街そのものが美術館のような北陸随一の観光地である石川県金沢市に、2020年8月に開業したライフスタイルホテル「ハイアット セントリック 金沢」。ハイアットとしては北陸初進出のホテルとのことで話題となりました。

金沢駅の目の前という絶好のロケーションに加え、館内随所に飾られたアートが話題となっています。

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駅のすぐ前という絶好のロケーション

今回、ライターがホテルに滞在。本記事では、美しい館内の様子をご紹介します。

金に漆……伝統工芸の廃材を活かしたアートの数々

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エントランス

ホテル内に飾られているのは、金沢にゆかりのある材料を使い、金沢にゆかりのある作家たちが手がけた作品。その数は100を超えます。

そんなアートに囲まれた空間との出会いは、エントランスから。足を踏み入れた瞬間、迎えてくれるのは美しいゴールドと深い青のコントラストが目を引く作品です。

使われているのは金沢で使われていた鉄の道具。遠目には黄金の松の木の絵に見えますが、近づいてみると、それぞれがさまざまな形をしたアイテムだとわかります。暮らしを支えてきた道具に、金沢の名産品のひとつ、金箔が施されているのです。

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さりげなく置かれたオブジェもアート作品

チェックインカウンターにさりげなく置かれたオブジェも昭和の名匠によるアート作品。なにも囲いがない状態で置かれていますが、よくよく眺めれば、繊細に作り上げられた細部に目を見張ること、間違いありません。

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金箔をのばすための革を再利用したアート作品

こちらの作品に用いられているのは、金箔を延ばすときに使われている革。三味線の胴に貼る革を再利用しているそうです。作品の上の白い部分は伸ばす作業の前の状態、下の黒い革が箔打ちに利用した後の状態の革とのこと。

1枚1枚、色のニュアンスが異なり、味わいのある白と黒のコントラストが美しい作品に。ひとつの革が、形を変えて、色を変えて、活躍し続けているのです。

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レストランにも大きなアート作品

レストランには食に関係する作品が登場しています。こちらのモチーフは、加賀野菜。レストランという食を楽しむ舞台で、美味しく食事をいただく。そんなシチュエーションが揃ってこそ完成するアート作品なのだそうです。

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アートに囲まれたバーでは、金沢の夜景とおいしいお酒を楽しめる

現在、土日祝前日のみオープンしているというバーにも、素敵なアートが目白押し。

こちらは漆を塗る前の器や未完成の木地、壊れたりしたものなどが集められた作品。使われている木箱は、かつて完成した漆器を入れていたものだそう。器たちが集う賑やかなアートも、夜のバータイムには、また違う姿で私たちを楽しませてくれます。

バーの窓からは、金沢の夜景。室内に目を向ければ、数々のアート。お酒と一緒に、非日常を満喫できるバーなのです。

金沢の文化を感じるアートと共に過ごす「カナザワ スイート」

館内のオープンスペースだけでなく、客室の中にもアートが存在します。今回見せていただいたお部屋は、館内最大の広さ96平方メートルを誇る「カナザワ スイート」。しかし、見どころはその広いスペースの随所に飾られた、目を見張るアートの数々です。

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カナザワ スイート/ベッドルーム

ベッドから少し目線を上げると、白一色に包まれた繊細な彫刻が空間を彩ります。ベースとなっているのは、金沢の小道具や集められた古い建具。白い色は塗料ではなく、白い和紙とのこと。紙に包まれた建具は、柔らかい陰影を見せてくれます。

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アート作品+金沢の景色と一緒にバスタイム

バスルームにも、アート作品が! 湯船に浸かりながら、夜になれば美しい夜景と共に、作品を鑑賞できるという贅沢な空間ができあがります。

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カナザワ スイート/リビング

大きな窓から見える金沢の景色と、室内を彩る様々なアート作品。歴史ある金沢の美しい町並みや文化を、滞在中に余すことなく感じ続けられる特別なゲストルームです。

隣接「ハイアット ハウス 金沢」のラウンジエリアでワーケーションも

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「ハイアット ハウス 金沢」のラウンジはワーケーションにもぴったり

隣接する「ハイアット ハウス 金沢」は、長期滞在にも適したホテルです。こちらの館内にも随所にアートが飾られています。ラウンジはワーケーションにもぴったりなコワーキングスペース。「ハイアット セントリック 金沢」とはまた違うアート作品を楽しみながら、仕事をすることができます。

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キッチン設備を整えた客室

長期滞在にも適しているので、ゲストルームは実用的な空間に。キッチンや洗濯機があるルームもあるため、本格的な長期ワーケーションの実現も可能です。

雰囲気の異なる施設なので、行き来することで気分転換にも。目的に合わせて使い分けられるのも魅力です。

「ハイアット セントリック 金沢」で一泊宿泊体験

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しっかりと広さがとられているキングルーム

今回、宿泊させていただいたのは通常のゲストルーム。こちらにも、入った瞬間、目を引くアート作品が。

ベッドの上にあるのは、金沢の路上を写し取ったもの。部屋によって色が赤か青のどちらかになっているのだそうです。

金箔が表しているのは、子どもが下駄を履いて歩いた足跡。ウキウキとした子どもの足取りが、楽しい旅を象徴しているかのようです。

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カウンターテーブルには電源やUSB差し込み口があり、デスクワークしやすくなっている

電源が設置されたカウンターテーブルのほかに、大きな窓から外を眺められる場所にはゆったりと座れるソファもあり、くつろいだ時間を過ごせます。

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アメニティはBee Kindで揃えられている

素材にこだわったアメニティや、ウォーターサーバーで水をつぎ足すことができる環境に優しいボトルなど、多くの人が気にするようになったSDGsの観点でも、細かなところまで配慮されていることを感じました。

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金沢駅ロータリーを見下ろすロケーション

目の前は駅。さらに、隣接するビルには飲食店も多く入っているので、食べる場所にも困りません。もちろん、ホテルのレストランで食事を楽しんでも。さらにチェックアウトは12時なので、朝から慌てることなくゆっくり過ごすことができました。

次回はもう少し時間を取って、ホテルに滞在して観光したのちに、「ハイアット ハウス 金沢」のラウンジで仕事をしてみたい。長く滞在して施設を楽しみ尽くしたいと感じさせる宿泊体験となりました。


駅前という、どこへでも移動しやすい最高のロケーション。加えて、長期でも短期でも、金沢のアートと文化をチェックインからチェックアウトまで、あますことなく体感できる非日常な空間は、旅をより思い出深いものにしてくれます。

金沢を訪れた際は、駅前のライフスタイルホテルで、アートに囲まれた滞在をしてみませんか。

※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

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この記事の執筆者
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WRITING :
ミノシマタカコ
EDIT :
小林麻美