身長156cmのインテリアエディターDが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。ミッドセンチュリーやワークチェアの名作を数多く抱え、理想的な働く環境の研究結果や提案を発信し続けているハーマンミラーから、「イームズアルミナムグループ ラウンジチェア」をご紹介します。

仕事場と暮らしの機能の両方が家に求められるようになった今、オフィス空間が本来持っていた “風格”や“ほどよい緊張感”が恋しいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

見た目は端正でクールな知性を感じさせながらも、ハンモック構造がつくる“リラックス感”が同居する「イームズアルミナムグループ ラウンジチェア」ならば、「くつろぎは欲しいけれど凛とした佇まいのハンサムなインテリアが好き」な方にも「最小限のもので暮らしたい」方にもおすすめです。本記事では、その魅力をさまざまな角度からご紹介いたします。

サステイナブルでタイムレスなデザインが魅力のラウンジチェア

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【ブランド】ハーマンミラー 【商品名】イームズアルミナウムグループ ラウンジチェア(ヘッドレスト・チルト機構付) 【写真の仕様の価格】¥347,600 【サイズ】幅655×奥行き820 ×高さ985×座面高370(mm) 【材質】ベース&フレーム:アルミバフ、ファブリック

「イームズアルミナムグループ ラウンジチェア」は、往年の旧車のようなアルミダイキャストの端正な素材感が目を引く一脚。そしてバフ仕上げのにぶい艶が経年するほどに味わいを増し、愛着を育みます。

軽量でありながら耐久性にも優れているアルミニウムは、環境にも優しく61%が再生素材で作られ、インテリアとしての寿命を終えた後は88%がリサイクル可能。フレームに挟まれた約5cmピッチでリブが施された座面は、もたつきを感じさせずすっきりとした優美なカーブを空間に描きます。360度スムーズに回転する脚は、床を塞がない形状なのでお部屋を狭く見せることなく設置できるという効果も。

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インテリアをハンサムに仕上げてくれる構造美と素材感。

無駄な装飾のない構造美は時代を超え、真の意味でサステイナブル。現代のインテリア空間でも機能的にかつクラシックな輝きを放ち、今再び新しい魅力を感じさせるデザインです。

アウトドアのリラックス感をインテリアで叶えるハンモック構造

もともと1958年に屋外向け製品としてデザインされた「イームズアルミナムグループ ラウンジチェア」。開発当時はメッシュ素材のシートをアルミフレームに挟んでピンと張るものでした。現在では、アウトドアのリラックス感はそのままに素材を変え、シックな装いとなっています。

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発売当時「シェル構造の椅子は硬いもの」という従来の常識を覆し、高度な技術的成果を達成した「イームズアルミナムグループ ラウンジチェア」。
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こちらは現行モデル。アウトドアシーンにも映えるとは意外!

ハンモック構造なのでお尻が包まれるようで心地よく、傾斜した高めの背もたれに頭を預けることができとても快適です。座っている本人はリラックスしていても、傍目からはきちんとした姿勢に見えるのが嬉しいですよね。

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両脚をしっかりとつけても浮遊感が失われない寸法体系。
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アームがほっそりしているので、あぐらもかける広い座面。

よりくつろぎたいときは、傾斜の強度を簡単調節!

スペースに余裕があり、もっとくつろぎたい方にはお揃いのオットマンもあります。オットマンはラウンジチェアに対して高さがあり、少し足をあげる姿勢で着座できます。血行が促されて気持ちいいので、無理なく後傾できるように座面の傾きやすさの強弱を調節しましょう。

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座ったまま後ろに手を回して届く位置に、調節できるハンドルがあります。
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ハンドルを時計回りに回すと硬く、反対回しで緩めることができる仕組み。

遊び心と機能性を備えた「イームズ」のデザインを愛用する満足感

ハーマンミラーはイームズオフィスから制作・販売を許可された唯一のメーカーです。ハーマンミラーストアおよび正規代理店でご購入されたものはシリアル番号によって管理されており、12年間の保証がつきます。

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座面下のタグとシリアル番号、そして写真には写っていませんがシールが“本物”の証。

ハーマンミラーとイームズ夫妻との関係は、成形合板で制作したチェアを1940年代後半に発表したことに始まります。そのなかには、本連載の初回にご紹介したニューヨーク近代美術館の永久収蔵品にもなっている「イームズラウンジチェア」が含まれています。

【関連記事】イームズの「ラウンジチェア」で美しくリラックス

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ミッドセンチュリーを代表する家具を多くデザインした、チャールズ&レイ・イームズ夫妻。

成型合板をきっかけにファイバーグラス素材の座面を開発、ワイヤーメッシュを家具に用いるなど、夫妻は時代を先取るような素材使い家具を製作してきました。二人は、アートと科学、デザインと建築、プロセスと製品、スタイルと機能を結合させる仕事を好みました。革新的な建築システムで建てられたイームズハウスの保全にもハーマンミラーは貢献しています。


以上、ハーマンミラーで展開されている「イームズアルミナムグループ ラウンジチェア」についてご紹介しました。

デザイン史に残る名作の“本物”を、日常生活で愛用する喜びを味わってみませんか? きりりとハンサムな姿を保ちつつも自由な気持ちでリラックスできたら、きっと毎日が変わるはずです!

※掲載した商品の価格は税込です。

※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM