ファッションの価値観が大きく変わりつつある今、改めてものづくりの原点に触れる連載企画がスタート! 第1回は、ブランド誕生175周年を迎えたスペインの名門「LOEWE(ロエベ)」です。今季リローンチを果たした『アマソナ』バッグをつくる工房から、進化するクラフツマンシップの魅力をたっぷりお届けします。

伝統と革新が織りなすロエベのモダンクラフト 

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フォルムが丸みを帯びて、ぐっとミニマルな表情に生まれ変わった『アマソナ』バッグ。繊細なディテールのひとつひとつに、モダンクラフトを掲げる「ロエベ」のものづくりと美意識に溢れて。

なぜ、私たちは「ロエベ」の手仕事に心を動かされるのか…

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バッグのハンドルは、「ロエベ」の伝統的なクラフトを象徴するパーツ。今も高度な技術を有する職人の手技によって完成。上質を知る女性たちが思わず唸る、手に握ったときの吸い付くような感触は別格の境地

皮革職人のエンリケ・ロエベ・ロスバーグが、1846年にスペインのマドリードで革製品の工房を開いたことから、「ロエベ」の輝かしい歴史は幕を明けました。エレガントで質の高いレザーアイテムは、瞬く間に上流階級の女性たちを虜に…。

その実直なものづくり精神は、今はマドリード郊外にある工房で日々技術を磨くアルチザン(職人)たちにも確実に受け継がれています。そしてロエベの中核を担うクラフツマンシップは、2013年、ジョナサン・アンダーソンがクリエイティブ ディレクターに就任して以来、さらなる進化を遂げました。

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左/『アマソナ』に使用されるナパカーフは全6色。新素材とのバランスも新鮮!、中/職人が一枚一枚丁寧に、アナグラムを刻印、右/繊細なパーツこそ手作業で入念に

“モダンクラフト”を打ち出す彼のクリエイティビティの源は、伝統と革新の融合。そのモダンなアプローチから生まれるデザインを実現するには、アルチザンの手技と、最新鋭のテクノロジー、どちらが欠けてもなりません。

人の手の温もりが感じられる革新的なレザークラフトの魅力は、今年、ブランド誕生175周年を機にリローンチした『アマソナ』バッグにも見られます。持ちやすさを左右するハンドル部分はその代表例。熟練のアルチザンによる巧みな手仕事は、失われつつあるクラフトの感覚を呼び覚ましてくれる重要なディテール。

私たちが「ロエベ」のクラフツマンシップに惹かれるのは、ラグジュアリーの本質を教えてくれる、かけがえのない存在だからなのです。

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道具入れに表れる丁寧な仕事の証!

新『アマソナ』にも、繊細な職人技が満載!

女性の社会参加が進む1975年、「ロエベ」は一日の仕事に必要なものが収納できる、マチ幅がたっぷりとられた『アマソナ』バッグを発表。新しい時代に向かう女性たちの象徴的アイテムとして、不動の地位を確立しました。

そして2021年の秋冬ランウェイコレクションで、『アマソナ』バッグは再び生まれ変わりました。「ディテールの細かい変化こそが、バッグをより洗練されたものにする」と語るジョナサン・アンダーソンの言葉には、過去への敬意と、未来への強い意志が感じられます。

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『アマソナ19スクエア』[縦18×横20.5×マチ11.5cm]¥328,900・『アマソナ28』[縦18×横28×マチ11cm]¥431,200(ロエベ ジャパン)

これまでバッグを象徴的に縁どっていたトリミングは、内縫いによってミニマルに。フォルムも丸みを帯びて優しい印象が漂います。素材はクラシックカーフよりも軽くしなやかで、伸縮性に優れたナパカーフを採用。最大5色の糸でアナグラムパターンを表現した新素材、「コットン ブレンド キャンバス ジャカード」バージョンも登場しました。

これまで以上に応用力が広がった、新『アマソナ』バッグ。多様な時代を象徴する、新名品になることは間違いありません!


【Column│ブランドのルーツに触れる旅】スペインの至宝! 「ロエベ」誕生の地、マドリードを訪れたら「カサ ロエベ」へ

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高級ブランドショップが建ち並ぶ、セラーノ通りとジェノヴァ通りが交わる一等地に位置。ショップは地下1階から2階までの3フロア構成。上階はブランドの本部に

「ロエベ」の魅力が詰まった旗艦店で、ファッション、アート、建築に触れる!

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店内の壁面を象徴的に飾る全長6m超の版画は、イギリスの画家・版画家、ハワード・ホジキン卿の作品

スペインの首都・マドリードは大都市の機能を備えながら、今も中世の面影が残る情緒豊かな街。面積は東京の1/3ほどですが、知的好奇心をくすぐる名所も数多く、なかでも年齢や経験、知識を重ねるたびにその見え方がおもしろいように変わるアート巡りは人気。今年7月には、膨大な歴史のレガシーに出合える国立「プラド美術館」を含む地域全体が、文化的景観に属する「ユネスコ世界遺産」に登録されました。

そんな魅力溢れるマドリードで必ず立ち寄りたいのが、「ロエベ」の世界最大級の旗艦店「カサ ロエベ」です。19世紀の建造物をリノベーションしたショップは、国産の天然素材が使用されたモダンな設え。アート活動にも情熱を注ぐジョナサンが選んだ作品の数々も、私たちの目を楽しませてくれます。

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店内に飾られたイギリスの芸術家、リチャード・スミスの作品。帆布を用いた作品が特徴

ブランド誕生の地でしか味わえない特別な空気感に包まれながら、「ロエベ」の最新コレクションに触れることができるのは貴重な経験! いつの時代も美しいものには人々を癒やすパワーがあることに、マドリードを訪れたらきっと気付かされるはずです。

SHOP DATA

  • TEL:+34 91 577 605
  • 住所:Serrano,34 Madrid 28001 Spain
  • 営業時間:11:00~20:00
  • 休業日:日曜


※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

ロエベ ジャパン クライアントサービス

TEL:03-6215-6116

PHOTO :
戸田嘉昭(パイルドライバー/静物)
EDIT&WRITING :
兼信実加子、佐藤友貴絵(Preciuos)