素敵な大人の女性になるためには、見た目だけではなく内面の美しさも…とよく言われますが、「内面の美しさ」ってなんでしょう。

心根のよさ、豊かな教養、深い知識など、いろいろなものをひっくるめて「内面」と言えますが、その「美しさ」が人に伝わるのは「ことば」次第。

何気なく使うことばは、相手に良い印象も悪い印象も与えることができる両刃の剣。素敵な大人の女性は、みんな自分のことばを持っています。

作家・青木奈緖さん

『幸田家のことば 知る知らぬの種をまく』を上梓した作家の青木奈緖さんに、私たちが豊かなことばを身につけるためのアドバイスをいただきました。

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STEP1:自分の中にあることばを探す

「家族の中でどんなことばが使われてきただろう、と見直してみること。誰にも思い出深いことばや、心に留めておきたい大切なことばがあるはずです。人は必ずことばを使って生きているけれど、その数は膨大で、いつのまにか記憶から抜け落ちてしまうことばも多いものです。たとえば家族の誰かの口癖を子どものころに聞き覚えていて、大人になってふとした拍子にその意味を知るなんて経験、ありませんか? なぜその人はそのことばを口癖にしていたのか。たったひと言から思い出すことも多いんです。おばあちゃんがあんなこと言ってたな、とか、みんなで笑った思い出とか。そんな家族の情景とともに思い出す、今の自分を育ててくれたことばを大切にしないともったいないと思いますね。急に言われても、そんなのない、と思う人のほうが多いと思いますが、ぜったいにあるはず。家族でなくても、恩師とか、友人とか」(青木さん)

STEP2:ことばを聞き逃さない

作家・青木奈緖さんインタビュー写真

 

「誰かと話していて、このことばは素敵だなって思うこともあります。そのときに、聞き逃さないようにアンテナを張っておくのも、大事なことですね。そういった、ことばの蓄積を多くしておくことは、損にはなりません。著書内にある『ことばの手置きをよくしておく』というのも、いざというときに、ふさわしいことばがちゃんと出てくる状態にしておくことが大切、ということです」(青木さん)

STEP3:使ってみたいことばはまず意味を調べて、躊躇せず使う

「一度は辞書でちゃんと調べて、あとは使っている間に語感が養われます。初めは、とんちんかんな使い方をするかもしれないけれど、使っているうちにしっくりくるはず」(青木さん)

自分のルーツとなることばを探す、ことばに対して敏感にアンテナを張っておく、そして実際に使ってみる。そうして自分の中にことばを蓄積していく。

使わないと忘れてしまうのがことば。日ごろの生活の中で、自分の発することばに意識を向けていくことで、少しづつことばが豊かな女性に近づけそうです。

にこやかにインタビューに応じる作家・青木奈緖さん
BOOK
『幸田家のことば 知る知らぬの種をまく』
著/青木奈緖 発行/小学館 ¥1,500(税別)
小学館 楽天ブックス Amazon
 
この記事の執筆者
東京・小石川生まれ。大学卒業後、オーストリア政府奨学金を得てウィーンへ留学し、足かけ12年ドイツに滞在。1998年に帰国して『ハリネズミの道』でエッセイストとしてデビュー。『動くとき、動くもの』、『幸田家のきもの』、小説『風はこぶ』や絵本の翻訳『リトル・ポーラベア』シリーズなどの著書を持つ。幸田露伴は母方の曾祖父、幸田文は祖母にあたる。 好きなもの:寝ること、食べること、猫、犬、植物、読書、オペレッタ、戦前のドイツ映画、歌舞伎、三味線、きもの、料理、お茶、家でゆっくりすること 撮影/五十嵐美弥(人物)
クレジット :
撮影/大畑陽子 構成/安念美和子