「翻弄」という言葉を聞いて、連想するワードはなんでしょうか?「運命」?それとも「時代」? 大きなうねりに抗うことができない、ドラマティックなストーリーが思い浮かびますね! 何かに振り回される状況のことを「翻弄される」と表現し、波瀾万丈な小説や恋愛ドラマで使われそうなワードです。今回はこの「翻弄」について学びましょう!

【目次】

「翻弄」は「大きな力のものが弱い小さい者を思うままに動かす」さま。
「翻弄」は「大きな力のものが弱い小さい者を思うままに動かす」さま。

【「翻弄される」を深掘りするための「基礎知識」】

■「翻弄」の読み方

「翻弄」は「ほんろう」と読みます。

■「翻弄」の「意味」と「使い方」は?

「翻弄」の「翻」は、「ひるがえ-る」「ひるがえ-す」と読み、「風にひらひらなびく」という意味があります。また「弄」は「もてあそぶ」と読み、「ほしいままにする」という意味です。
「翻弄」は「思うままにもてあそぶこと」「手玉にとること」を意味します。

「時代に翻弄される」といった使い方からもわかるように、「翻弄」は「大きな力のものが弱い小さい者を思うままに動かす」さまを表します。自分の意に反して行動や感情がコントロールできなくなり、振り回されることを、「翻弄される」と受け身のかたちで表現することが多い言葉です。また、「荒波に翻弄されるボート」のように、人以外を主語として用いることも可能です。


【「翻弄する」「翻弄させられる」は間違い?】

「翻弄される」と受け身で使われることが多い言葉ですが、「素早い動きで相手を翻弄する」のように、「翻弄する」としても間違いではありません。
ただし、「翻弄させられる」は誤用です。


【「翻弄」と同じ意味で使われる「類語」「言い換え」表現】

■もてあそぶ

「もてあそぶ」は、手に持って遊ぶ意から、「相手を思うままに扱う」意味の言葉です。「翻弄」とは異なり、通常、主語は人となります。

■手玉にとる

「手玉にとる」は「思いどおりに操る」「翻弄する」という意味の言葉です。

■玩弄

「がんろう」と読みます。「玩」は「玩具(がんぐ)」という言葉もあるように、「なぐさみとするおもちゃ」の意。「玩弄」は「あるものを、おもちゃにしたりして心を慰め楽しむこと」「もてあそぶこと。また、そのもの。なぶりものにすること」「愚弄」という意味で「相手を支配する」意味合いが強い言葉です。

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「翻弄」は「大きな力のものが弱い小さい者を思うままに動かす」さまを表します。自分の意に反して行動や感情がコントロールできなくなり、振り回されることを「翻弄される」といい、多くは悲観的な状況で使われることが多いようです。ドラマを鑑賞するだけならそのドキドキ感が魅力的ですが、実生活ではあまり歓迎できない状況といえそうです!

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参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉(小学館) :