海外ドラマ『ハウス・オブ・カード(House of Cards)』は、大統領を目指す夫を支え、やがては自らも政治家に転じる、野心的な女性、クレアが重要な登場人物です。ファーストレディーも務める彼女は、いわゆる「パワーウーマン」の装いを好みます。分刻みのスケジュールをこなす立場とあって、動きやすさや涼しさを兼ね備えたスタイリングがお得意。凜々しさや分別も印象づけるコーディネートはかしこまったシーンの参考にもなりそうです。

政治家妻のドラマコーデに学ぶ!女性エグゼクティブのジャケットスタイル5

■1:黒を白で涼やかに演出

服の縁や袖の先など「端っこ」に白を走らせたスタイル

黒主体の装いですが、白のパイピング使いが涼しさを添えています。袖口からもチラリと白シャツをのぞかせているのがわかります。黒特有の重たさをやわらげるうえで、白は絶好のパートナー色。黒と白のコントラストが生きて、全体にキビキビ感が出ました。ツートーンでカラーブロックに仕上げた襟がおしゃれ感を醸し出しています。

■2:涼しさの象徴、ブルーを操る

素肌の健やか感を引き立てるやや色味をくすませたブルーの存在感

ブルーは涼しさを象徴する色だから、サマールックに賢く取り入れたいものです。ワントーンで迎える場合は、全体が青ざめて見えないよう、程よい肌見せと組み合わせて。袖口を少し引き上げて、手首からひじにかけてのゾーンを露出しているのは、巧みなさじ加減。ジャケットは袖を折るだけでも硬さがやわらぎます。

■3:スクエアネックとフレンチスリーブの絶妙コンビ

ノーブル感を漂わせる角張ったネックライン

暑い時期にはネック周りのオープンな服を着たくなりますが、胸元の開きが気になります。四角く切り抜いたようなスクエアネックは気品を感じさせるデザインだから、広めの開き加減でも割と安心です。Vネックに比べ、落ち着きがあるうえ、お辞儀をしても胸元が見えにくいのもスクエアネックの長所です。身ごろからつながったフレンチスリーブで二の腕をしっかりカバーしつつ、穏やかなショルダーラインに見せています。

■4:半袖ジャケットでクラシカルに

重たく見せない半袖ジャケットの着こなし

ハーフスリーブ・ジャケットの端正なデザインが目を引きます。コンパクトなフォルムが潔いムード。ショール風のクラシカルな襟があるので、袖がハーフでも、きちんとして見えます。色もメンズスーツのようなグレーをチョイスしたおかげで、自然な凜々しさが備わりました。白シャツ、黒系ボトムスとの無彩色コンビネーションが誠実で飾らない空気を寄り添わせました。

■5:王道のベージュを使いこなす

気張って見せない上下でわずかにトーンをずらした「濃淡セットアップ」

癖がないので、パワーウーマンが好んで着るベージュ系カラーを巧みに使ったコーデです。見るからに特別な日の装いですが、堅苦しく見えていないのは、優しげムードを帯びたカラーのおかげでしょう。色味の近いベージュ系でも、ジャケットはニュートラルなベージュで顔周りを明るく見せ、スカートはワントーン深いキャメルを選んで腰周りを引き締めています。人前に出る際、真似したい組み合わせです。

人に見られる立場のパワーウーマンは、たとえ夏でもルーズでカジュアルな姿ではいられません。でも、妙に力んだり構えたりした雰囲気が出てしまうのもまずいので、オーソドックスでありつつ、気負いをそいだ着映えが大事になります。決めすぎない「きちんとコーデ」は襟や袖といった、目に付きやすいスポットでの細やかな工夫がポイント。すぐに取り入れやすいので、さっそく試してみてくださいね。

この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