普段、こんなメール行動をしてしまっていませんか?

1:メールのテンションが会っているときと違いすぎる
2:メールのすべての質問に答えない・スルーしている内容がある
3:「取り急ぎ、返信まで」のメールの後、一向に返事をしない
4:メールなのにしゃべり口調で馴れ馴れしい
5:「ごめんなさい、このメールあまり開かないもので」と返信が遅れたことの言い訳をする

普段のメールのやりとりにおいて、もしかしたらこれらのNG行動をしてしまっているかもしれません。このデジタル時代、もはや年齢は言い訳にならないことも。

そこで今回は、相手に「わがまま・偉そう・時代錯誤・仕事ができなそう・年齢を言い訳にしている」と感じさせてしまうメール行動への対策を、メールのエキスパートである一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事の平野友朗さんに教えていただきました。

対策を実践して、ぜひ相手に「この人は仕事がデキそう!」「一緒に仕事をすると円滑に進みそう!」と思ってもらいましょう!

評価を下げてしまう5つのメール対応

■1:メールのテンションが会っているときと違いすぎる

会話だったらどう伝えるかを考えて、言葉を選びましょう
会話だったらどう伝えるかを考えて、言葉を選びましょう

「会うとやわらかくて温かい印象なのに、メールは硬くて冷たい印象を受ける、なんだか怖い。といった、実際に会ったときとメールの印象にギャップがあるケースです。メールは文字だけで伝えるコミュニケーションなので、短く簡潔に書こうとするあまり、言葉足らずになることがあります。文章が短いと『パソコンスキルが低いのかな』と思われたり、意図しない解釈をされたり、ニュアンスが伝わらなかったりすることも」

「うまく伝わらないかも、と少しでも不安がよぎったら、メールにこだわらず相手の反応を確認しながら伝えることのできる電話や対面に手段を切り替えましょう。お断りや催促といったシチュエーションでは、書き方次第でストレートな表現に角が立つことも。『お手数をおかけいたしますが』『恐れ入りますが』『お忙しいところ恐縮ですが』といったクッション言葉を添えることで、言葉の鋭さが和らぎます。会話だったらどう伝えるかを考えて、言葉を選びましょう」

■2:メールのすべての質問に答えない・スルーしている内容がある

「複数の質問を受けたのにすべての質問に答えないと、質問を選んで回答しているように受け取られかねません。意図はなく、質問を見落としていただけだとしても、都合の悪いことには答えない、都合よく解釈する人だと思われる可能性があります。場合によっては、わがままな人だという印象にもなってしまいます」

「一度にすべての質問に答えることができないのであれば『今回は○○についてお答えします。残りの3点は今週の金曜日までにお答えいたします』などと宣言すれば、質問を把握していること、無視しているわけではないことが伝わり、相手も安心します。質問への回答漏れがあると『回答に漏れがあるようです。○○についてはいかがでしょう』と催促をさせることにもなり、相手の負担になります。また、相手が知りたいと思われることが分かるなら、先回りして書けば質問も減りますし、互いにストレスなく円滑なコミュニケーションが取れます」

■3:「取り急ぎ、返信まで」のメールの後、一向に返事をしない

『いつまでに返事をします』と期限を宣言できるとベスト
『いつまでに返事をします』と期限を宣言できるとベスト

「『取り急ぎ』という言葉は『メールを受け取ったことをお知らせします。追って、詳細は返事をします』という意思表示。忙しさをアピールするための言葉ではありませんし、場合によっては相手のメールを軽んじているように受け取られる可能性があります。多用すると不快感を与えることがあるので気を付けましょう。『取り急ぎ』と、いったん返信をするのであれば、同時に『いつまでに返事をします』と期限を宣言できるとベスト。相手は『一向に返事がこない』と待たされることもないので、仕事のスケジュールを立てやすくなります」

■4:メールなのにしゃべり口調で馴れ馴れしい

自分の価値観やスタンスを押し付けて、知らずに相手を不快にさせることがないように
自分の価値観やスタンスを押し付けて、知らずに相手を不快にさせることがないように

「付き合いが長く、信頼関係が築けているとしても、仕事である以上、ビジネスメールには一定の距離感が求められます。親しき中にも礼儀あり。頑張って顔文字を使ったのに若い社員から『これは古いですよ』と言われることも。もちろん、相手や状況に応じて適切な判断ができれば、砕けた文章や『!』などの記号を使うことは許容されます。しかし、これは上級テクニック。自分はアリだと思っても、相手はナシと思っている可能性があれば、使うべきではありません。メールのジャッジは相手がします。自分の価値観やスタンスを押し付けて、知らずに相手を不快にさせることがないように。不快感は指摘しづらいもの。相手が嫌な気持になっていることを教えてくれないからこそ、自分のメールを過信せず、ときには振り返ることも必要です」

■5:「このメールあまり開かないもので」と返信が遅れたことの言い訳をする

「仕事でメールを使う以上、1日に1回は確認するべき。メールアドレスを複数使っているのであれば、すべてを把握する責任があります。あまり開かないことは言い訳になりません。使っていないメールアドレスは集約して、毎日確認できるメールアドレスで一元管理しましょう」

「メールのジャッジは相手がする」と言われると、ドキッとした方も多いかもしれません。もはや年齢は言い訳にできないこのデジタル時代。ただ頑張ってついていくというだけでなく、大人女性としてふさわしいメール対応を心がけたいですね。

平野友朗さん
一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事、株式会社アイ・コミュニケーション 代表取締役
(ひらの ともあき)筑波大学卒業後、広告代理店勤務を経て独立。ビジネスメール教育の第一人者。メディア掲載1000回以上、『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)をはじめ著書26冊。メールのマナー、営業力アップ、効率化を中心に官公庁や企業などでのコンサルティングや講演・研修は年間120回を超える。
株式会社アイ・コミュニケーション
一般社団法人日本ビジネスメール協会
ビジネスメールの教科書
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利