「大人にちょうどいい」アイテムや着こなしにスポットを当てる不定期シリーズがスタート! 雑誌『Precious』5月号で展開中の初回では、春トレンドのきれい色のなかでも、「濃いきれい色」が大人には合うという"新説"を検証しました!

その特集のなかから、本記事では色使いの達人スタイリスト、三好 彩さんに伺った「濃いきれい色」の選び方・装い方をご紹介します。「濃いきれい色」でコーディネートする際のおすすめの色選びや着こなし方など、最適なアプローチ法を提案しています。

「#大人にちょうどいい」濃いきれい色とは?どう選んで、どう装う?

プレシャス(以下P):先日、とある展示会で大人の女性の肌には、淡いきれい色よりも「濃いきれい色」が映えるよね! と盛り上がりました。「濃いきれい色」が大人には似合うという説、どう思われますか?

三好(以下M):確かにそうですね。淡いピンクやブルーは、色自体はきれいなのですが、肌色がくすんで見えますから、大人が着ると野暮ったくなることも。その点、「濃いきれい色」は顔色が冴えますし、内面のハンサムさやリッチ感も感じさせ、大人に最適です。

■1:今、服も小物も濃いきれい色が素敵に進化中!

コート_1,パンツ_1,バッグ_1,靴_1
コート¥264,000(ミカコ ナカムラ 南青山サロン〈MIKAKO NAKAMURA〉)、パンツ¥25,300(トラデュイール)、ベルト¥47,300(三喜商事〈アニオナ〉)、バッグ¥973,500(デルヴォー・ジャパン)、靴¥100,100(ジャンヴィト ロッシ ジャパン)

大人の肌を引き立てるのは実は、濃いきれい色。成熟した女性だからこそ、色に負けず、ハンサムに着こなせるのです(三好さん)

「今はにごりのない濃いきれい色が、以前より充実して、選ぶ楽しみが広がっています」と三好さん。今季人気のブルーも大人向けのブランドには、透明感と奥行きを備えた美しい色が登場。

■2:上下をワンカラーにして、気品漂う上品インパクトを堪能

シャツ_1,スカート_1,ピアス_1,サングラス_1,ストール_1,バッグ_2,靴_2
シャツ¥174,900・スカート¥218,900(ロロ・ピアーナ ジャパン)、ピアス¥327,800・時計¥3,883,000・バングル[太]¥1,980,000・[細]¥759,000・サングラス¥54,340(ブルガリ ジャパン)、ストール¥44,000(ボーダレス〈ベグ アンド コー〉)、バッグ¥361,900(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)、靴¥105,600(ジャンヴィト ロッシ ジャパン)

ワンピースのように上下を揃えれば着こなしやすく色のオーラも高まります(三好さん)

カットワークレースなので、鮮やかな色でも優しげで印象軽やか。気負わず着こなせる。カプリ島の海を思わせる、深く鮮やかなブルーで彩られたコットンシャツを、同色スカートと合わせれば、瑞々しく成熟した大人の女らしさが香り立って。

コーディネートは簡単なのに、格別の着映え力を楽しめるアプローチです。また、プレシャス世代の最愛色、グレージュの小物は、濃いきれい色となじみやすく抜群の相性です。


P:年齢を重ねた”深み”のようなものに、ちょうど映えるのですね。ただ、どういう基準で選べばいいのか、とても迷います。

M:まずは、単にポップで元気な印象に終わらないよう、艶やきれいな落ち感など、表情のある素材にこだわることが大切です。そういう生地は発色も上品で着映えますよ。

■3:ブーゲンビリアのような凛とした美人ピンクでいきいきと!

ブラウス_1,パンツ_1,時計_1,ピアス_1,指輪_1,バッグ_1,靴_1
ブラウス¥133,100・パンツ¥81,400(マックスマーラ ジャパン〈マックスマーラ〉)、時計¥1,111,000(オメガ)、ピアス¥217,800・バングル¥1,076,900・リング¥324,500(ダミアーニ 銀座タワー)、バッグ¥174,900(トッズ・ジャパン)、靴¥59,400(ピエール アルディ 東京)

落ち感や艶…、表情ある素材を選ぶことがラグジュアリー感の決め手に(三好さん)

エネルギッシュな華やかさを印象づけるマゼンタピンク。しなやかなシルクの風合いが、カフタンブラウスにカジュアルだけでない品格を与えます。「カフタンでもリゾート風にせず、ピンストライプパンツで都会的に着こなすのが今風」と三好さん。しなやか素材のカフタンで、気負わず装ってみましょう。


