2021年3月19日(金)に東京・グランドプリンスホテル新高輪 国際館 パミールにて、羽鳥慎一さんとシム・ウンギョンさんの司会により開催された第44回 日本アカデミー賞授賞式。

気になる各賞の行方と受賞者のコメントを速報するとともに、より一層美しく輝く女優たちのレッドカーペットスタイルも併せてチェックしましょう。

■1:最優秀助演男優賞|渡辺謙さん『Fukushima 50』

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渡辺さん自身、思い入れの強い作品で初の最優秀助演男優賞に!

「(最優秀賞受賞発表の前のステージで役作りについて質問されて)震災以降、被災地は何度か訪れているんですけど、僕自身の役作りというよりも、緊急対策本部のクランクインの時に、100人くらいエキストラも含めていたんですけど、やっぱり、一言だけ言わせていただいたんですよ。今現在、福島でも原発事故で苦しんでらっしゃる方がいるし、そのことで命を落とされた方もたくさんいらっしゃるんだと。背負いきれないにしても、そういう思いをこの映画にぶつけていこうという思いでやったので、なかなか厳しい現場ではありましたね。

(監督とのトラブルがあったと質問されて)さっきみたいな話をした後で申し訳ないんですけど、監督がいつの日からか、読売ジャイアンツのメガホンを持ってよーいスタートをかけ始めたんですよ。ちょっと僕、宗派が違うもので、「それはないだろ!」と。僕は真面目な芝居がしたいのに、そのメガホンはなんだということで、ちょっと目を盗んだ隙にゴミ箱に捨てました。(阪神タイガースのドラフト1位の佐藤選手について質問されて)期待が膨らみます。(最優秀賞受賞発表の後のコメント)今年は参加することに意義があると思ってきたので、先ほど話したように“福島の力”を、(最優秀受賞者に贈られる)このブロンズに込めていただけたんだなと思っております。福島の皆さん、とりあえず獲りましたんで、どこか飾ってもらえるところに寄贈したいなと思います。本当にありがとうございました」

■2:最優秀助演女優賞|黒木華さん『浅田家!』

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「受賞は共演者の二ノ宮和也さんのお陰」と語った黒木さん。

「久しぶりにこんなに華やかな場所に立ってすごく緊張しています。(受賞は)二ノ宮さんのおかげだなと思います。やはりまわりがピリピリした空気の中で、映画を観に行けるようになってから色々な映画を観に行き、私は救われました。改めて映画や舞台などのありがたみや大事さに気づきました。撮影もどんどんできるようになり、いろいろな人に会えるということの幸せをすごく今噛みしめています。
これからも状況は変わってはいますが、この映画界に携わっていきたいと思いますし、すてきな作品をみなさんに届けられたら、それで少しでも救われる人がいたらいいなと思います。この受賞は本当にすごく嬉しいです。これからも頑張ります。ありがとうございました」

■3:最優秀主演男優賞|草彅剛さん『ミッドナイトスワン』

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第一声「まじっすか…」と率直に受賞の驚きを表した草彅さん。

「いや、あの、まじっすか。ごめんなさい。頭真っ白になってしまって。本当に、今まで、皆さんとお仕事をさせていただいたこととか、仲間の皆さんに応援していただいていることとか、そうですね、(香取)慎吾ちゃんとか(稲垣)吾郎さんとか本当に近い人たちが支えてくれて、今日ここの舞台に立てたんだなと思って嬉しいです。
僕は代表として、これ(最優秀賞)をもらうということで、一人の力では到底たどり着けないところですし、映画って、 それぞれ作り手の方とか役者の気持ちとかいろんな方向性はあると思うんですけど、一人一人の人生がよりよく自由に全うできるようなそんな作品作りと人との関わりの中で、これからも自分の人生を全うしていきたいと思います。会ったことがない方でも、遠くから応援してくれている方、本当にありがとうございます。これからも精進してして頑張ります。今日は、ありがとうございました」

■4:最優秀主演女優賞|長澤まさみさん『MOTHER マザー』

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「クラクラしました」と受賞の喜びを表現した長澤さん。

「本当にたくさんの方に支えられなければ、映画づくりはできないんだなと、去年、身に沁みて感じました。きっと本当は作りたかった映画も、 去年、作れなかった人たちもたくさんいると思います。そして映画も公開できず、先延ばしになっている人たちもたくさんいると思います。
その中で、映画を公開して、たくさんの方に観に行っていただけたことは、本当にうれしいですし、これからも誠実に映画づくりに向き合って、 がんばっていきたいなというふうに思います。本日は誠にありがとうございました」

シックなダークトーンが人気!受賞者たちのレッドカーペットスタイルをチェック

各賞の行方とともに、日本映画最大の祭典に相応しい、華やかな女優たちの装いも気になります。そこで、ダークトーンに人気が集中した、今年のレッドカーペットスタイルの一部をご紹介します。

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左から、江口のりこさん、黒木華さん、後藤久美子さん、安田成美さん。

助演女優賞の受賞者たちは、レッドカーペットとシックなコントラストを描く、ブラックの装いで登壇。アメリカ・ロサンゼルス在住の桃井かおりさんは現地からのリモートにて参加。

ウエストのカットアウトがコンテンポラリーな雰囲気のドレスを纏った江口のりこさん。小さくまとめたヘアに揺れるドロップタイプのイヤリングが眩い輝きを放っています。

見事、最優秀助演女優賞を受賞した黒木華さんは華やかな襟元が特徴のドレス。シアーな素材が彼女の透明感をさらに引き出して。

スイスから帰国中の後藤久美子さんは、深く開いたVが大人のエレガンスを感じさせるジャケットスタイルで登壇。

授賞式に登壇するのは19年ぶりだという安田成美さんは、ショートカットとIラインのドレスが、美しいプロポーションをさらに際立たせていました。

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最優秀主演女優賞を受賞した長澤まさみさん。

膨らんだ袖と裾のディテールがガーリーなドレス。残念ながら隠れてしまっていますが、鮮やかなピンクのシューズが愛らしいアクセントを添えていました。

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司会のシム・ウンギョンさん(右)は、ダークトーンを選ぶ登壇者が多いなか、ライトカラーをチョイス。

ドレスと同じトーンの大胆なヘアカラー&カラーレスメイクでひと際個性的な装いで、グラマラスに輝いていました。

栄光に輝く受賞者へ!ブルガリのウォッチを贈呈

このたびの授賞式は、ラグジュアリーブランド「BVLGARI(ブルガリ)」が、副賞協力として参加。受賞者の栄誉を称え、ブロンズと共に女性には「セルペンティ セドゥットーリ」、男性には「オクト フィニッシモ S」のウォッチが贈られました。

女性受賞者へ

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「セルペンティ セドゥットーリ」【ピンクゴールド×ステンレススティール×ダイヤモンド】

男性受賞者へ

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「オクト フィニッシモ S」【ステンレススティール、自動巻ムーブメント、100m防水】

以上、第44回 日本アカデミー賞速報と、女優たちの装いについてご紹介しました。

コロナ禍によりシアターの休館や上映延期が相次ぐ逆境のなか、栄冠を手にした受賞者たちの晴れやかな表情が印象的だった今年の授賞式。長引くおうち時間に、心揺さぶる今年の受賞作品をぜひお楽しみください。

この記事の執筆者
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PHOTO :
(C)日本アカデミー賞協会
WRITING :
神田朝子