まだ正式な結婚前のメーガン・マークル。既にハリー王子と一緒に行動する機会が増えているので、近ごろの着姿には正統派ムードが強まっています。過剰に飾り立てず、節度やエレガンスを香らせるスタイリングは、大人女性の参考になりそう。シックな色選びにもロイヤル感が漂います。
暖かいのに重たく見せないコートスタイル3選
■1:視線を引き上げる、ふんわりストールを無造作巻き
ヘンリー王子と一緒にラジオ局を訪問した際の装いは、グレー系のチェスターコートが主役。コート襟のとがったラペルがアイキャッチーな首周りに巻いたのは、ニュアンスグレーのふんわりストール。ニットマフラーはかさばって重たく見えがちですが、薄手のストールならフェミニンなムードに。空気をたっぷり含むような、無造作な巻き方が優しげな表情を引き出しています。

着丈の長いチェスターが重たく見えないのは、視線を引き上げるストール使いのおかげ。一方、ボトムスは黒パンツでシャープな印象に仕上げています。コートからのぞくブラックパンツがすっきりしたレッグラインを演出。色数を抑えたコーディネートもお仕事ルックに取り入れてみたくなります。
■2:コートをドレスライクに着こなす

かしこまったシーンにふさわしい装いを求められるのが王室のメンバーです。ヘンリー王子とカーディフ城を訪問したメーガンは黒系のワントーンでまとめた着こなしを披露しました。
注目したいのは、黒のコートをドレスのようにまとうスタイリング。黒でまとめると、沈んでしまいがちなのですが、ほのかに華やいで見えるのは、ウエストマークに使ったリボンが効いているから。サテン系の光沢を帯びたリボンは質感が異なり、コートルックにメリハリを生んでいます。

首周りにもストールをゆるく巻いて立体感を出しました。ワントーンの装いを、のっぺりして見せないためには、このような異素材を使った小技が有効です。細身のロングブーツでレッグラインを引き締めて、細感を強調。スエード調の風合いはノーブル感を添えています。アクセサリーなしでも寂しく見せないワントーン・コーデは、あらたまった場面でも使えるテクニックです。
■3:小物使いで視線を引き込む

程よい華やぎの演出方法も参考になります。クリスマス礼拝で教会を訪れたメーガンは、ベージュ〜ブラウン系のグラデーションで全体をまとめています。ベージュ系のコートはベルトで締めて、ドレス風にウエストマーク。

コートが全身をくるんでしまい、内側に着込んだ服が見えなくなるので、屋外の装いでは、アウターに隠れない小物類の使い方が重要になってきます。ベルトをリボン結びにしているのも効果的です。
さらに、帽子、グローブ、バッグ、ロングブーツを、コートよりもワントーン濃いブラウン系でそろえて、濃淡のリズムを効かせています。手首足首という、ボディーの中で割と細い部分に視線を引き込むと、細身に見せることができます。
結婚式、新婚生活を経るにつれて、さらに成熟を深めていきそうなメーガンルックには、この先も目が離せません。冬コートの着こなしを退屈に見せないうえで、今回ご紹介した小技は、装いに深みやオリジナリティーを加える効果が期待できます。春本番までまだまだ続くコートとのお付き合いの参考にしてみてはいかがでしょう。
Precious.jpでは、海外の王妃やセレブリティー、おしゃれなマダムなどの着こなしを紐解くファッション連載を毎週水曜日に掲載しています。こちらのページに、これまでの記事がまとまっています。是非、ご覧ください。
- PHOTO :
- Getty Images
- WRITING :
- 宮田理江
- EDIT :
- 石原あや乃