ジェームズ・ディーンのファッションと言われて、多くの人が頭に思い浮かべるのが「マックレガー」の真っ赤なスイングトップ、「ヘインズ」の白T、「リー」のデニム『101Z Riders』といった『理由なき反抗』に登場する象徴的なスタイルだろう。何しろ実質的な活動期間4年、出演作は本作を含めて3作しかなく、遺作となった『ジャイアンツ』(1956)のクランクアップ1週間後に不慮の事故で命を落としたこともあり、オフショットを含めたプライベート写真をあまり目にする機会が少ないのも理由のひとつかも知れない。

ジェームズ・ディーンに学ぶ「マックレガー」の今っぽい着こなし方

ジェームズ・ディーン(C)Getty Images
ジェームズ・ディーン(C)Getty Images

しかし、前述のスタイルが多くの若者を惹きつけたのは、ディーンの特異なキャラクターと乖離(かいり)がない、つまり嘘に見えない格好だったからに他ならない。インディアナ州の農場で育った彼は、ハンフリー・ボガートやゲイリー・クーパーといった当時の銀幕のスターたちが、ハリウッド黄金期らしい正統派のテーラードスタイルで決めていたのに対し、粗野なレザージャケットをラフに羽織り、シャツのボタンを無造作に開けた自信のスタイルを貫き通したこともあり、まさにその姿は異端そのものであった。

ジェームズ・ディーン(C)Getty Images

特に当時はアンダーウエアであり、1枚で着ることを想定されていなかった白いTシャツを以降ファッションアイテムとして定着させたことは、常識を覆すという意味でも先駆的なスタイルアイコンであったことは間違いない。加えて、今なお“若者の象徴”と呼ばれるように、映画界のルールやお仕着せのマナーにおもねらない反骨的なマインドの持ち主だった証左とも言えるだろう。

【KEY ITEM】こだわりの“MADE IN USA”仕様。50’sのムードを取り込んだ「マックレガー フォー シップス」のドリズラージャケット 

ブルゾン¥44,000(シップス 銀座店〈マックレガー × シップス〉)
ブルゾン¥44,000(シップス 銀座店〈マックレガー フォー シップス〉)

『シップス』が継続的に展開している「マックレガー」とのコラボレーションによるドリズラージャケット。元を辿ればゴルファーが着用する小雨対策のスポーツジャケットという出自からも分かるように、撥水性を備えた生地やチンストラップ付きの襟元、逆玉縁ポケットなど、雨風の侵入を防ぐ機能的なディテールが随所に見て取れる。こちらは、“MADE IN USA”仕様の復刻モデルで、綿50%、レーヨン50%のファブリックや背裏のタグなど、1950年代当時の意匠を忠実に再現している。

シップス 銀座店

モノトーンでまとめ、シックに装う“2022年度版”『理由なき反抗』スタイル

ブルゾン¥44,000〈マックレガー × シップス〉・スカーフ¥22,000〈シップス〉/シップス 銀座店、ニット¥27,500(エスディーアイ〈グランサッソ〉)、パンツ¥28,500(トヨダトレーディング プレスルーム〈ラルディーニ〉)、ベルト¥20,900(ルートウェブ〈アンダーソンズ〉)、ブーツ¥42,790(レッドウィング・ジャパン)、サングラス¥23,980(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス)
ブルゾン¥44,000〈マックレガー フォー シップス〉・スカーフ¥22,000〈フラッテリ ルイージ〉/シップス 銀座店、ニット¥27,500(エスディーアイ〈グランサッソ〉)、パンツ¥28,500(トヨダトレーディング プレスルーム〈ラルディーニ〉)、ベルト¥20,900(ルーツウェブ〈アンダーソンズ〉)、ブーツ¥42,790(レッドウィング・ジャパン)、サングラス¥23,980(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス)

若者ならではの無軌道な言動や、揺れ動く繊細な心の機微を描いた『理由なき反抗』だが、今回は、成長するための通過儀礼を終えた大人向けのコーディネートを提案したい。とはいえ、やはりアイコニックな「マックレガー」のジャケットは外せないだろう。カラーはレッドだとやや50sライクに振り過ぎるのでシックなブラックをチョイス。実のところ、後年の研究でディーンが着用していたのはドリズラーではなく、同じ「マックレガー」の『ナイロン・アンチ フリーズ』だったと言われている。今回は史実に反して、春夏向けの装いを意識してボアライニングを排した軽やかなドリズラージャケットに置き換えている。

インナーにTシャツ1枚だと、どうしても作業服っぽくなるのを避けるため「グランサッソ」のヘンリーネックと黒×ブルーのドットを配した「フラテッリ ルイージ 」のストールで首元にニュアンスをプラス。ストールを加えるだけでガラッと雰囲気が変わるので、同様にワーカーっぽく見えがちな「バラクータ」の『G9』ジャケットなどにもテクニックを応用できそうだ。

パンツはブルーデニムではなく、「ラルディーニ」のスラックスをチョイス。2タック仕様のゆとりのあるシルエットは、ジャケットとのバランスも取りやすく、何よりモノトーンでまとめることでぐっと洗練されたムードを後押しする。

シューズは、ディーンが愛用していたエンジニアブーツではなく、「レッドウィング」の『#9870』を選択。『アイリッシュセッター』の名で90年代にトレンドを席巻したモデルの復刻版は、ホワイトソールの効果もあってモノトーンスタイルに軽快な印象を付与する。

加えて、強度の近視だったため、プライベートではいつも眼鏡にクリップオンサングラスを装着していたディーンに倣って同じボストンタイプをアクセサリー的に取り入れた。ベルトはイタリアの専業ブランド『アンダーソンズ』をセレクト。バックルとプンターレのシルバーが腰元からチラリと覗けば大人の色香を演出してくれる。型にハマることなく独自のスタイルを貫いたディーンをオマージュするなら、定番のアメカジとは趣を異にする「マックレガー」の着こなしも理に適っているはずだ。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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PHOTO :
島本一男(BAARL)
STYLIST :
河又雅俊
WRITING :
佐藤哲也