ガジアーノ&ガーリングの日本上陸は、さながら黒船来航のごとき衝撃だった。英国では珍しい、新鋭の本格靴ブランド誕生。そしてビスポークのエッセンスをふんだんに盛り込んだ靴作り。フィドルバックという用語を世に広めたのも、同社の功績が大きいだろう。

靴作り最強の、名手ふたりで設立したブランド「ガジアーノ&ガーリング」のローファー

名品データ ●モデル名:『アンティーブス』 ●サイズ展開:5.5~9 ●木型:『KN-14』●素材:カーフ ●国:イギリス (トレーディングポスト青山本店〈ガジアーノ&ガーリング〉) ●備考:英国靴の存在感を保ちながら、ソフトスクエアトウのシルエットでモダンな印象をバランスよく表現している。ローファーの軽快さがあるうえ、ドレッシーなスタイルも漂わせるのが、長年にわたって人気を博している理由だ。
名品データ ●モデル名:『アンティーブス』 ●サイズ展開:5.5~9 ●木型:『KN-14』●素材:カーフ ●国:イギリス ●備考:英国靴の存在感を保ちながら、ソフトスクエアトウのシルエットでモダンな印象をバランスよく表現している。ローファーの軽快さがあるうえ、ドレッシーなスタイルも漂わせるのが、長年にわたって人気を博している理由だ。
英国靴業界で高度な技術をもつ職人として知られたふたりが、2006年にガジアーノ&ガーリングを創業した。ひとりは、写真右側のディーン・ガーリングさん。靴の生産を管理する。もうひとりは左側のトニー・ガジアーノさん。靴のデザインやビスポークを担当する。ふたりの名前をとってブランド「ガジアーノ&ガーリング」と命名。『アンティーブス』のほか、レースアップの『セント・ジェームズ2』など、立ち上げ当初から話題の靴を作り続ける、名コンビである。

数々の意欲作を発表してきたなかで、とりわけ名作との評価が高いのがこの『アンティーブス』である。グラマラスなカーブ、静観なスクエアトウ、スキンステッチといったディテールもさることながら、人々の目を引いたのは中央でくるりと一回転させたサドルだった。

カラーバリエーションにも注目を!

上の写真のアンティーク調のブラウンに比べ、よりフォーマルな香りが漂う洗練されたブラックも魅力だ。
上の写真のアンティーク調のブラウンに比べ、よりフォーマルな香りが漂う洗練されたブラックも魅力だ。

文字どおり「ひねり」の効いた意匠に、これがビスポーク的ウィットかと驚いたものだ。誕生から13年の時を経た今でも、その新鮮さはまったく失われていない。本格靴史上に残る金字塔である。

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MEN'S Precious編集部 
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MEN'S Precious2021年春号より
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PHOTO :
戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー/静物)
STYLIST :
石川英治(tablerockstudio)
EDIT&WRITING :
矢部克已(UFFIZI MEDIA)