リアルファーよりも手頃にクリーニングできるエコファー。耐久性があって扱いやすい分、ケア方法を怠っていませんか? エコファーもリアルファーと同様、メンテナンスをしないと毛のふんわりとした質感が損なわれてしまいます。

そこで今回は自宅でできるエコファーのお手入れをご紹介。リアルファーのお手入れに引き続き、長野のクリーニング会社「芳洗舎」の三代目であり、「洗濯アドバイザー」としても日本初の洗濯専門のスタジオ「Sentaku Stuidio」をプロデュースするなど、幅広く活動している中村祐一さんに伺いました。

【関連記事:スベスベ、ふわふわなファーを自宅で簡単メンテ!リアルファーのお手入れ方法】

エコファーはどうやってお手入れすればいいの?

中村さん曰く、エコファーのお手入れも、使用する洗剤が少し異なるだけで、リアルファーと同じ手順だと考えてくださいとのこと。

それでは行程ごとにエコファーのお手入れについてお伝えします。

■1:ブラッシングでホコリを落とす

はじめに洋服用ブラシで全体のホコリをさっと払い落とします。毛並みに逆らって、毛の間に詰まったホコリなどをかき出すようにブラッシングしてください。

毛並みに沿ってブラッシングします
毛並みに沿ってブラッシングします

■2:30℃のぬるま湯で優しく押し洗い

次に中性洗剤を30℃のぬるま湯に規定量溶かし、洗剤液をつくります。

特別な洗剤は必要なく、おしゃれ着用の中性洗剤を使います
特別な洗剤は必要なく、おしゃれ着用の中性洗剤を使います
洗う力が強すぎると毛が切れたり、抜け落ちたりしてしまうので注意
洗う力が強すぎると毛が切れたり、抜け落ちたりしてしまうので注意

しっかりと汚れを落としたい場合は、5〜10分くらいそのまま洗剤液の中につけておくとより効果的です。

■3:水ですすぎ、柔軟剤をエコファーに馴染ませる

次に桶の洗剤液を捨て、新しいぬるま湯を用意。2で使用した洗剤液をすすぎ落とします。このとき、2と同様に優しく押し洗いしましょう。そしてもう一度水を変え、柔軟剤を入れたぬるま湯にエコファーを入れて、柔軟剤を染み込ませます。

柔軟剤をエコファーに染み込ませます
柔軟剤をエコファーに染み込ませます
ここでも優しく馴染ませてください
ここでも優しく馴染ませてください

■4:タオルで水気を拭き取り、ドライヤーで乾かす

そしてエコファーを軽く絞った後、バスタオルなどで挟み、水気を取ります。

そのまま乾かさずタオルで水気を取るのがポイント
そのまま乾かさずタオルで水気を取るのがポイント

水気がなくなったらドライヤーで乾かします。高温の熱ですとファーが傷むので、冷風にするか、ドライヤーを離して一箇所に熱を当て続けないように気をつけましょう。

毛を傷めないために冷風で乾かすのがベターです
毛を傷めないために冷風で乾かすのがベターです

■5:仕上げにブラッシングで毛並みを整える

最後に洋服用ブラシでブラッシングし、毛並みを整えます。ブラッシングは毛並みの方向に、優しくかけるのがポイントです。

仕上げのブラッシングも丁寧に優しく行います
仕上げのブラッシングも丁寧に優しく行います
エコファーのお手入れが完了!
エコファーのお手入れが完了!

以上、エコファーのお手入れ方法をご紹介しました。

【まとめ/エコファーのお手入れ方法5か条】
1:ブラッシングでホコリを落とす
2:30℃のぬるま湯で優しく押し洗い
3:水ですすぎ、柔軟剤をエコファーに馴染ませる
4:タオルで水気を拭き取り、ドライヤーの冷風で乾かす
5:仕上げにブラッシングで毛並みを整える

「エコファーのお手入れでリアルファーと大きく違うところは、柔軟剤を使う点。リアルファーは、柔軟剤よりも元々持っている油分に近い、オイルを使う方が天然の毛の質感が損なわれずにすむんです。また、サイズの大きいエコファーのコートなどは、家庭で洗える表示でなければ、クリーニングにお願いするなど、専門的な場所でメンテナンスしてもらう方がよいですよ。もし食べ物や飲み物など、小さな汚れができてしまったらふき洗いして、汚れのこびりつきを防いでください」(中村さん)

エコファーアイテムのふんわりとやわらかな質感をお手入れで保ち、次の冬に備えましょう!

 
 
中村祐一さん
洗濯家
(なかむら ゆういち)長野県伊那市のクリーニング会社「芳洗舎」3代目。培ったプロの洗濯技術を一般家庭用にアレンジし伝えている。日本を代表する洗濯家として知られ「洗濯王子」の愛称で、テレビや雑誌など、各種メディアでも活躍中。
公式サイト
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
長祖久美子
EDIT :
高橋優海(東京通信社)