豊富なキャリアに裏打ちされたスタイリング力の高さに定評がある人気スタイリストの犬走比佐乃さんに、大人の女性に必要なファッションについて教えていただく連載。今回のテーマは「プチリメイク」。ちょっとした工夫で、ミシンを使わずとも手持ちのアイテムを変身させるアイデアとテクニックを伝授していただきます！
やってみれば意外と簡単！手縫いでできちゃうプチリメイクのすすめ
気に入って買ったものの、家に帰って手持ちの服とコーディネートしてみたら「ここが惜しい！」と思うことや、しばらく着ているうちになんとなく飽きがきてしまうことってありますよね？ 例えばボタンの色や質感とか、首もとの開き具合、裏地の色、丈の長さ…などなど。そんなときに犬走さんは、思い切りよくリメイクしてしまうのだそう。
今回は、そのなかから最近作り直したというアイテム２点をご紹介。どちらも手縫いでちょっと手を加えただけというプチリメイクながら、「なるほど！」と思わされるアイデアがそこにはありました。
■１：白を効かせたロゴトップス。実はTシャツの襟をコンバイン！
「そういえばカジュアルなロゴトップスって持っていなかったな」と、犬走さんが今年購入したこちらのトップス。本来は白い襟が付いていなかったのだそう。
「ロゴと袖のラインが白なので、首元にも白があればもっとバランスがよくなると思いついて…。白Tシャツの襟を付け足すことにしました。手持ちのTシャツを襟ぐりに沿ってカットし、それをまつり縫いでくっつけただけ（笑）
Tシャツ素材だから切り取った部分の始末をせずとも、そのまま縫い付けて大丈夫です。首の後ろ側はトップスのデザインに合わせて切り離しているので、そこだけ端を折り返して縫っています」（犬走さん）
これによって、「襟が詰まっているデザインのほうが好き」というポイントもあわせてクリア。襟を切った残りのＴシャツ本体は、靴磨きや掃除に再利用したそうです。
■２：眠っていたコサージュがリボンとマグネットでチョーカーに早変わり！
長年しまい込んだままだったというコサージュは、グログランリボンと薄型のマグネットボタンでチョーカーに大変身！
「その昔に流行ったコサージュなのですが、野暮ったくならずにつけるのはけっこう難しいですよね。私に限らずタンスの肥やしになってしまっているという方がいるのではないでしょうか？ でも、裏のピンにリボンを通してチョーカーにすると、コーデのワンポイントに取り入れやすくなります。私は白シャツに合わせることが多いですね」（犬走さん）
コサージュだけでなく、大きめのブローチにも使えるというこの技。リボンを後ろで結ぶだけだとほどけやすいので、犬走さんは手芸店で見つけた薄型のマグネットボタンをプラスしました。
「マグネットボタンの四隅を縫い付けるだけなので、あっという間に完成します。薄型だから重たくないし、しっかりぴったり付くので外れないから安心。コーディネートに合わせてリボンの色を変えてもいいですね」（犬走さん）
人気スタイリストの犬走比佐乃さんから、大人の女性に必要なファッションについて指南いただく連載。第40回は、手縫いで簡単にできるプチリメイクについて教えていただきました。
次回も「飽きたから使わない、着ないはもったいない！」という犬走さん流のリメイク術【後編】をお届けします。こちらはもう少し大胆に「服の丈を変える」というもの。ぜひお楽しみに！
- PHOTO ：
- 黒石あみ（小学館）
- EDIT&WRITING ：
- 谷 花生
