1976年から81年まで放映されたアメリカのドラマ「チャーリーズ・エンジェル」(邦題は「地上最強の美女たち! チャーリーズ・エンジェル」)は、幼少時に熱中していたドリュー・バリモアによってリメイク映画化されたこともあり、比較的若い世代にも知られた作品だ。放映初期、その人気の中心にいたのが、3人のエンジェル(私立探偵)のひとり、ファラ・フォーセットだった。

人気が出すぎてドラマを降板!

ゴージャスなブロンドヘアの美女として、そのイメージはポップカルチャーにも影響を与えた。かつて小学館が発行していた男性誌「GORO」で連載されていた劇画「実験人形ダミー・オスカー」(小池一夫・作/叶精作・画)に出てくる欧米の美女も、たいていこんな感じだった。
ゴージャスなブロンドヘアの美女として、そのイメージはポップカルチャーにも影響を与えた。かつて小学館が発行していた男性誌「GORO」で連載されていた劇画「実験人形ダミー・オスカー」(小池一夫・作/叶精作・画)に出てくる欧米の美女も、たいていこんな感じだった。
「チャーリーズ・エンジェル」より。ファラ(右)はプロのレーシングドライバーになるために探偵を卒業したという設定で、第1シーズン終了後に降板。
「チャーリーズ・エンジェル」より。ファラ(右)はプロのレーシングドライバーになるために探偵を卒業したという設定で、第1シーズン終了後に降板。

 はじめ、女優としては大きな役に恵まれなかったファラ・フォーセットは、シャンプーのCMモデルで飛躍のきっかけをつくり、「チャーリーズ〜」でスターの座を射止めた。派手な顔立ちを引き立てるブロンドヘアはゴージャスなブローでセットされ、日本でも大人の女が憧れる髪型の代名詞となった。

 幼い頃からスポーツが得意だったというファラは、「チャーリーズ〜」でも吹き替えなしでテニスやローラースケートのシーンをこなし、その存在感はエンジェルのなかでも突出していた……のだが、第1シーズンの出演をもって降板してしまう。第2シーズンからは彼女の妹という設定で、ちっとも似ていない(が、スタイルは抜群!)シェリル・ラッドが後を継ぎ、ファラはときおりゲスト出演するにとどまった。実は彼女、次々とオファーが来る映画に専念するため、本当は完全に降りたかったものの、契約でもめてしまい、その和解案としての登場だったらしい。

70年代後半〜80年代前半のアイコン

映画「サンバーン」より。この写真はポスターとして流通し、当時の青少年たちの心をわしづかみにした。
映画「サンバーン」より。この写真はポスターとして流通し、当時の青少年たちの心をわしづかみにした。

 ファラは人気が出る前の1973年に結婚している。夫はドラマ「600万ドルの男」で強化人間(サイボーグ)を演じたリー・メジャース。当時の正式な芸名もファラ・フォーセット=メジャースだったのだが、80年代に入ると離婚。「チャーリーズ〜」以降も女優としての活動は続けていたものの、いまいちパッとせず、記憶に残る映画は「サンバーン」(1979年)や「キャノンボール」(1981年)くらいだ。

 いまどき、彼女の髪型を真似た女性を見かけることはまずないが、よくよく考えれば、80年代の聖子ちゃんカットに代表される、ボリューミーな外向きブローのレイヤーカットのルーツである。日本の女性をより美しく(可愛く)させたアイコンとして、もっと評価されてもいいと思う。

この記事の執筆者
男性情報誌の編集を経て、フリーランスに。心を揺さぶる名車の本質に迫るべく、日夜さまざまなクルマを見て、触っている。映画に登場した車種 にも詳しい。自動車文化を育てた、カーガイたちに憧れ、自らも洒脱に乗りこなせる男になりたいと願う。