調味料から自作するこだわりで、ベストな味わいを目指す

 中野さんはいわば料理オタク。いつも料理のことを考えていて、自分のアイディアを自由に試すために独立し【CUCINA ITALIANA PEDROLINO】を開業しました。オープンにあたって香ばしい焼き目をつけるための上火オーブン、そして低温調理に欠かせない真空パック機や低温調理機まで細部にいたるまでこだわって調理器材をセレクト。その成果はシグネチャーの鴨肉のローストに結実しています。

『スターターの柿とマスカルポーネと生ハムのモナカ』420円(税別)。口中に華やかな香りが広がるセゾンを合わせて
『スターターの柿とマスカルポーネと生ハムのモナカ』420円(税別)。口中に華やかな香りが広がるセゾンを合わせて

 そのポリシーは調理法にとどまらず、自作の調味料にも及びます。

「調味料を自作するのが趣味なんです」と語る中野さん。オリジナルレシピでマスタードやハーブオイルを自作したり、塩は数種をブレンドしてフレーバーをつけたりと料理に合わせてアレンジしています。例えば、河内鴨のローストにも自作調味料を使用。それは粉末状に加工したオリーブオイル。写真に粉糖のように映っているのがそれ。粉末状にドライにすることで鴨肉の旨みがダイレクトに舌にあたりながらもオリーブオイルのコクも味わえるのだそう。

低温でじっくり火入れすることでしっとり仕上げた『河内鴨のロースト』2,300円(税別)。鴨肉は河内鴨の生産卸の老舗、ツムラ本店より
低温でじっくり火入れすることでしっとり仕上げた『河内鴨のロースト』2,300円(税別)。鴨肉は河内鴨の生産卸の老舗、ツムラ本店より

樽生ビールで3種、ボトルで約30種のクラフトビールをラインナップ

【CUCINA ITALIANA PEDROLINO】では、タップから注ぐフレッシュな国産樽生クラフトビールを3種、そしてベルギーやフランス、そしてアメリカ産など料理に合わせて約30種のボトルビアをラインナップしています。そのバリエーションはホップの風味と苦味が肉料理にうってつけのペールエールから、繊細な魚料理との意外なマリアージュが楽しめるフルーツ&ハーブ系までと多彩。

『ウニのトマトクリームパスタ』1,980円(税別)。ペアリングするのは香ばしい風味のポーター
『ウニのトマトクリームパスタ』1,980円(税別)。ペアリングするのは香ばしい風味のポーター
複雑な風味が楽しめるフルーツ&ハーブ系エールとの相性がいいのは、滋味深い貝出汁が効いた『タラと牡蠣のアクアパッツァ仕立て』1,420円(税別)
複雑な風味が楽しめるフルーツ&ハーブ系エールとの相性がいいのは、滋味深い貝出汁が効いた『タラと牡蠣のアクアパッツァ仕立て』1,420円(税別)

 そのクラフトビールのセレクトを担うのが川崎毅さん。4年間みっちりクラフトビール専門店で学んだ本格派です。中野さんの料理に合うビールを探し出すのが川崎さんの役割。仕込みの時間には中野さんが新たに作り出した料理に、合いそうなビールをチョイスして提案していきます。中野さんと川崎さんは十代の頃から10年来の付き合い。飲食店のバイト終わりに二人で語り合った夢を今、現実のものにしています。

新しい料理とクラフトビールのペアリングを検討するオーナーの中野さん(右)と川崎さん(左)
新しい料理とクラフトビールのペアリングを検討するオーナーの中野さん(右)と川崎さん(左)
イタリアンの定番トリッパの煮込み(税別)はパンチのある苦みのペールエールと合わせて
イタリアンの定番トリッパの煮込み(税別)はパンチのある苦みのペールエールと合わせて

「イタリアンとクラフトビールのペアリングというのはまだ確立されていない分野だから、お客さんに押し付けたくはない」というのが中野さんの想い。もちろん、ワインも用意して、ここぞという時にイタリアンとビールのマリアージュをお客さんに提案していこうというのが【CUCINA ITALIANA PEDROLINO】のスタイルです。

【CUCINA ITALIANA PEDROLINO】(クチーナイタリアーナ ペドロリーノ)

電話:06-6765-3222
住所:大阪市中央区安堂寺町1-3-11
アクセス:地下鉄谷町線「谷町六丁目」駅より徒歩1分
営業時間:17:00~深夜1:00
定休日:日曜

記事元:ヒトサラ https://magazine.hitosara.com/article/1158/

この記事の執筆者
「料理人の顔が見える」グルメ検索サイト。編集部が培ってきたネットワークやノウハウを通じ、新たな食の愉しみ方や提案する『ヒトサラMAGAZINE』も好評。1.いま行きたいお店がわかる「食トレンド」2.健康的な食生活を提案する「健康美食」3.ぜったい外さないお店選びができる「デート・会食」4.旅で出会った名店を紹介する「旅グルメ」5.食のテーマを掘り下げた「グルメラボ」6.食の愉しみ方や世界観が広がる「連載」。6つのカテゴリーから、役に立つ面白いニュースを発信する。
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PHOTO :
春堂マミ
WRITING :
ナカシママサヨシ
EDIT :
ヒトサラ編集部
RECONSTRUCT :
MEN'S Precious編集部