マックスマーラやドルチェ&ガッバーナなど、Precious.jpでも人気の海外トップブランドのプレスを歴任してきたロイ・明美さんによる連載企画。

結婚を機に英国へ渡りロンドンで暮らし、2014年からはスコットランドへと住まいを移した彼女の素敵なカントリーライフを、自然、食、インテリアなどさまざまな側面からお伝えします。

今回ご紹介するのは、自然のなかで美しく咲き誇る花々が目を楽しませてくれる村の様子と、ささやかながら心のこもったイースターのお祝いについて。森の中に現れた、おとぎ話の世界を思わせる微笑ましいデコレーションも必見です!

お散歩がますます楽しくなる、春が来た!

4月に入ると、道端や、ご近所のお庭、散歩道など、あちこちに咲き誇る黄色や白の水仙が目につきます。

英国はロックダウンから早くも一年ですが、夏時間に移行して日も長くなり、気持ちもリフレッシュ。木々も芽吹いて、鳥の鳴き声も多くなって、挨拶も天気の話がお決まりのお国柄、春の訪れは、みんなを嬉しい気分にさせてくれます。

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森の散歩道一面に咲く、黄色水仙が目にしみます。
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ピンクのモクレンは、いっぱい蕾がなっています。
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白いマグノリアは、花も開いています。

チョコレート好きの英国人が愛してやまないイースター

春の訪れとともに、イースターホリデーを迎えます。2021年は、4月4日がイースターサンデー。イエス・キリストが十字架に架けられ3日後に復活したことを祝う、キリスト教徒にとって、大切な宗教行事のひとつがイースター(復活祭)です。

クリスマス同様、家族や友人と一緒に祝うのがこちらのイースター。復活祭の伝統的な遊びもあって、国によってそれぞれ違うようです。英国では、ゆで卵に好きな色やデザインをペイントし、庭や家の中に隠して、探すエッグハンティングが定番。

もうひとつは、丘の上から卵を転がすエッグローリングです。どちらも、子供だけでなく、大人も楽しんでいます。

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中にも小さなチョコが入っている、キャドバリーのイースターエッグのチョコレートも人気です。

昔から豊かな生命の復活と繁栄を祝う象徴とされていて、イースターに欠かせないのが卵とウサギ。この時期のスーパーやショップでは、卵やウサギの形をしたさまざまな種類のチョコレートが売られています。

それらを家族や友人とプレゼントしあうイースターは、チョコレート好きの英国人には、より楽しいイベントなのです。

今年、夫が私のためにと用意してくれたイースターエッグは、ゆで卵をゴールドに塗ったものでした。まわりにドライフラワーを敷きつめて、シックなデコレーションに。

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夫が用意してくれたゴールドのイースターエッグ。

友人からいただいたのは、手作りのチョコレートマフィン。フライドエッグに見立てたサワークリームのアイシング・デコレーションが甘すぎず、しっとりとしたチョコレートマフィンにマッチして、とっても美味しかったです。

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友人お手製の絶品チョコレートマフィン。

そして私から夫へは、カラフルなイースターエッグのチョコレートを。お花と一緒にテーブルや家の中に飾りました。飾っても、いつのまにかなくなってしまうのは、もちろんチョコレートだから…。

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カラフルな銀紙で包まれたチョコレートを飾って。

森の中に出現!愛らしさがたまらない妖精ワールド

今年いちばんのサプライズは、近所の森がイースター仕様に変身していたこと! まるで妖精の世界に迷い込んだような風景が広がっていました。

去年はなかったので、長引いているコロナ感染終息への願いを込めて、村の子供たちが作ったのでしょうか。

卵やウサギのオーナメント、妖精が住んでいるような小さなお庭、メッセージツリーなどが、森の中に飾られていました。

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可愛い卵やウサギのオーナメント。
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木の下に小さな矢印が…。矢印に記された文字は、上が「妖精」、下は「ノーム(大地を守る精霊)」。
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妖精用らしき、ミニチュアのお庭と井戸。
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ウッドサインには、”妖精の好きな場所”と書かれています。
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“夢を追いかけて“というサインが、元気をくれます。

奥へと進んでいくと、大きな木に“Just a note”と書かれたカードが、木にたくさん吊るされていました。きっと、祈りや願い事が書かれているのだろうなあと想像しながら、紙とペンを持ち合わせていなかったので、写真だけ撮って帰りました。

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麻紐にウッドのクリップで留められて、素敵に吊るされています。

別世界に行ってきたような森のお散歩。自然が生活を豊かにしてくれることに、本当に感謝です。

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家にも水仙と、森で採ってきた小枝を、飾りました。

英国では、4月12日からショップやヘアーサロンが再開。飲食店も屋外営業は認められて、緩和されました。世界中が、どんどんいい方向に向かいますようにと、願い続けます。

Stay safe and happy!!

今日のおすすめ「なごみワンコ」は… ロンドンっ子の恥ずかしがり屋、ガス君

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ナタリーが撮ったお茶目なガス君。
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こちらの写真だとちょっと凛々しく見えるかな。

ロンドンの友人、ナタリーが面倒を見ていたガス君。ガス君のオーナーはファッションスタイリストで出張が多いため、その間ガス君は、ナタリーと一緒に過ごしていました。

初めて会ったときは、ナタリーの後ろでじっとこちらを見つめて、近寄ると後ずさりしてたけれど、会うたびに距離がどんどん縮まって、仲よくしてくれました。ホワホワの柔らかい毛をした、可愛いガス君でした。


以上、スコットランド在住のロイ明美さんの連載第9回をお届けしました。

ささやかだけれど丁寧で、センスのよさが随所に感じられる「リアル・ラグジュアリー」なライフスタイル。次回はどんなエピソードが届くのか、ぜひお楽しみに!

この記事の執筆者
東京生まれ。父の仕事の関係で小学生時代をペルーのリマで、高校から大学までを米国シカゴで過ごす。帰国後、ジョルジオ・アルマーニ、マックスマーラ、ロメオ・ジリ、シンシア・ローリー、モスキーノ、ドルチェ&ガッバーナと海外有名ブランドのプレスを歴任。東京で知り合ったスコットランド出身のカメラマンのご主人と8年の遠距離恋愛の末、2005年に結婚して英国へ。 撮影コーディネートや、伝統工芸の取材執筆などを手がけながら、温かくセンスのいいカントリーライフを楽しんでいる。掲載写真の多くは夫のコリン・ロイ氏によるもの。インスタグラムアカウント:akemi_okumura_roy
PHOTO :
COLIN ROY