2021年の一年を通し、1906年の創業時から大切に守ってきた「花」というテーマにオマージュを捧げている「ヴァン クリーフ&アーペル」。そのひとつのチャプターとして、2021年4月22日(木)〜5月9日(日)、代官山T-SITE GARDEN GALLERYにて期間限定エキシビション「LIGHT OF FLOWERS ハナの光」が開催されます。

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天井に至るまで、花と光のイメージに溢れた空間

差し込む光も重要なエレメント!花とジュエリーが織りなす幻想世界

華道家の片桐功敦(かたぎり あつのぶ)さんがヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーにインスピレーションを受け、花々で彩られた魅惑的で生命力溢れる世界を創り出す本エキシビジョン。清らかで慎ましい「花」の、生を謳歌する圧倒的な存在に焦点を当てたインスタレーションです。 

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有機的でセンシュアルな壁に、花をモチーフにしたミュージアムピースから現代の作品までをディスプレイ。
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壁面のディプレイから。みずみずしい色彩とまばゆい輝きを放つ、貴重なミュージアムピースの傑作たち。

会場では華やかで気品あふれるシャクヤク、爽やかな満開の花を咲かせるクリスマスローズ、そよかぜに揺れるコスモスなど、「花」の一瞬をとらえたジュエリーが日本の情趣と溶け合い、見る人を詩的な表情で魅了します。

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丸いシルエットの小さな花を集めた愛らしい作品は、線香花火の煌めきのような、繊細な印象。こちらはヴァン クリーフ&アーペル ジャパン プレジデントのアルバン・ベロワーさんのお気に入りでもあります。
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角度を変えて見ることで花の姿や水面の映り込みが変わり、違った表情を楽しめるのも見どころ。

その可憐なジュエリーの数々が、水辺に佇み、儚くも美しい人生を謳歌しているかのように生命力に満ち溢れた小さな花々と重なり合い、ノーブルな光の空間を生み出します。 

華道家 片桐 功敦さん&アルバン・ベロワー社長にインタビュー

Precious.jpでは、本エキシビジョンの開催に先立ち、華道家の片桐 功敦さんと、ヴァン クリーフ&アーペル ジャパン プレジデントのアルバン・ベロワーさんに独自にインタビューを行いました。

■片桐 功敦さん:夢か現か…。選りすぐりの花が一堂に会する贅沢さにも注目を!

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華道家の片桐功敦さん
──今回のコンセプトを会場で実現するにあたって難しかった点、あるいはやりがいを感じた点はどこでしょうか?

「今回は会場の空間全体がインスタレーションの一部となっています。ガラス張りのギャラリーに花の映像がプリントされた透明なフィルムを貼り、それを通して差し込む外光がステンドグラスのような効果を生み出すのですが、日の光はコントロールできないものなので、実際にやってみるまで一体どうなるのか、わからないところがありました。

また光だけでなく、花を生けた水の映え方、揺らぎなども1年半の構想期間、想像することしかできず…。そのイマジネーションに現実を近付けていく作業が一番難しかったです。

一方、外来種や珍しい山野草など、あらゆるエリアの選りすぐりの花を集め、お見せするという、現実ではあり得ない贅沢さにとても幸せを感じています」

──今回のエキシビションで最も注目してほしいと思われるポイントはどこでしょうか?

「水面に花が映り込み、夢か現(うつつ)か…というような不可思議な世界観を楽しんでいただきたいです。今回は大きくて華やかというよりも、さりげない、小さな花を使っているのですが、その美しさが一番映える形で展示されています。その繊細な造形にも注目していただければ」

──ヴァン クリーフ&アーペルの花や自然のモチーフのうち、最もご自身の心に響いた作品はどれでしょうか?

「『アルハンブラ』です。道端にあるような身近な存在のクローバーが美しく昇華されています。わかりやすく華やかな花ではないものにも注目するメゾンの審美眼に惹かれました」

■アルバン・ベロワーさん:花とジュエリーが誘う、幸福な旅を楽しんで

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ヴァン クリーフ&アーペル ジャパン プレジデントのアルバン・ベロワーさん
──今回のコラボレーションに片桐さんを選ばれた理由を教えてください。

「ニコラ・ボス(ヴァン クリーフ&アーペル プレジデント兼CEO)と私が彼を知ったのは、福島県で片桐さんが撮影した写真の作品を通して、でした。その詩的で繊細な世界観に、私たちのメゾンのアイデンティティと強い結びつきを感じました。

そして、2018年に大阪に初の旗艦店をオープンした際に初めてのコラボレーションを行うことに。そのとき、彼の素晴らしいクリエイティビティを目の当たりにし、非常に感銘を受けたことが今回につながっています」

──実際に会場を見ての第一印象はいかがでしたか? また、特に気に入った作品はどれでしょうか?

