海や空とプールの水面が一体化して見える不思議で豪華な景色に魅了され、思わず写真を取りたくなる「インフィニティプール」。Instagramで「#infinitypool」で検索してみると、そのフォトジェニックな景色を写真におさめた投稿がたくさん現れます。

「インフィニティプール」と言えば、シンガポールの5つ星ホテル「マリーナベイサンズ」など、海外の高級リゾートホテルに設置されている様子を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんな「インフィニティプール」の設置にかかるお値段や、維持管理費、さらに、海外だけでなく、日本国内の設置事例を直撃取材!

家庭用プール世界No.1の実績を誇るフランス「Desjoyaux Pools(デジョユプール)」の日本総輸入元、デジョユジャパン取締役COO松永昌平さんに「インフィニティプール」について、詳しくお伺いしてきました。 

          デジョユジャパンの施工した、プールの向こうに富士山がそびえるインフィニティプールの景色
          デジョユジャパンの施工した、プールの向こうに富士山がそびえるインフィニティプールの景色

■ずばりプール設置にかかるお値段は国内メーカーの高級車1台分!?予算の目安は…

そもそも、インフィニティプールはプール業界ではどのように定義づけられているのでしょうか。

「インフィニティプールとは、プールの水面より上の縁を一辺、又は複数辺なくし、プールの水面が周りの景色、例えば海面や森などと同化して見えるように設計、施行されたプールのことを指します」と松永さん。

では、「インフィニティプール」を設置したい場合、ずばりいくら程度の予算が必要になるのでしょうか? そこで、今回は実際の事例を交えておおよその値段を教えていただきました。

まずは、海外の設置事例から。下の写真のプールは、目の前に広がる海との一体化が素晴らしく開放的で、景色を眺めているだけで特別な時間を過ごせそうですが…ズバリ、いかほど?

水着姿でベンチに座りながら、海からの気持ちいい風を感じられそうですね
水着姿でベンチに座りながら、海からの気持ちいい風を感じられそうですね

「こちらはフランスで施行されたインフィニティプールの事例になります。面積は32㎡、水量は38㎥。日本で施工しますと、設置場所の条件にもよりますが、約800~1000万円ほどになります」と松永さん。

わかりやすく広さを換算すると、およそ32畳、約18坪ほどの広さ。約800万円以上とは国内メーカーの高級車1台分に相当しますから、驚きです。

さらに、日本国内での設置事例についてもお伺いしました。下記は、個人の方が神奈川県横須賀市佐島の別荘に設置した事例のお写真。

周辺の海や空との一体化に加え、周りに植えられたシュロの木がリゾートの雰囲気をさらに盛り上げてくれるこちらのインフィニティプール。果たしてそのお値段は!?

インフィニティプールをエクステリアとして設置したいという方は多いそう
インフィニティプールをエクステリアとして設置したいという方は多いそう

「こちらの別荘に設置されたインフィニティプールは面積60㎡、水量72㎥。施行にかかった費用は、約1000~1500万円になります」と松永さん。

松永さん曰く、オーナーの方は実際にプールに入ることはほとんどなく、「エクステリアの一部」として設置されたそうです。確かにこんな景色を眺めながら休暇のひとときを過ごせたら、より一層、癒しの時間を過ごすことができそうですよね。

「車のお値段も軽自動車からベントレー、フェラーリまでまちまちなように、その予算を一言でこのくらいです、と申し上げるのは難しいです。施工するにあたりプールを設置したい場所、プールの大きさ、長さ、幅、深さ、形状、濾過器のタイプ、エントリー方法、昇温装置、カバー、水中ライトなどご希望をお伺いしたうえで、予算や使用目的に応じて最も適切な場所や形状、仕様を選んで設計、ご提案しています」

■維持管理費は「水量1㎥あたり月平均約120円」程度のコスト感

事例による施行費用がわかったところで、さらに維持費についても詳しくお伺いしました。

「インフィニティプールも一般のプールも基本的には維持管理費は変わりませんが、あふれる水のぶんだけプラスで必要になります。費用は電気、水道、薬品(塩素など)を合わせて、約1㎥の水量に対して月平均¥120程度です」

先ほどの、神奈川県横須賀市佐島の別荘(面積60㎡、水量72㎥)の事例を例に計算してみると、

水量72㎥ × ¥120 (約1㎥の月平均維持管理費)=1か月あたり約¥8,640!

意外にも、維持管理費はそこまでかからないようです。

「もちろんプールの使用頻度や人数、水温気温などによっても維持費は前後します。また、インフィニティプールの場合は、あふれる水の扱いによって維持費は少々異なります。あふれ出た水をそのまま流してしまうのであれば、そのぶんの水量の金額がプラス、もし水を循環させて戻す方式を取るのであれば、循環ポンプの能力に応じた電気消費量がかかります」と松永さん。

いずれの場合も、設置者自身がメンテナンスを行うことを基本としているため、清掃費用などは考慮されていない費用とのこと。デジョユジャパンでは、基本的に専門家によるメンテナンスは不要で、オーナー自身で維持管理ができるように設計しているそうです。

■自然の空間を自宅に取り込み、自分のテリトリーを外にまで広げてくれる「インフィニティプール」

こちらもデジョユジャパンによる施工事例。沖縄の個人邸
こちらもデジョユジャパンによる施工事例。沖縄の個人邸

最後に、松永さんから「インフィニティプール」の施工に関してアドバイスをいただきました。

「インフィニティプールを設置するかどうかは、設置場所のロケーション次第といっても過言ではないでしょう。海や森が目の前にある、高台や屋上にあって空が近い、など周囲に魅力があればそれを生かして自然を自分の庭に取り込む、もしくは『自分のテリトリーを外にまで広げる』といった観点で、プールをより贅沢に、存分に、楽しんでいただけるものと思います

いわば日本庭園の「借景」のように、周辺の海や空を自分のテリトリーにまで拡張できるのが、インフィニティプールの魅力ですね。

ご自宅や別荘の新築やリフォームをお考えの方はぜひ一度「インフィニティプール」のある生活をイメージして、設置を検討してみてはいかがでしょうか。きっと特別な時間を過ごせるに違いありません。

問い合わせ先

  • デジョユジャパン TEL:03-3523-7663(大代表)
  • 営業時間/10:00〜17:00
  • 定休日/土・日・祝日
  • 住所/〒104-0033 東京都中央区新川1-3-4 PAビル6F
この記事の執筆者
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EDIT&WRITING :
青山梓(東京通信社)