ジョンロブのDNAを注ぎ込んだアイコン『ニューリン』は、ジョッパーブーツの面影を残したフォルムが絶品だ

本稿で紹介する『ニューリン』は、しなやかなスエードのアッパーにデザインされた見事なバランスのバックル。ジョンロブのブーツメイキングの伝統を継承する。ジョッパーブーツの面影を残したフォルムが絶品だ。履き心地のいいシングルレザーのテンシルソールを合わせた軽快さが新鮮である。

TEXT ：: MEN'S Precious編集部
BY ：: MEN'S Precious2021年春号より

今季の新作であるこの『ニューリン』を、早くも「真名品」と認定するのには理由がある。遡ること約10年、メンズプレシャス本誌はジョンロブのビスポークサンプルを作るプロジェクトに参加した。

溯ること11年前、すでに『ニューリン』の素地があった！？

2010年、世界主要₁₁都市の靴のスペシャリストが集まり、ジョンロブのビスポークサンプルを作る「キャピタルコレクション」というプロジェクトが行われた。その東京のメンバーに、実は『メンズプレシャス』も参加していたのだ。TOKYOMODELとして完成した靴のひとつが、まさに『ニューリン』のベースとなるような、ストラップを配したモードな雰囲気を湛えるショート丈のブーツだった。写真は2011年夏号から。

乗馬由来のジョッパーブーツを短丈化し、ストラップもシンプルにした「ショートジョッパー」。伝統とモダンをともに盛り込み、これぞ現代の紳士にとって至高の一足という自信作が完成したのである。そして『ニューリン』は、その面影を色濃く感じさせる顔つき。本誌にとっては10年越しの「再会」なのである。