「会場の外観からは中の展示が見えないところがミステリアスで、非常に好奇心を刺激し、サプライズ感もあるな、と思いました。そして、一歩足を踏み入れると、そこに広がる外界と全く違う情景に、強く感情を揺さぶられました。

どの作品も素晴らしいのですが、あえて挙げるなら会場に入って右手の小さな池がお気に入りです。色彩の美しさとともに、そのサイズ感がジュエリーを彷彿させ、遊び心があり、愛らしいんです」

──会場を訪れる人に、どのように楽しんでもらいたいですか?

「シャボン玉のなかにいるような、発見の旅、現実からの逃避を楽しんでください。社会的に困難な状況が続く今、花とジュエリーが創り出す幸せな瞬間を存分に味わっていただきたいです。

また、感染対策のために人数を絞っての事前予約制というスタイルをとっていますが、それが今回のエキシビションを楽しむためにはかえってよかったのではないかと思っています。人が溢れている会場というよりも、非常にパーソナルなものとして、静かに、瞑想するような心持ちで空間に身を置いていただけると、ポジティブな感覚を味わえる、質の高い体験になるのではないでしょうか」

メゾンを象徴する、花を描いた優雅で繊細なジュエリーたち

会場でまばゆい輝きを放つ、メゾン創業以来のインスピレーション源としてきた花をモチーフにしたクリエイション。その一部をご紹介します。

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左から「ロータス クリップ ペンダント、ラージモデル」¥8,712,000【ホワイトゴールド×ダイヤモンド】、「コスモス イヤリング、ミディアムモデル」¥5,610,000【ホワイトゴールド×ダイヤモンド】

現代作品の2つは、一枚一枚の花びらが自然に限りなく近い美しさを宿します。

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上「コスモス アントレ レ ドア リング」¥2,415,600【ローズゴールド×ダイヤモンド×ホワイト マザーオブパール】下「ローズ ド ノエル ミディアムモデル クリップ」¥2,046,000【ホワイトゴールド×ダイヤモンド×グレー マザーオブパール】 Van Cleef & Arpels Collection 

夏の喜びを讃えるコスモスや、力強さと気品のシンボルとして真冬に咲くクリスマスローズ。このクリスマスローズは、細部まで本物の花を映したかのような繊細なつくりで、片桐さんの心をとらえた作品でもあります。

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左から「フラワー クリップ」(1939年)【プラチナ×イエローゴールド×イエロー&ホワイトダイヤモンド】Van Cleef & Arpels Collection 、「パンジー イヤリング」(1955年)【イエローゴールド×サファイア】Van Cleef & Arpels Collection、「バイオレット ブーケ クリップ」(1938年)【イエローゴールド×アメジスト×ダイヤモンド】Van Cleef & Arpels Collection 

可憐な花束やスタイリッシュなモチーフのミュージアムピースの数々は、詩的な世界観でクリエイティビティに溢れています。

魅惑の世界観を紐解く動画も公開中!

片桐さん、ベロワーさんが出演する動画も公開中です。鑑賞前の予習に、そして余韻に浸りたい観賞後に。ぜひチェックしてみてください。


2週間の展示期間のなかで季節も徐々に変わり、その日ごとに刹那の美しさを見出せそうなエキシビジョン。このほか関連する、さまざまな花にまつわるワークショップやトークイベントも充実しています。

静寂の中で自然が持つ優しい力を感じる、束の間の逃避行にぜひ出かけてみませんか?

※掲載された商品の価格は、すべて税込みです。
※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

「LIGHT OF FLOWERS ハナの光」詳細

  • 会期/2021年4月22日(木)〜5月9日(日)※一般公開、入場無料
  • 開場時間/11:00~20:00 ※4月26日(月)、27日(火)、28日(水)のみ18:00閉場
  • 住所/東京都渋谷区猿楽町16-15
  • 会場/代官山T-SITE GARDEN GALLERY
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オンライントークイベント 「My Vision of Flowers」

  • 会期/2021年4月26日(月)片桐 功敦さん、27日(火)須田 悦弘さん、28日(水)黒田 潔さん
  • 時間/各日20:00~21:00
  • 参加費/¥1,500
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  • ※エキシビションおよびイベントは、ヴァン クリーフ&アーペルLINEアカウント(@vancleefarpels)もしくは、下記リンクボタンから事前に要申込み。
  • ※新型コロナウィルス感染症対策のため、エキシビション会場では入場の際に人数制限あり。また、状況により会期や日時を変更する場合もあります。
  • エキシビション予約

    オンライントークイベント予約

問い合わせ先

ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク

TEL:0120-10-1906

この記事の執筆者
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PHOTO :
田中麻以(エキシビション・人物)、池田 敦(ジュエリー/パイルドライバー)
WRITING :
神田朝子
EDIT :
谷 花生