各メゾンの個性を堪能できる、銀座&表参道の新ブティック

2021年12月、時計ファンを喜ばせる名門ウォッチメゾンの新店が、2軒続いて東京にオープンしました。

ひとつは、銀座の晴海通り沿いに位置するヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTAN)の旗艦店です。銀座四丁目交差点にほど近く、ラグジュアリーブランドが軒を連ねる最高のロケーションに誕生した銀座本店は、266年間、途切れることなくラグジュアリーウォッチをつくり続ける老舗マニュファクチュール初の東京出店。歴史あるブランドから誕生するラグジュアリーピースとの距離をぐっと縮める役割を果たします。

もうひとつは表参道のケヤキ並木に面したウブロ(HUBLOT)です。1979年に誕生したメゾンが翌年に発表した時計にはラバーストラップがあしらわれ、時計界に多大な衝撃を与えました。「アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)」を掲げるブランドらしく、最新ファッションを謳歌する表参道の街の雰囲気と見事にマッチ。解放感溢れる店内には直接触れることのできる最新モデルなどが並び、ウブロファンならずとも心が引き寄せられます。

ともに世界中のセレブリティたちがこよなく愛するタイムピースが集結する旗艦店。それぞれの魅力と、店舗を訪れたらチェックすべき名品タイムピースを、ジュエリー&時計ジャーナリストの本間恵子さんが語る注目ポイントと共にお伝えします。

本間恵子さん
ジュエリー&時計ジャーナリスト
(ほんま けいこ)東京都出身。武蔵野美術大学を卒業後、某宝飾メーカーでデザイナーとして勤務し、その知識を生かしてジュエリー専門誌のエディターに転身。その後フリーランスとなり、国内外の見本市や展示会を取材して、モード誌やアートマガジン、新聞などに寄稿。トークショーやテレビコメンテーターなどをこなしながら、アンティークジュエリーの研究も行っている。夫は建築家。好きなもの:バンドデシネ、マンガ、美術史、トールキンの著作。

アイコンのマルタ十字が導く「ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店」

晴海通りの銀座四丁目界隈を歩くと、ひときわ目立つリボンをカットしたような、大きな変則十字マークに目が留まるはず。これはヨーロッパでも見かけることが多いマルタ十字。中世ヨーロッパの三大騎士修道会のひとつ、聖ヨハネ騎士団(別名マルタ騎士団)の象徴として、現在でも使用されています。

この十字とヴァシュロン・コンスタンタンが開発した時計のパーツの形がよく似ていたことから、1880年にメゾンのロゴとして商標登録されました。

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晴海通りに面した「ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店」。

大きなマルタ十字=メゾンのロゴマークが外壁に輝く2フロアで構成された「ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店」。基調となるベージュやゴールドにアクセントとしてダークブルーや赤を施したスペシャルな空間は、メゾンが掲げている「Classic with a Twist (伝統的でありながら遊び心がある)」が見事に体現され、シンプルな時計から複雑機構のタイムピースまで全コレクションが揃っています。

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1階には現行モデルだけでなくヴィンテージピースを展示。

これまでは年に1、2回開かれるイベント等でしか拝見できなかった貴重なヴィンテージアイテムが常に6〜8アイテム展示される“レ・コレクショナー”をはじめ、2階の“ウォッチメイキングベンチ”には熟練の時計師が常駐し、作業風景を見ることもできます。

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2階にある “ウォッチメイキングベンチ”。

また、ウォッチメイキングベンチの横にある最新のツールを設けたカスタムストラップステーションでは、ベルトやステッチの色のカスタマイズや、エングレービングのサービスも充実しており、ヴァシュロン・コンスタンタンの世界観をたっぷりと堪能できます。

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ストラップのステッチの配色などの相談も可能に。

「とても目立つスタイリッシュなファサードですから、銀座の新たなランドマークとして話題になっています。並木通りにあるこれまでのブティックも継続してオープンしているのですが、こちらの新しい本店のほうが明るくて入りやすい雰囲気になっていると思います。

このメゾンは1755年(あのマリー・アントワネットが誕生した年!)に創業した世界最古クラスの老舗中の老舗ですから、時計について深く知りたい人は、この店でスタッフにいろいろとたずねてみるといいでしょう」(本間さん)

「ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店」の注目タイムピースは?

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「エジュリー・オートマティック」¥3,718,000 ●ケース:ピンクゴールド×ダイヤモンド ●ケースサイズ:直径35mm ●ダイヤル:ピンクゴールド×タピスリー技法 ●ストラップ:アリゲーター(付け替え可能な3本) ●ムーブメント:自動巻き

同心円のプリーツが描かれたエレガンスを極めるデザイン

銀座本店を訪れる際に必ずチェックしていただきたいタイムピースが、「エジュリー・オートマティック」。文字盤に描かれたプリーツ模様から女性を魅了にする美しい輝きが放たれる名品です。これは、1900年初めにつくられたマシンを使いながら、同心円のプリーツを描くように職人が手作業で仕上げたもの。リュウズにはムーンストーン、1-2時位置のダイヤモンドで囲まれたサークルには日付表示が配され、メゾンのこだわりが凝縮しています。

うれしいことに、1本の時計に対し、アリゲーターストラップのピンク、ネイビー、ブラウンの3本が同梱され、自身で簡単に取り換えられる仕様に。この3色があれば、多様化した着こなしをすべてカバーできます。たとえばスイートなピンクを辛口なジャケットスタイルへ。ネイビーならば、ハイゲージのニットやシャツと併せて引き締め役を。ブラウンならばカジュアルスタイルをランクアップさせる役目など、大活躍すること間違いなし!です。

