Something Preciousを日々探している秋山都さん。今回は軽井沢のお隣、御代田にオープンした「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」へ。森のグラン・オーベルジュで失いかけていた元気を取り戻しました。

旅は、モノは、人生を励ましてくれるもの

ここしばらく、私的に落ち込むことがあり、自分の殻に閉じこもっていました。ネガティブなことばかりが頭に浮かび、負のスパイラルに落ちそうになります。

そんなとき、私がいつも思い出すのは自分がかつて最高に幸せだと思った瞬間のこと。たとえば大好きだった人と旅したハワイ島の星空や、北軽井沢の山中で風に吹かれた紅葉が雨のように降りしきるなかを馬で駆けた日のことを脳内再生し、深呼吸をひとつ、ふたつ……するうちに、心の均衡を少し取り戻せるようです。

そんなとき、こうも思うのです。あのときちょっと無理して出かけてよかった。お金や、スケジュールなどいろいろ繰り合わせる必要はありましたが、その後何度も思い出し、反芻し、その都度自分を励ましてもらっているから、決して高い買い物ではなかった、と。

同じことは高価なジュエリーや時計、バッグなどにも言えるのかもしれません。それ自体の物質としての価値は有限ですが、そのモノが私の生活やその後の人生にもたらしてくれたことの価値は無限です。だから、たまには贅沢してもいいじゃない。

そんなことを「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」に宿泊した朝、テラスでコーヒーを淹れながら考えていました。

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ヴィラ9棟を含む全37室あるすべてのゲストルームにコーヒーミルとハンドドリップのコーヒーメーカーが備えられている。豆は地元産の「珈琲焙煎工房 豆玄」によるもの。

「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」は21年5月にオープン。御代田とは軽井沢のいわば隣町のような位置関係にあるエリアです。最近、コロナ禍により移住熱が高まるなか、御代田にも御代田写真美術館ができたり、クリエイターやフリーランサーが移住することで町が活気づいていると聞きました。注目のエリアです。

THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田

そんな御代田、浅間山の麓に今年3月オープンしたのが「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」。奈良、賢島、熱海、箱根、沖縄、京都に続き、「ひらまつホテルズ」による7つめの施設です。

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4~5階にあるスカイビューの客室(デラックスツインタイプ)。
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すべての客室にはテラスと半露天風呂になる温泉バスルームを用意。

その大きな特徴はふたつあり、まずはお部屋が広い! すべての客室が100m²超(テラス含む)のため、ゆったり。自宅より広いお部屋にワクワクして、無意味にベッドのまわりをグルグルしたりして(笑)。

次に、すべてのお部屋にテラスと半露天になるバスルームが備えられています。私が泊まった4階の客室では窓を開ければ外の樹々がサワサワと風になびくさまがよく見えて、まるで森林の中で入浴しているような気分に。

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先般完結した宮本輝氏の『野の春―流転の海 第九部』(新潮文庫)をお供に長風呂。窓を開ければ外気が入ってくるのでのぼせず、心地よく読書できました。

入浴後、「アペリティフを外でいかがですか?」と広報の伊東綾子さんにおすすめいただいき、敷地のなかをぶらりお散歩。

東京ドーム1.5個分という敷地には、山を切り拓く際にあえて残したという樹々が多く茂っており、四季折々の姿を見せてくれます。私が滞在したときにはヤマボウシが白く清らかな花をたくさん咲かせていました。

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散歩の途中で発見した、シェフが日々使う野菜やハーブ類を栽培している温室。ここでサラダバーしたい!
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童心に帰って焼きマシュマロ。ああ楽しい。

散歩のゴールはこの「TAKIBIラウンジ」。雨天の日をのぞいて毎日、焚き火をおこすこの野外ラウンジで、燃えさかる炎を眺めながらアペリティフをいただきます。

初夏とはいえ、夕暮れの御代田はまだ少し肌寒いので、私はホットワインを。一緒に出かけたイラストレーターの友人、進藤やす子さんはサングリア。ふたりとも黙って炎を見つめていたら、あっという間に時間が経ってしまいました。

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メインダイニングの「ル・グラン・リス」。
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この日のコースディナーより前菜の「鮎 クレソン プラリネ」。最近このように食材だけ並べるメニュー表記がトレンドですね。

さて、夕食へ。「森のグラン・オーベルジュ」と称される「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」ですから、そのディナーはもちろんフレンチ。

2011年に渡仏し「レストランひらまつ パリ店」でも研鑽を積んだ柳原章央シェフが、2年をかけて生産者を訪ね歩き、厳選したという信州産の食材を中心に、繊細でオーセンティックなお料理をいただけます。

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旅先のディナーで私が重宝しているディオールのクラッチと、ティファニーのフレッシュウォーターパールネックレス。長さが2m超なので着け方次第で印象が変えられるから便利。旅支度ではこのクラッチの中に入れて持ち運ぶ。

食前にはHIRAMATSUのネーム入りシャンパーニュ(ドゥラモットでした♪)、食中に美味しいシャルドネ、そして食後にはカルバドスをいただき、ほろ酔いで熟睡した私の8時間後が冒頭の、テラスでコーヒータイムというわけです。

コーヒーは自宅で毎朝淹れていますが、粉を入れてポンと押し、出てくるだけのコーヒーを飲むのと、森の清冽な空気を吸いながらコーヒーを挽き、ゆっくりとハンドドリップで淹れるのでは、その味わいがちと違う。

深呼吸しながらコーヒーが落ちるのを待つ内、少し元気になった自分に気づいた、という次第です。

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「ドッグ・ヴィラ・スイート」のリビングルーム。専用のドッグランも備えられている。

申し添えておくと、この「THE HIRAMATSU KARUIZAWA MIYOTA」では愛犬を連れて宿泊できる「ドッグ・ヴィラ・スイート」もあるほか、乗馬体験もできます。私は残念ながら今回乗馬ができなかったのですが、かつて北軽井沢で私を乗せてくれた愛馬ムーン号の写真を載せておきましょう。

一瞬の想いや光景が、その後の人生を長く励ましてくれるということがあるから、落ち込んでばかりではいられません。今日も楽しく、Something Preciousを探しに行ってきます。

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エンデュランス競技全日本選手権で120キロレースをともに戦った愛馬ムーン号。北軽井沢、照月湖の湖畔にて。
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「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」

問い合わせ先

  • THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田
  • 住所/長野県北佐久郡御代田町大字塩野375番地723
    アクセス/東京から関越自動車道佐久IC経由 約2時間30分
  • 交通/北陸新幹線JR「佐久平駅」から車で約20分。もしくは長野新幹線JR「軽井沢駅」で乗りかえ、しなの鉄道 「御代田駅」から車で約10分。

この記事の執筆者
女性ファッション誌や富裕層向けライフスタイル誌、グルメマガジンの編集長を歴任後、アマゾンジャパンを経て独立。得意なジャンルに食、酒、旅、ファッション、犬と馬。
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WRITING :
秋山都