目に映る佇まい、使う時の手触りや音、放つ香り… ラグジュアリーなアプローチでこその「用の美」の奥深さを、変わりゆく時代こそ見つめ直したい。そんな想いから『Precious』8月号では「五感で慈しむ『暮らしの名品』」と題して、日々を彩る名品を特集しています。

家で過ごす時間を慈しむようになり、2度目の夏を迎えました。暮らしを彩る名品と、その向き合い方までアップデートする…そんな絶好の機会ととらえてみませんか? ナビゲーターは松浦弥太郎さん名品との対話を尊ぶことで生まれる、真の豊かな暮らしへ―。

今回のテーマは「愛おしむ」。松浦さんも心から愛おしいと感じる「Steiff(シュタイフ)」のテディベアをご紹介します。

「Steiff(シュタイフ)」のテディベア

名品_1,帽子_1,小物_1
■1:ハット¥58,300(ボルサリーノ ジャパン)、■2:テディベア『ライナス』¥61,600・■3:テディベア『ハンナ』¥36,300(シュタイフ青山)

1880年「子供には最良のものこそふさわしい」をモットーにドイツで創業したシュタイフ。写真の2体は環境問題に配慮した新シリーズ『テディーズ フォー トゥモロー』。ボディ素材にはヘンプ、リネンなどの天然資源を、詰め物には木毛を使っている。

「何も言わずに見守り、寄り添ってくれる」( 松浦弥太郎)

「辛いことがあってずっと我慢が続いているとき、なぜだか心がどんよりして元気が出ないとき、もの言わぬ物がそばにあるだけで、心が救われることがあります。それがぬいぐるみ、なんていうと子供っぽいでしょうか。

もうこれらで遊ぶことも依存することもないけれど、誰にも見せたことのない弱い自分を、何も言わずに見守り、寄り添ってくれる。そんな存在が僕には必要だし、心から愛おしいと感じるのです。

シュタイフのテディベアは、最高級の素材を使用し、昔から変わらぬ製法と技術で丹念につくられた一流の工芸品。だから幼い印象にならず、風格まで漂わせているのだと思います。

物を『友達』のように愛おしむ。その尊さを、僕は彼ら彼女らから学んだのです」(松浦さん)

松浦 弥太郎さん
エッセイスト
(まつうら やたろう)2006年から『暮しの手帖』編集長を務める。2015年よりウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げ、現在「おいしい健康」共同CEO。10月29日より、初監督ドキュメンタリー映画『場所はいつも旅先だった』が公開予定。

※掲載した商品は、すべて税込みです。

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PHOTO :
本多康司
STYLIST :
来住昌美
WRITING :
本庄真穂
EDIT&WRITING :
兼信実加子、喜多容子(Precious)