歴史あるメゾンが生み出すコレクションの原点は、皇后ジョゼフィーヌ

ジュエリー&時計ジャーナリストの本間恵子さんが、2021年の新作ウォッチからおすすめアイテムをご紹介。今回、本間さんが取り上げたのは、ショーメ(CHAUMET)の「ジョゼフィーヌ」コレクションに仲間入りしたエグレットウォッチの新作3本です。

こちらのエグレットウォッチが最初にお目見えしたのは今年1月。メゾンを代表するジュエリーコレクション「ジョゼフィーヌ」スタイルの流麗なペアシェイプのフォルムを継承したケース、バックルのないブレスレットのように腕に添うストラップの仕様。時計というカテゴリーを越えたその美しさには誰もが衝撃的を受けるとともに、うっとり。

今回追加された新作は、ホワイトの気品あるサテンストラップで登場しました。こちらも、ジュエリーファンの心を確実にとらえるピュアな美しさを湛えています。

ショーメの、このコレクションがなぜもこんなに美しく、モダンで、気品に満ちているのでしょうか。歴史をたどっていくと、「ジョゼフィーヌ」コレクションの原点はナポレオン・ボナパルトの妻、皇后ジョゼフィーヌに行き着きます。

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皇后ジョゼフィーヌの肖像画

彼女はこのメゾンにとっての最初で最大の後援者。1804年12月2日のナポレオンの戴冠式で着用したジョゼフィーヌのヘッドジュエリーは、ショーメの作です。それ以外にも多くのティアラやジュエリーのオーダーを受け、皇室御用達唯一のジュエラーとなったのです。

アラベスク柄に代表される幾何学模様に、彼女は女性らしい柔らかさ、丸み、動きをプラス。しなやかで、センシティブな美的センスがジュエリーに加わりました。いわば彼女自身が当時のトレンドセッター。このメゾンにとっても、ジョゼフィーヌはイマジネーションの原点であり、クリエイティブの源泉、そして現在まで続く永遠のミューズです。

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1811年前後に製作されたティアラ。風にたなびく麦の姿がモチーフに。麦はナポレオンが選んだ帝室のエンブレムのひとつであり、皇后ジョゼフィーヌも愛用(パリ。ショーメ・コレクション)

今回取り上げたコレクション「ジョゼフィーヌ」の新作エグレットウォッチを見ても、その様相が伝わってきます。

「ジョゼフィーヌはとても洗練された趣味の持ち主で、優れた美意識が高く評価されている女性。装飾過多だったロココの時代とはうってかわってシンプルで軽やかなスタイルを好み、上流社会のファッションリーダーとしてもてはやされました。そんな彼女にナポレオンは夢中で、“僕の手紙にはすべて返事がほしい。さもないと生きてゆけない”と書き送ったほど。

ショーメの創業者マリ= エティエンヌ・ニトは、皇后となったジョゼフィーヌの御用達ジュエラーとして、さまざまなティアラやパリュール(セットジュエリー)を仕立てたという歴史があります」(本間さん)

「ジョゼフィーヌ」コレクション新作エグレットウォッチ3選

■1:ペアシェイプを際立てるピンクゴールド使いのタイムピース

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「ジョゼフィーヌ」エグレットウォッチ¥866,470 ●ケース:ピンクゴールド×ダイヤモンド ●ケースサイズ:縦27.3×横20.2mm ●ダイヤル:エングレーブされたサンブラッシュ加工のホワイト ●ストラップ:サテン ●ムーブメント:クォーツ

バックルのないスマートな純白のサテンストラップに、ペアシェイプのウォッチが陽射しに映えて。このフォルムを際立てるように、ベゼル部分にピンクゴールドが配されています。デイリーにコーディネートすれば、上質なウォッチスタイルへ。バックルがないブレスレットタイプにより、手首の印象もほっそりと。

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12時位置にダイヤモンドが輝く、エグレットウォッチのダイヤル

「文字盤の美しさにもぜひ注目を。12時位置のダイヤモンドは、トロンプルイユ(だまし絵)の技法を用い、ラウンドブリリアントカットをペアシェイプのように見せています。幾何学的なエングレービングで表現したのは、宝石を思わせるファセット(面)です。文字盤は高級感を演出する重要な部分ですから、繊細かつ丁寧に作られていますね」(本間さん)

■2:清廉な印象が際立つピュアな輝きを湛えて

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「ジョゼフィーヌ」エグレットウォッチ¥1,368,400 ●ケース:ホワイトゴールド×ダイヤモンド ●ケースサイズ:縦27.3×横20.2mm ●ダイヤル:エングレーブされたサンブラッシュ加工のホワイト ●ストラップ:サテン ●ムーブメント:クォーツ

シグネチャーモチーフといわれるペアシェイプをホワイトゴールドのケースで縁取り、品格のあるタイムピースへ。規則正しく、かつ複雑なエングレービングが施されたダイヤルがダイヤモンドのような煌めきを放ち、サテンのストラップとの優雅なコラボレーションを楽しんでいるかのようです。

■3:ティアラを思わせる風格漂うラグジュアリーな仕上がり

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「ジョゼフィーヌ」エグレットウォッチ¥3,172,400 ●ケース:ホワイトゴールド×ダイヤモンド ●ケースサイズ:縦27.3×横20.2mm ●ダイヤル:パヴェダイヤモンド ●ストラップ:サテン ●ムーブメント:クォーツ 

ダイヤルにパヴェのダイヤモンドを敷き詰めたタイムピース。ひと目で恋に落ちてしまいそうな美しさを秘めています。時を越えて、皇后ジョゼフィーヌの魅力に引き込まれてしまいそうな錯覚さえ覚えます。会社帰りの改まった席や晴れの日など、華やかなシーンに、ジュエリー代わりにも使えるタイムピースです。

「スノーセッティングのダイヤモンドが輝く文字盤はとても華やか。さまざまな大きさのダイヤモンドをびっしりと隙間なく留める技法で、光が乱反射するように白く煌めきます。ハイレベルな職人技が堪能できるモデルです」(本間さん)


以上、ショーメの「ジョゼフィーヌ」エグレットウォッチ新作3本をご紹介しました。

「ペアシェイプのダイヤモンドを思わせる個性豊かな形状は、ショーメの歴史的傑作“ブルボン=パルマ”ティアラ”から取られたモチーフとのこと。バングルブレスレットのように、少しひねって手首にはめ込むデザインなので、どんな角度から見てもすっきりとしていて軽快につけられます。

宮廷のスタイルアイコンだった皇后のエスプリが感じられ、このウォッチが手元にあるだけで優雅な気分になれそう。時計専門メゾンとはひと味違う、ジュエラーならではの魅力あふれるウォッチですね」(本間さん)

※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。

本間恵子さん
ジュエリー&時計ジャーナリスト
(ほんま けいこ)東京都出身。武蔵野美術大学を卒業後、某宝飾メーカーでデザイナーとして勤務し、その知識を生かしてジュエリー専門誌のエディターに転身。その後フリーランスとなり、国内外の見本市や展示会を取材して、モード誌やアートマガジン、新聞などに寄稿。トークショーやテレビコメンテーターなどをこなしながら、アンティークジュエリーの研究も行っている。夫は建築家。好きなもの:バンドデシネ、マンガ、美術史、トールキンの著作。

問い合わせ先

ショーメ

TEL:03-5635-7657

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WRITING :
菅野悦子
EDIT :
谷 花生