キム・ジョーンズ最後のコレクションとなった、Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)のショーでは、ベッカム夫妻がフロントローにそろって現れました。パリ・メンズファッションウイークにふさわしく、ヴィクトリアはマニッシュなジャケットとパンツルックを披露。ハイネックでスパイスを効かせる彼女のさまざまな着こなしを読み解いてみましょう。

冬の定番「タートルネックニット」をオシャレに着こなす方法

■1:スカーフ感覚で取り入れたい「パープル」のハイネック

濃いめの色をハイネックに迎えると、顔周りがシャープに映ります

あごから下はほとんど素肌が見えないのに、しなやかでエレガントな装いは拍手を贈りたくなるほど。ポイントは落ち感と色合わせ。ハイネックとチェスターコート、ストライプ柄シャツで縦に伸びるイメージを強調しています。さらに、裾が地面に届きそうなワイドパンツで縦落ち感を増幅。センタープレスはきちんと感と凜々しさを醸し出しています。色はマスタードイエローがアイキャッチー。

一方、チェスターコートはベージュ系で優しげに。ストライプ柄はキリッと引き締める役回り。その内側からのぞくパープルのハイネックはスカーフのような存在感。首周りに強め色を迎えて、顔肌の透明感を引き出しているのは、参考になる組み立てです。

■2:チークのように差す「フューシャピンク」のハイネック

ピンクのハイネックは顔の血色を良く見せてくれそう

パリの鉄道駅に到着したばかりのヴィクトリアは、ここでも隙を見せない着こなしを見せました。こちらも顔と指先を除いて、すっかり覆い隠した装い。それなのに彼女らしいフェミニンが薫ります。ロマンティックな柄で埋め尽くしたプリント・ワンピースは、襟付きのレトロなフォルムが印象的。くびれを印象づける「フィット&フレア」のシルエットも印象的です。足元はロングブーツで艶やかに締めています。

女っぽさのキープレーヤーになっているのは、フューシャピンクのハイネック。濃いめのピンクがフェイス周りにまで照り映えて、チークを差したかのような効果を発揮しています。

■3:「黒」のタートルは主役服を引き立てる名脇役

タイトなシルエットと引き締め色の黒が上半身をほっそり演出

スペインの首都、マドリードのホテルから出てきたヴィクトリアは、気負っていないのに、抜かりのない着姿で登場。ダイナミックに躍るアート風プリントモチーフが目を引くマキシ丈スカートがこの日の主役です。

そのドラマティックなスカートを引き立てる「最高の脇役」に、シンプルな黒無地のタートルネックニットを選びました。パーツの強弱を意識したチョイスが大正解。ボリュームのたっぷりしたスカートを、ボディーラインにぴったりしたハイネックが際立たせています。手首を見せているおかげで、自然な細感を帯びているのも、見事な量感コントロールです。

■4:ヌーディーな「キャメル」のハイネックで伸びやかな気分に

キャメルのような穏やか色をまとうと、気負わない雰囲気にまとまります

ちょっとした用事でホテルから出掛けるヴィクトリアをキャッチ。ハイネックトップスとジーンズという、割とイージーなコンビネーションにも関わらず、大人っぽいムードに仕上がっています。見慣れた感じのデニムルックに、穏やかな品格を寄り添わせているのは、キャメルのハイネック。首周りを隠しているから、ルーズに見えません。ヌーディーな色味に加え、両袖をまくって、リラクシングなたたずまいに見せています。

Tシャツで合わせると、もっとストリート風に見えてしまうところを、さすがの色・アイテム選び。ウエストインもきちんと感を演出。赤のピンヒールで脚首をのぞかせたおかげで、さらにエレガンスとヌーディー感が加わりました。ぜひ参考にしたい大人の女性に似つかわしいスタイリングです。

首周りをくるんで肌を見せないのに、女性らしさが引き立つハイネックニットは、防寒面でもうれしいので、上手に着こなしたいトップス。だらしなく見えにくい点でも心強いので、ヴィクトリアのテクニックを見習いながら、賢く使いこなしていきましょう。

この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