P:何から取り入れたらいいですか。

M:まずは、顔から離れた、ボトムで挑戦するのがスムーズ。トップスで選ぶなら、しなやかな素材を。さりげなく着こなしやすいと思います。

■4:鮮やかでジューシーなオレンジがかなえるミラネーゼ風パンツスタイル

パンツ_1,ニット_1,ピアス_1,ブレスレット_1,バッグ_1,靴_1
パンツ¥40,700(トレメッツォ〈ピーティートリノウーマン〉)、ニット¥41,800・カーディガン¥68,200(クルチアーニ)、ピアス¥68,200(ホアキン・ベラオ)、ブレスレット¥88,000(日本橋三越本店 本館3階ミグジュアリー〈ペリーニ〉)、バッグ¥118,800(ピエール アルディ 東京)、靴¥102,300(ジャンヴィト ロッシ ジャパン)

小物まで同系色にすれば、全体の統一感が生まれて印象が高まり、より素敵!(三好さん)

ビビッドカラーのクロップドパンツに、ノースリーブニット&カーディガンでミラネーゼ風のかっこよさに。艶とハリのある素材感が、鮮やかなオレンジを大人の色に昇華してくれます。クロップド丈も小粋。

同系色のミュールを足元に配し、より脚長に魅せて。ミュールにはパンツとリンクするオレンジ系ペイズリーを合わせて、奥行き豊かなカラートーンに仕上げましょう。


P:自分にどの色が合うかを考える際、黄みのある肌の人は黄みのある色物が合い、青みのある肌の人は青みカラーがいい、とよくいわれていますよね。

M:そうですね…でも、自分の肌がどちら寄りかの判断が難しいうえ、お目当てのアイテムも、単品ではどちらの色味かわかりにくいもの。まずは手に取り、実際、自分に当ててみて、ピンと来るかどうかですね。窓際など、自然光の下のほうが判断しやすいかもしれません。

■5:肌色を引き立てるイエローワンピースで溌溂とした麗しさを手に入れて

ワンピース_1,ジャケット_1,ピアス_1,ネックレス_1,バッグ_1,靴_1
ワンピース[共布ベルト付き]¥82,500(クルチアーニ)、ジャケット¥86,900(トレメッツォ〈タリアトーレ〉)、ピアス¥1,039,500・ネックレス¥998,800(TASAKI)、バッグ¥302,500(ヴァレクストラ・ジャパン)、靴¥137,500(ブルーベル・ジャパン〈マノロ ブラニク〉)

ジャケットやヒール靴などきちんと感のあるもので引き締めると大人度がアップ(三好さん)

自信と華やぎを授けてくれるイエローワンピース。甘い香りも感じられそうなフレッシュなミモザイエロー。上質リネンの澄んだ発色が魅力です。

ジャケット&ヒール靴で端正に仕上げれば、より颯爽とした印象に。端正なジャケットが華やぎカラーの甘さを程よくセーブしてくれます。知的であか抜けた存在感に仕上がります。そして、胸元には大粒パールネックレスを。「存在感のある濃いきれい色には、ジュエリーは大ぶりが好バランス」と三好さん。


P:色合わせのコツはありますか?

M:プレシャス世代には、親しみのあるベージュやグレーと合わせると、優しくなじんでおすすめです。同系色でまとめるのも、今季らしくて素敵です。

■6:シャープなフォルムのベージュシャツで知的シックな装いに

スカート_1,シャツ_1,ネックレス_1,バッグ_1,靴_1
スカート¥132,000(ミカコ ナカムラ 南青山サロン〈MIKAKO NAKAMURA〉)、シャツ¥42,900(ebure GINZA SIX店〈ebure〉)、ネックレス¥195,800・ブローチ¥49,500・バングル¥101,200(ホアキン・ベラオ)、バッグ¥152,900(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)、靴¥105,600(ブルーベル・ジャパン〈マノロ ブラニク〉)

ベージュとの組み合わせは、カラーアイテムの強さが上品に和らぎ、おすすめです(三好さん)

華やかな濃色レーススカートを、リネンシルクのビッグシャツでキリリと演出。スカートに特別感があるから、ワンツーコーディネートでも洗練が漂う。

ジュエリーのような艶と深みのあるグリーンが、大人の女性の優雅な佇まいを印象づけて。白のサンダルは、「濃いきれい色」に軽やかにマッチ。適度な抜け感をプラスする名脇役に。


P:定番カラーの白や黒とは?

M:白や黒と合わせると、コントラストが強くなってしまいがちです。白ならオフ白、黒なら墨黒(グレイッシュな黒)がいいと思います。

P:街中などで「濃いきれい色」を着ている大人の女性を見ると、あか抜けた存在感にハッとさせられます。

M:私もつい観察をしてしまいます。拝見していて思うのは、濃いきれい色の服は、きちんと手入れをされていることで、より着映えるのだということ。だからこそ、積極的に選び、端正に着こなしていると、おしゃれへの心意気も感じられて、より洗練が際立つ色なのだと思います。

P:大人の経験値が二重に生かされる色なのですね。

M:取り入れないのは、もったいない。この春はいい色も充実しています。ぜひ、挑戦してほしいですね。

※掲載した商品はすべて税込です。

問い合わせ先

PHOTO :
渡辺修身
STYLIST :
三好 彩
EDIT&WRITING :
長瀬裕起子、遠藤智子(Precious)