ヨーロッパ各国の王族、大統領、ハリウッドセレブやスポーツ選手など、著名人や各地の富裕層がお忍びでバカンスに訪れる「モーリシャス島」。アフリカ大陸の東、マダガスカル島の東約900kmに位置するこの島の魅力を、現地コーディネーターの伊藤みどりさんの現場レポートでお届けします。

モーリシャスのNo.1高級リゾートといえば「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」

「ワン&オンリー・ル・サン・ジェラン」のプール

約10か月の改装期間を経て、2017年12月1日に新装オープンしたモーリシャスのリゾート「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」。誰もがモーリシャスを代表するホテルとして認める、この”レジェンド”ともいえるホテルが、「She’s Back」をコンセプトに、エレガントさにスタイリッシュさを兼ね備えたホテルとして生まれ変わりました。

クリスマスからニューイヤーにかけてのトップシーズンを過ぎた先日、「ようやくリゾートへ訪れるチャンスが巡ってきたので、いろいろと拝見して回ってきました」と伊藤さん。

「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」のテラス

世界中のセレブがこのホテルを訪れる理由は? なぜ「レジェンド」扱い?

「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」のプール沿いのカバナ

■「サンジェラン号」と悲劇の愛の物語『ポールとヴィルジニー』

そもそもこのリゾートの名前である「サンジェラン」は、大航海時代、東インド会社に属していたスペイン商船の名前で、1744年にモーリシャス北東沖で暗礁に乗り上げ、沈没してしまった帆船「サンジェラン号」に由来します。

座礁後、岸まで泳ぐために服を脱ぐことができなかったつつましさが故に、命を落としてしまった若い将校カップルの悲劇。そのエピソードに感化されたフランス人技師・ベルナルダン・ド・サン・ピエールによって、身分違いの若者の悲恋物語『ポールとヴィルジニー』が誕生します。当時のヨーロッパを支配していた「南国=楽園」思想ムーブメントにより、この小説は後世まで語られることとなる大ベストセラーに。あたかも実存していたかのように語られる、主人公ふたりの無垢な愛を象徴するモチーフとして、サンジェラン号が登場します。

■作家フレデリック・フォーサイスと「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」の深い関係

ヨーロッパの王室メンバー、某国の大統領、ハリウッドセレブなど、こちらのリゾートの顧客名簿にはそうそうたる名前が連なります。そのなかでもこのホテルを定宿としていたのが、映画化もされた『ジャッカルの日』で著名なイギリス人作家のフレデリック・フォーサイスです。彼の「サン・ジェラン愛」は、短編『帝王』に、ホテルとともに執筆当時の支配人を実名で登場させてしまったほど。その冒頭には、ホテルの顔ともいえるエントランス・ホールの様子が細かく描写されています。

■「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」の誕生

首都や主要な観光地から離れた、モーリシャスの東海岸。手つかずの美しいビーチに囲まれた広大な半島に、その自然を生かしつつ、まるごとリゾートとしてオープンしたのが1975年のこと。当時は製糖がモーリシャスの主要産業だった時代で、近隣の小さな村から採用された、かつては漁業や農業に従事していた多くのスタッフは、自分の家を訪れた親戚や友人をもてなすように、ホテルのゲストに接しました。この今でも変わらずに息づく、スタッフの温かくて親しみやすいホスピタリティが、やがて数多のアワードを獲得し、世界中のセレブリティを魅了するホテルへと成長させていったのです。

1998年の改装以降、大きなメスを入れていなかったホテルも、よりグレードの高いサービスの提供を主眼に2017年2月1日から約10か月の改装に入りました。そして2017年12月1日、ついに新たな章への幕が開けられたのです。


リニューアル後の「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」その全貌は?

エントランスの壮大なファサードには白いタイルが施され、グレード感がアップ。そして『VOGUE』誌の表紙を飾ったこともあるロビーへ足を踏み入れると、吹き抜けで自然光がたっぷりと降り注ぐ、開放感あふれるホールが。ここは以前の姿そのもので、うれしさと懐かしさが込み上げてきます。

とはいっても、まったく変わっていないというわけではなく、作家のフォーサイスも描写した火山岩の壁がすべて白くペイントされたことにより、更に明るくなりました。インテリアも白を基調に、ペールブルーとライトグレー、グリーンがアクセントになっているため、シックでラグジュアリー感にあふれています。以前のようなピンクの大理石を多用したゴージャスな雰囲気から、よりソフィスティケートさが強調された印象になりました。

サンゴのオブジェが埋め尽くすアートに圧倒されるレセプション
白を基調とし、寒色系ペールカラーでナチュラルにまとめられた客室インテリア

オープン時には175室あった客室が、前回の改装で163室へ。今回の新装オープンでは、ヴィラを含めてさらに室数が減り、143室に減少しました。これは、顧客のニーズに合わせて広いスイートルームの数を増やした結果なのだそう。

ラグーンルームやオーシャンルームなど、ボトムカテゴリーのルームは改装前と同じ65㎡ほどの広さですが、色味を押さえたナチュラルなインテリア、そして海に向かって配置されたベッドや高さを押さえたファニチャーのおかげで、以前よりも開放的な造りになり、カップルで利用するには十分な広さがあります。ウォーク イン クローゼットも残しつつ、バスタブのほか、独立している広いシャワーブースの使い勝手もグッド。

バスルーム

スイート以上のカテゴリーの客室には24時間専用バトラーが付き、到着時の荷物のアンパッキングに始まり、レストランやスパの予約、アクティビティの手配、そして出発時の荷物のパッキングまでアシストしてくれます。

専用のシェフも常駐!最上級ゲストルーム「ヴィラ・ワン」

そして、このホテルの最高級カテゴリーである「ヴィラ・ワン」。ロビーを通らずにアクセスできる専用ゲートがあり、2つのベッドルーム、インフィニティプール、そしてダイニングとキッチン、リビングはヴィラの内部と外のテラスにそれぞれ配されています。トータル面積はなんと622㎡(!)まさしく邸宅。バトラーやメイドのみならず、専用のシェフも常駐しています。

海に面したベッドルーム

ヴィラ・ワン以外の客室は2階建の連なる棟で構成されており、半島のラグーンサイドとオーシャンサイド、どちらかの海に面しています。ビーチへのダイレクトアクセスが可能な1階のお部屋に人気があるのですが、プライバシーを重視したい場合は「バルコニールーム」や「バルコニースイート」といった、2階のお部屋を選ぶとよいでしょう。

ゲストベッドルーム
ヴィラのバスルーム

以上、「ワン&オンリー・ル・サンジェラン」の共有スペース、豪華なヴィラスイートの紹介でした。次回はレストラン、スパについてレポートします。

問い合わせ先

伊藤みどりさん
モーリシャス島コーディネーター
(いとう みどり)モルディブのリゾート勤務の後、モーリシャスへ。モーリシャス人の夫と17歳の老犬と、サンセットが美しい海の近くで暮らしている。現地のマネージメント会社にて、日本からの観光客や外交ミッションのアシスタンス、雑誌やテレビの撮影コーディネーターとして活躍中。

シリーズ「モーリシャス島」

この記事の執筆者
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EDIT :
渋谷香菜子