「会社の最大のリソースは人材である」などと使われる「リソース」という言葉。よく知られている「人・モノ・金」といった有形のもの以外も含まれることはご存知ですか? 今回のテーマは「リソース」。曖昧な記憶を正確な知識にするためのビジネス語講座で、一緒に学びましょう!

【目次】

会社における最大の「リソース」は人材です!
会社における最大の「リソース」は人材です!

【「リソース」ってどういう「意味」?「基礎知識」の確認です】

■「リソース」は主に「資源」と訳されます!

「リソース」は、「供給源。資源。財源」といった意味をもちます。英語の[resource]からきたカタカナ語です。

■ビジネスシーンでは「人・モノ・金」が代表ですが……。

「資源」と聞くと、石油などの天然資源を連想しますが、「リソース」はそれだけでなく、ビジネスを進めるうえで必要となるすべての要素が含まれます。

ビジネスシーンでは、会社経営の基盤となる人材や物理的な原料・備品など有形のもの(=人・モノ・金)はもちろん、「無形資産(著作権や情報、ノウハウ、時間など)」を指して使われます。

ITの分野では、コンピューターが稼働するために必要なハードウェアとソフトウエアの環境を指します。

ちなみに「リソース」の「ソース[source]」は「源」や「出所」を意味し、調味料のソース[sauce]とはスペルも違う別物です。

■「リソーセス」とは

「リソーセス」とは「リソース」の複数形[resources]です。「供給源、資源、財産」の意味で使用するときには[natural  resources(天然資源)]のように用いられます。


【「リソース」を別の言葉にすると?「言い換え」「類語」表現】

■資源  ■財源  ■資産  ■方策

■アセット

「アセット[asset]」は「リソース」同様、「資産」の意味ですが、「金銭」「土地」「証券」など、所持するだけで価値のあるものを表します。


【ビジネスでの「使い方」がわかる「例文」6選】

「リソース」の中核である人材は、「人的リソース」もしくは「ヒューマンリソース」と呼ばれます。新規のプロジェクトなどの始動には、「人材をやりくりして目的に割り当てる」ことが必要です。このやりくりを、「リソース」を「割く」と表現します。

■1:「社内の人的リソースをこれ以上消耗させないために、一時的に事業を縮小するのもやむを得ない」

■2:「設備もリソースの一部。従って『設備はあるのにリソースが不足している』という言い方は誤りだ」

■3:「今度のプロジェクトに必要な社内リソースをすべて洗い出してください」

■4:「わが社最大のリソースは、人材である」

■5:「新規プロジェクトの立ち上げには、リソースの確保が急務だ」

■6:「プロジェクトを円滑にスタートさせるために、各部署から人的リソースを割く必要がある」

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企業にとって人材が最大のリソースであるように、私たちがビジネスを効率的に、あるいは円滑に進めるために、長い時間をかけて培う「人脈」は宝です。名刺交換したあと、お礼のメール1通が、“出会い”を“リソース化”することになるかもしれません。丁寧なコミュニケーション、正しい言葉遣いを心掛けたいものですね。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『現代用語の基礎知識』(自由国民社)/『すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典』(PHP)/『これ1冊であとはいらない! 大人の語彙力大全』(中経の文庫)/『一生分の教養が身につく! 大人の語彙力強化ノート』(宝島社) :