとりが、新鮮な手元を演出します。
時計『パンテール ドゥ カルティエ』¥3,684,000【YG、ケースサイズ:30×22mm、クオーツ】(カルティエ)、コート¥1,210,000(ブルネロ クチネリ ジャパン) 

詳細記事:モデル・冨永 愛さん「今こそおしゃれのパワーを感じたい! 」(ニューノーマル時代の「新名品」とは?)

※文中の表記でWG=ホワイトゴールド、RG=ローズゴールド、YG=イエローゴールドの略です。
※掲載した商品はすべて税抜です。

この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
BY :
『Precious1月号』小学館、2021年
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
PHOTO :
浅井佳代子
STYLIST :
小倉真希
HAIR MAKE :
三澤公幸(3rd)
MODEL :
立野リカ(Precious専属)
EDIT :
藤田由美、小林桐子(Precious)