パリのおしゃれセンスを象徴する存在と言われるイネス・ド・ラ・フレサンジュ。誰もが認めるおしゃれの達人だけに、ポシェットの操り方にもさすがのテクニックを披露してくれています。

ポシェットの斜めがけは子どもっぽく見えがちなところがありますが、イネス流ならそんな心配は無用です。パンツルックを引き立てつつ、同時にフレンドリーなムードを生むアレンジ術はお見事の一語に尽きます。

イネス・ド・ラ・フレサンジに学ぶ!「ポシェット」を上品に格上げするコーデ術

■1:正面に吊るしてネックレス風に

巧みなカラーブロックでバッグを目立たせて

ポシェットは斜めに肩掛けして、脇のほうに寄せるのが一般的ですが、イネスはあえて、首から垂らしたネックレスのようにポシェットを体の正面に配置しています。普通の場合よりも目立つ居場所だから、おへそのあたりでしっかりと主張しています。

ビジューをあしらった格上ショルダーバッグは、このポジションでも視線に耐えます。シャイニーなチェーンもロングネックレスのよう。立ち襟と袖口に品よくフリルがトリミングされたシャツの上からオンして、バッグをコーデの主役に位置付けました。チェーンとビジューそして、シューズのきらめきがまばゆい相乗効果を発揮しています。

■2:コートの上から乗せてグッドバランスに

全体の色数を抑えて、バッグのモチーフを引き立てて

コートの上からポシェットを斜め掛けすると軽快なムードに仕上がります。コートは面積が広い分、目立ちすぎてしまうものですが、ポシェットを乗せたおかげで、ダークカラーのコートでも重たく見えていません。小さめのバッグが全体をグッドバランスにまとめました。

こちらは、サッチェルバッグのようなレザーベルト付きのタイプ。金ボタンが並んだトラッド風コートとムードが合っています。色味が異なる白パンツと組み合わせて品格を帯びたツートーンでまとめ、さらにバッグを引き立てました。正統派の装いを程よくハズすときにも使えるテクニックなので、きっちりとまとまりすぎたなと感じたときの参考になります。

■3:パイソンモチーフを華やか軽やかに

3色バランスのコーデに、パイソン柄のスパイスを投入

インパクトが強めのモチーフをコーデに組み入れると、装いにスパイスが効きます。イネスがこの日、選んだのは、爬虫類系のリザード柄ポシェット。1点だけの投入で、着姿をキリリと引き締めています。肩から斜め掛けしながらも、ポジションを正面寄りにして、赤のパンツにかぶせました。赤い背景がさらにパイソン風モチーフを印象深く見せています。主張が強い柄を堂々と迎え入れると、大人っぽいムードが加わります。

全体のカラートーンをフランスらしいトリコロール(3色使い)ですっきりまとめ、パイソンバッグをトッピング風に取り入れたところがイネスならではのセンス。軽やかにまとったおかげで、華やかさと軽快さが両立しています。

■4:上品なきれいめコーデの顔に

角張ったボクシーポシェットで着姿にエレガンスを添えて

元気なイメージがある半面、幼く見えやすいのもポシェット使いが難しく思われがちな理由です。でも、上質レザーの角張りタイプは上品なムードがあり、割とドレッシーな装いにも合わせやすくなります。光沢を帯びたとろみ系シャツに肩掛けして、流麗な着映えに仕上げています。

腰にはニットトップスを巻いて、イネス流のエフォートレスな雰囲気を引き出しています。斜め掛けにしたポシェットが適度なヌケ感を添えました。装いをホワイト系でそろえ、ベージュのポシェットとなじませたのも好判断と言えます。爪先がのぞくフットベッド・サンダルもヌーディーで、ポシェットの色味と調和しています。

ポシェットが復活した理由には、スマートフォンに触れる機会が増えて、ハンズフリーを好む人が多くなったという事情もあります。軽快に歩きやすいから、行動的になる春夏の気分にもマッチします。さらに、着こなしのアクセントに生かすのがおしゃれ上手の操り方。イネスのお見事テクニックを参考に引き出しを増やしていけば、ポシェットがもっと役に立ってくれるはずです。

この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