スタイルのある男たちは皆、クルマにも時計にもこだわりを見せていた。イメージを合わせたかと思えば対照的なアイテムで個性を出したり、自国のブランドで揃えたり……。達人の肖像は、普遍の参考書だ。

伊達男たちが奏でた、名車と時計の旋律

写真 ©Getty Images ©Ferrari S.p.A. ©Porsche AG.

クルマと時計のギャップが斬新!|ブライアン・フェリー

英国音楽界随一の伊達男、ブライアン・フェリー。ブランドは不明だが、写真ではディナージャケットにゴールドの角形時計を合わせ、気障ななかにも抜け感が漂う。クルマの趣味も同様で、第二次世界大戦直後の資材難を受けて作られたドイツ製マイクロカー「メッサーシュミット」『KR200』を愛用。このギャップがたまらない。

ラグジュアリー・スポーツの開拓者|アラン・ドロン

スターへと駆け上がっていく時代のアラン・ドロンは、クルマにも最高を求めた。有名な1台が、フェラーリ『250GTカリフォルニア・スパイダー』だ。ひときわドレッシーでスポーティなオープンカーに合わせるかのように、時計はオーデマ ピゲ『ロイヤル オーク』の初期型を愛用。ラグジュアリー・スポーツ・スタイルをいち早く体現していた。

帝王の要求に応えた名門のクルマと時計|ヘルベルト・フォン・カラヤン

ヘルベルト・フォン・カラヤンのプライベートは、精悍なスポーツウォッチと共にあった。自家用飛行機やヨットを操る左腕には、下向きにつけたロレックスが。そして最も熱中したスポーツカーのコレクションでは、特注のポルシェ『911ターボRS』が名高い。楽壇の帝王の美学は、タフで精緻な機械によって貫かれていたのだ。

イタリアの誇りを全身に宿した男|ジャンニ・アニエッリ

永遠のダンディ、ジャンニ・アニエッリ。トレードマークである、シャツの袖口の上につけた時計は、主にイタリアのエベラール トラベルセトロだった。1986年にはオーナーを務めるフィアットグループのフェラーリから、オープンボディの『テスタロッサ・スパイダー』を贈呈されている。王にふさわしい、華麗なスタイルだ。

<出典>
MEN'S Precious春号「この服とスタイルで生きていく!」
【内容紹介】竹野内 豊/この服とスタイルで 生きていく!/「変える」シャツ「、変えない」シャツ/「グレージュ」カジュアル/21世紀の「真名品」/ラグジュアリー・カー&ウォッチ/紳士の名品肌
2021年3月4日発売 ¥1,230(税込)

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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2021年春号より
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PHOTO :
唐澤光也(RED POINT)
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