「リュウズや日付表示の小窓が1時と2時の間にレイアウトされているのが目を引きます。1838年に作られた女性用の懐中時計も、同じようにアシメトリーなデザインになっているのです。また、文字盤のディテールはオートクチュールの手仕事にオマージュを捧げていて、長くほっそりとした針は刺繍針をイメージしているとのこと。メンズウォッチをただ小型化したのではなく、女性たちのために本気で作りこんだ時計なのだと感じます」(本間さん)

店舗情報

  • ヴァシュロン・コンスタンタン 銀座本店
    住所/東京都中央区銀座4-3-9 天賞堂ビル1階、2階
    営業時間/12:00〜20:00(月曜〜日曜)
    TEL:03-6862-1755

問い合わせ先

ヴァシュロン・コンスタンタン

TEL:0120-63-1755

“フリー アクセス ディプレイ”を楽しみたい「ウブロ表参道ブティック」

表参道を通りかかると、思わず見惚れてしまうほどアーティスティックな新名所となった「ウブロ表参道ブティック」。ここにはウブロらしいアイデアやアプローチが詰まっています。

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表参道の通りに面した「ウブロ表参道ブティック」。

店内はグレーやベージュのシックな色を基調に、色彩豊かなポップアートが配され、滞在しているだけで心が浮き立つようです。しかも、これまで圧巻のタイムピースコレクションをガラス越しでしか眺めることができませんでしたが、ここは“フリー アクセス ディプレイ”を採用。直接見て、触れることが可能なショップとなっています。

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自然光がたっぷりと入る1階フロア。

「え? あの時計にも?」と思う方は、ぜひとも訪れてください。「あの時計」をリアルに店頭で腕に合わせられます。この気軽さはラグジュアリーウォッチの世界では希少。ブランドポリシーに“アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)”を掲げるメゾンらしく、時計界の人たちの発想を遥かに、そして軽々と越えて、ウォッチ愛好者との距離を縮めました。

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“フリー アクセス ディプレイ”でじっくりと本物と触れ合って。

2階は国内初のストラップ&アクセサリー専用フロアです。ストラップコレクションは、ラバー、レザー、ファブリックなどさまざまな素材とベーシックから鮮やかなカラーまで揃っています。またサングラスやペンなどの豊富なアクセサリーも、こちらで購入することができます。刺激的なウブロ・ワールドを表参道でたっぷりと味わってみてはいかがでしょう。

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2階にはバリエーション豊かなストラップが並ぶ。

「村上隆さんなど現代アーティストたちとのコラボで知られるメゾンだけに、ブティック内にもポップアートを思わせるインテリアが飾られていて、気分が上がります。新たな試み“フリー アクセス ディプレイ”も画期的。ウブロのウォッチは実際に手に取ってこそ、そのよさがわかります。とても軽くてつけ心地のよいチタンのような素材もありますから、ぜひ試着してみてください」(本間さん)

「ウブロ表参道ブティック」の注目タイムピースは?

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「ビッグ・バン・ワンクリック」¥2,684,000 ●ケース:キングゴールド×ダイヤモンド ●ケースサイズ:直径33mm ●ダイヤル:マットブラック ●ストラップ:ラバー ●ムーブメント:自動巻き 

ワンクリックで表情を変えられる才能豊かなタイムピース

温かみのあるキングゴールドで象られた6本のビスとダイヤモンドが配されたケース、艶消しのベルベットを連想させるブラックダイヤル、ラバーストラップの組み合わせは、ひと目でウブロのタイムピースだとわかります。しかもコレクション名にあるように、ワンクリックで豊富なカラーバリエーションのストラップと交換できる仕組みです。

発表から揺るぎない人気を誇る理由は、本物志向の女性たちの心を捉える自社ムーブメントに加え、気軽にストラップを交換できること。そしてスポーティながらエレガントな個性を放っているところ。表参道の旗艦店の「フリー アクセス ディプレイ」で腕に合わせてみてください。その日のスタイルを選ばない秀逸なタイムピースだと納得できます。

「キングゴールドは、ウブロが開発した独自のピンクゴールドです。通常は純金に銅や銀を加えてピンク色を出すのですが、キングゴールドは銅にプラチナを加えているので、ピンクが鮮やかで美しく、経年による変色が少ないとされています。日本人の肌にとてもよくなじむ色合いなので、おすすめですよ」(本間さん)

店舗情報

  • ウブロ表参道ブティック
    住所/東京都渋谷区神宮前5-8-2
    営業時間/11:00〜20:00
    TEL:03-5468-5605

問い合わせ先

LVMH ウォッチ・ジュエリージャパン ウブロ

TEL:03-5635-7055


以上、「ヴァシュロン・コンスタンタン銀座本店」と「ウブロ表参道ブティック」の紹介とおすすめのタイムピースを取り上げました。

「ヴァシュロン・コンスタンタンは1755年創業の老舗。ウブロは1980年に創業した革新的なメゾン。それぞれに個性豊かなスタイルがあって、楽しませてくれます。店頭で試着をしてみたら、ぜひ全身を大きなミラーに映してみてください。似合うウォッチがよりはっきりとわかりますよ」(本間さん)

※掲載した商品の価格は、すべて税込です。

※外出時には新型コロナウイルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

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WRITING :
菅野悦子
EDIT :
谷 花生