雑誌『Precious』表紙キャラクターの大政 絢さん。花のある生活を心掛けているという大政さんが「花上手」を目指して、話題のフローリストに新たな花の楽しみ方を教わります。

今回は、「farver」主宰のフローリスト・渡辺礼人さんに、「和の空間に合う花の生け方」を伝授していただきました。

渡辺礼人さん
「farver」主宰・フローリスト
中目黒の「farver」には、生産者にもこだわった、旬の花がセンスよく並ぶ。「和のテイストを演出するには、曲線を描く、球形の花器がおすすめです。今回使用した花器は、根強い人気をもつ、イタリア・トスカーナ発の『クリスチャンヌ・ペロション』の作品。大自然から着想を得た豊かな色や優しい風合いが、和空間ともマッチします」

和の空間に合う、風情を感じる花の生け方

花_1

Flower Data:ベアグラス、グラミネ数種、パニカム「チョコラータ」、パープルファウンテングラス、小麦の仲間、セルリア「プリティピンク」、テマリシモツケ、バラ「エヴァンタイユドール」


AYA's Question:「なじみのある洋花を中心に、和のテイストに仕上げるには?」

「和の空間にいると、不思議と心が落ち着き、清々しい気持ちになります。生け花や茶道といった、日本ならではの伝統文化にも興味があるので、今月は和の要素を取り入れた花の楽しみ方を知りたいです」(大政さん)

Florist's Answer:「優雅なしなりや、静寂を物語る余白を意識的に取り入れて」

「枝物や大輪の花といったハードルの高いものではなく、親しみのある花材でも、和風に仕上げることは可能です。どこか情緒のある『和の心』や『禅』を表現したいときには、余白のとり方にこだわることが重要。何もない無の状態に尊さを感じることができる、日本特有の感性を生かしましょう。

また、横広がりのラインをつくることもポイントになります。写真の生け方のコツは、壺のような花器の両サイドに大きくしなるグリーンを生けて、アシメトリーなラインに仕上げたこと。波打つような流線のシルエットをつくり、中央部分に余白という「間」をつくれば、和空間に溶け込む雰囲気に仕上がります。

茎の生命力や、草木のしなりを愛おしいと感じるのも、和文化ならではの視点です」(渡辺さん)

 

「秋の風情が広がるような、落ち着いた彩りにまとめることでも、四季の移ろいを愛でることができますね」(大政さん)

問い合わせ先

farver

PHOTO :
川上輝明(bean)
EDIT&WRITING :
川口夏希、小林桐子(Precious)
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